【一般選抜(前期日程)入試】北海道教育大学 令和6年度小論文過去問題と概要

小論文過去問題

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴27年
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2020年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となる。過去3年間で国公立大学合格85名。

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スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします

小論文過去問題

R6年度 教育学部函館校 教員養成課程 国際地域学科 地域教育専攻 一般選抜(前期日程)

【問題】次の〈問題文〉および〈資料〉を読んで、設問1、設問2および設問3に答えなさい。

※本文は省略

出典

〈問題文〉石田光規(2022)『「人それぞれ」がさみしい「やさしく・冷たい」人間関係を考える』筑摩書房より抜粋、表記および図の体裁を一部改変

〈資料〉森絵都(2018)『クラスメイツ〈前期〉』KADOKAWAより抜粋、一部改変

設問1 〈問題文〉の著者は図lおよび図2を使って、どのようなことを論じているのか説明しなさい。論述の際には、図1および図2が示す特徴を含めて、251字以上300字以内で述べること。なお、英数字や記号は解答用紙lマスにつき2文字まで記述してよい。

設問2 「個を尊重する社会」と「人それぞれの社会」の似ていることと異なっていることについて、問題文の主旨を踏まえ、126字以上150字以内で説明しなさい。

設問3 なぜ「個を尊重する」からこそ「人それぞれ」に陥ってしまうのか、〈問題文〉の主旨にもとづいて説明しなさい。さらに、〈資料〉の登場人物「しほリん」の「レイミー」への関わり方は、「個を尊重する」からこそ「人それぞれ」に陥ってしまっているのかどうか、理由を含めて説明しなさい。なお、601字以上700字以内で述べること。

R6年度 教育学部岩見沢校 芸術・スポーツ文化学科 スポーツ文化専攻 アウトドア・ライフコース 一般選抜(前期日程)

【問題】次の文章を読み、後の問1と問2に答えなさい。

※本文は省略

出典:濱谷弘志(2022)「北海道登山者のヒグマに関する認識について」山岳文化第23号,一部改編

問1 この文章を551字以上600字以内に要約しなさい。(100点)

問2 北海道であなた自身がヒグマなどの野生生物の生息する自然の中へ入る際、野生生物との接触を避けるため、どのような意識や注意をすることが適切だと考えますか。また、野生生物に遭遇した場合の適切な行動はどのようなものだと考えますか。あなた自身の考えを551字以上600字以内で、具体的に述べなさい。(100点)

出題意図・回答例

R6年度 教育学部函館校 教員養成課程 国際地域学科 地域教育専攻 一般選抜(前期日程)

〈出題意図〉

問題は〈問題文〉と〈資料〉によって構成されている。

〈問題文〉は、「個人化」が進んだ社会の実現とそれにともなって「人それぞれ」と呼べる状況が広く浸透していることとその問題性を、平易な文章で論じている。また〈資料〉は、中学校1年生の学校生活の中で生じる人間関係や自己意識の変化、出来事を通じた成長などを描いた小説であり、現代の児童生徒の実態を垣間見ることができる材料である。

〈問題文〉と〈資料〉で述べられている内容は、現代社会の人間関係や行動をめぐる実態や価値観への理解と、児童生徒の実態や発達について考える態度の涵養をめざす、函館校国際地域学科地域教育専攻の趣旨と合致する。

本問題によって、受験生が現代の社会や児童生徒について理解したり、教育現場の課題を考えたりする契機となることが期待される。

【設問1】〈解答例〉

図lは1993年から2018年にかけて結婚「するのが当然」と答えた人の割合が45%から27%へ減少した一方で、結婚「しなくてもよい」と答えた人の割合は51%から68%に増加したことを示している。図2は同じ時期に子どもを「もつのが当然」と答えた人の割合は54%から33%に減少した一方で、子どもを「もたなくてもよい」と答えた人の割合が40%から60%に増加したことを示している。この結果について著者は、社会から「標準」とされるライフコースが失われたことと、ライフスタイルの幅が広がってきたこと、そしてそういう社会は「人それぞれ」という言葉と強い親和性があると述べている。(267字)

【設問2】〈解答例〉

「個を尊重する社会」と「人それぞれの社会」とで似ていることは、相手の意向を尊重することや人に気を遣う社会であることだ。異なっていることは、「個を尊重する社会」は対立を避けずに意見を率直にぶつけ合う自由があるが、「人それぞれの社会」は対立を避けて、その場を穏便にやり過ごそうとすることである。(145字)

【設問3】〈解答例〉

「個を尊重」するということは、個人が持った意見の選択や決定を尊重するということである。個人の意見が重視されるようになると、その意見について否定的な意見をなかなか言い出せなくなる。しかも、その意見を否定することは、個を尊重しない行為と解釈されかねない。そのため、個人の意見を否定しないように注意を払うようになる。つまり、相手の感情を損なう表現は避けつつ、その場を穏便にやり過ごそうとするようになる。これが、「個を尊重」するからこそ「人それぞれ」に陥ってしまうことである。

〈資料〉では、誰かがウェブサイトにレイミーがふしぎちゃんと呼ばれていることや、持っているねずみのぬいぐるみについての書き込みをしたという事件を描いている。このことにどう対応するか、教室の意見は〈犯人追及派〉と〈そこまでしない派〉に二分された。しほりんと千鶴は、レイミー本人の気持ちを大切にすべきだと考えた。レイミーの気持ちは、ぬいぐるみの名前を訂正することとねずみのぬいぐるみに謝罪してほしいということだった。その気持ちに対してしほりんと千鶴は「正気? それ、ほんとにみんなに言うの?」と否定的な考えを言った。レイミーの気持ちをくみ取りながらも、レイミーに対して否定的な意見を述べたことに、「個の尊重」の可能性を読み取ることができる。しかし、結局はクラスメイトの前でレイミーの気持ちをそのまま伝えたことに、「人それぞれ」に陥ってしまう可能性を読み取ることができる。(617字)

R6年度 教育学部岩見沢校 芸術・スポーツ文化学科 スポーツ文化専攻 アウトドア・ライフコース 一般選抜(前期日程)

〈出題意図〉

問1 提示された文章に述べられていることに関する読解力および文章表現力を問うものである。述べられている内容を理解し、指定された字数で要約する力を問うものである。

問2 提示された文章をもとに考察し、説明的文章を構成する力を問うものである。また、野外活動や自然体験活動の知識と思考力を問い、その表現能力をはかることとする。

学部学科、コース

教員養成課程は、札幌、旭川、釧路の3校にあり、小学校、中学校、特別支援学校、幼稚園の教員および養護教諭を養成する課程である。

教育学部札幌校

札幌校では、専門性の向上を目指し、総合的指導力を養う。各教科の内容や指導について学びつつ、多様な課題を解決できる創造的実践力を身につける。

教育学部旭川校

旭川校では、教科教育を深く学び、教科の実践的指導力を養う。各教科専攻では、教科教育担当と教科専門担当の教員が連携し、研究の充実を図っている。

教育学部釧路校

釧路校では、へき地・小規模校教育など、地域の特徴を踏まえた教育を学び、実践力を養う。地域性を生かした実践的な教育や、幅広い教育課題に対応するために教科横断的な教育実践・教材開発に取り組む。

教育学部函館校

国際地域学科は、国際的な視野と教育マインドを持ち、コミュニケーション能力を発揮しながら地域を活性化できる人材を育成する。
①地域協働専攻は、国際化社会の問題をとらえ、地域社会のために積極的に行動する能力を育てる。国際協働グループ、地域政策グループ、地域環境科学グループに分かれている。
②地域教育専攻は、外国語の指導と特別な支援が必要な子どもたちに対応できる小学校教員を養成する。

教育学部岩見沢校

芸術・スポーツ文化学科は4専攻で構成されている。
①芸術・スポーツビジネス専攻では、芸術・スポーツ文化を生かしたマネジメント知識や、組織運営についての実践的能力を身につける。
②音楽文化専攻では、音楽に関する専門的知識、技法、技能を身につけ、音楽文化による地域活性化をうながす能力を磨く。
③美術文化専攻では、表現者として美術に対する深い理解、確かな技術、構想力を身につけ、美術文化を地域社会に広める人材を育成する。
④スポーツ文化専攻では、科学的知識や技能を持ち、スポーツの指導力とともに、スポーツによる地域活性化に貢献できる力を身につける。

所在地・アクセス

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所在地アクセス
本部:北海道札幌市北区あいの里5条JR学園都市線「あいの里教育大」駅下車、徒歩20分
札幌校:北海道札幌市北区あいの里5条JR学園都市線「あいの里教育大」駅下車、徒歩20分
函館校:北海道函館市八幡町JR函館本線「函館」駅からバスで10分
旭川校:北海道旭川市北門町9丁目JR函館本線「旭川」駅からバスで15分
釧路校:北海道釧路市城山1-15-55JR根室本線「釧路」駅からバスで10分
岩見沢校:北海道岩見沢市緑が丘2-34-1JR函館本線「岩見沢」駅からバスで8~13分「教大前」下車、徒歩2分
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