
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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山形県立保健医療大学の小論文対策(保健医療学部)
[令和5年度 学校推薦型選抜試験/保健医療学部]
文章を読み、①~⑥の各項目の内容を、図もしくは表で示すことが求められています。以下は課題文の要約です。
「健康日本 21」は、2000年に策定された国民の健康増進の方針で、「21世紀における国民健康づくり運動」とも呼ばれています。2010年までに様々な施策が実行され、2013年からは「健康日本 21(第二次)」が開始され、2023年までの目標が設定されました。この運動は、①栄養・食生活②身体活動・運動③休養④飲酒⑤喫煙⑥歯・口腔の健康の改善などを通じて生活習慣と社会環境の改善を促しています。
具体的には、塩分摂取の削減、歩数の増加、過度な労働時間の削減、飲酒と喫煙の制限、歯の健康維持などが重要な項目です。それぞれの分野で目標が定められ、中間評価が行われています。しかし、目標達成に向けては引き続き努力が必要であり、特に塩分摂取や喫煙率の低下については、より一層の取り組みが求められています。
ポイント
出題意図
国民の健康の維持は医療従事者であれば、だれもが関心をもつべき事項です。厚生労働
省の指針はこの国が国民の健康に向けて何に目を向けていくべきかを明確にしています。
一方、大量の医療情報を誰もが簡単に手に入れられる時代となりました。
そこで、多くの情報の中から真に必要なものを抽出できる力(読み取り力)、さらにそ
れをわかりやすく他者に伝える力(表現力)をみていきたいと思っております。
着眼点
① 時系列で内容を整理できる。
② 6つの項目に共通する4つの内容を確実に抽出できる。
③ 必要項目を正確に記述できる。
<山形県立保健医療大学の公開内容からの引用>
[令和5年度 一般選抜(前期日程)/保健医療学部]
1、3つの資料が提示され、問1では各資料が示している状況を 350 字以内で述べること、問2では問 1 で答えた状況について、必要と考えられる対策を具体的に 300 字以内で述べることが求められています。
資料1 日本の人口統計と将来推計の推移
資料2 2021 年度原付以上運転者の年齢層別免許保有者 10 万人当たりの死亡事故件数
資料3 65 歳以上の免許保有者が自動車を運転する理由に関するアンケート調査の結果
2、日本における平均寿命と健康寿命の推移を示した資料を見て問いに答えるものです。さらに、健康寿命を延伸させるためにどのような取り組みが必要か、自分の考えを400 字以内で述べることが求められています。
3、過酷な労働環境の職場に潜入したジャーナリストの体験記を読み、もっとも危惧する問題を挙げ、その理由を 400 字以内で説明することが求められています。
体験記の要約です。
訪問介護の仕事に就くのは簡単です。あるヘルパーは、訪問介護の人手不足について語り、介護分野の離職率が高いことを明らかにしました。訪問介護士の離職率が特に高く、その原因は低賃金と不安定な契約条件にあります。英国ではゼロ時間契約の労働者が増加し、介護分野でも多くの仕事がこの契約形態によるもので、雇用の不安定性が浮き彫りになっています。ケアウォッチという会社では、ゼロ時間契約が適用されており、仕事の提供と同様に仕事なしの時もあるため、不安定な生計を強いられることがあります。
ポイント
1 作題意図(問題)
近年、問題視されている高齢者の運転免許の問題について、高齢者のおかれている現状と将来
予想、運転することの危険性、運転する理由など、問題を一側面だけでなく多面的にグラフから
読み取り説明できるかを問う。また、これらの問題を改善するために考えられる対策を挙げ、そ
の内容を自分の考えで論理的に記述することできるかを問う。
2 作題意図(問題 2)
設問の要求は,男性と女性の特徴を理解し,健康の増進に関する下記の基本的な方向性を認識
し記述することである.
1. 生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底
2. メンタルヘルス対策の充実
3. 社会環境の整備(社会全体が相互に支え合いながら健康を守る環境を整備)
4. 栄養・食生活,身体活動・運動,休養,飲酒,喫煙,歯・口腔の健康に関する生活
習慣の改善
3 作題意図(問題 3)
労働者がゼロ時間契約、ギグ・エコノミーという働き方を選ぶことは、柔軟な勤務時間で働け
るかのようでありながら、実際には低賃金で、不安定な仕事となることや、その労働形態は労働
者の同意により成立した契約に基づき、仕事がない場合でも失業保険等の保証が受けられないこ
となどを問題として取り上げられるかを問う。この働き方が民間企業による訪問介護士の派遣に
も採用されていることが、介護士の離職率の高さにつながり、常に人材不足の状況を生み出して
いること、質の高いケアの提供はできないこと、あるいは、仕事の数が収入となる労働者がケア
に時間をかけないことで必要なケアもおこなわれない可能性もあることなど、介護の問題に目を
向けられるかを問う(社会的関心)。以上のようなゼロ時間契約といった働き方や、公共サービ
スではない訪問介護の実態がもたらす危惧すべき問題が、どのようなものであるかを理解し、そ
の要因や背景等を説明できるかを問う(理解力、論理的思考)。
<山形県立保健医療大学の公開内容からの引用>


小論文過去問題解説
[令和5年度 学校推薦型選抜試験/保健医療学部]
6つの項目について、目標、最終年度の目標値、中間評価時の数字、評価内容を時系列に沿って、漏れなく正確に図や表に表すことが必要です。
[令和5年度 一般選抜(前期日程)/保健医療学部]
1 グラフの読み取りをしたあと、対策を書きます。対策としては、例えば、次のような内容を書けると良いでしょう。運転能力の適正評価と再評価、運転支援の充実、公共交通機関の充実、自動運転技術の導入、高齢者の意識啓発など。
2 健康寿命の延長を図るためには、いくつかの重要な取り組みが求められます。例えば、次のような内容を書けると良いでしょう。健康増進のための啓発活動と教育、公衆衛生政策の強化、医療体制の向上、健康情報のデジタル化やテレヘルスなどの技術の活用、高齢者の社会参加を支援して孤立や認知症の予防に取り組むこと。
3、この文章では、以下のような問題が危惧されています。
・高い離職率と人手不足の問題: 介護分野の離職率が高く、訪問介護士の離職率が特に顕著です。この問題の背後には、多くの介護士が長期間職を続けられない状況があります。これにより介護の人手不足が生じ、高齢者のケアが適切に行われない可能性があります。
・低賃金と不安定な契約条件: 介護士たちの多くは低賃金で雇用されており、生活賃金が得られず経済的な不安定感を抱えています。また、ゼロ時間契約という契約形態により、仕事の提供が不定期であるため、安定的な収入を得ることが難しくなっています。
・不安定な雇用と生活の不安定感: ゼロ時間契約による仕事の不定期性は、介護士たちに生計の不安定感をもたらしています。仕事が週によって提供されない場合もあるため、収入の見通しが難しくなり、日常生活が不安定になる可能性があります。
山形県立保健医療大学の所在地・アクセス
所在地 | アクセス |
山形県山形市上柳260 | JR奥羽本線「南出羽」駅下車、徒歩約10分 |
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山形県立保健医療大学の入試傾向
山形県立保健医療大学の入試傾向は学科によって異なりますが、一般的には以下のような傾向があります。
- 学力重視 弘前大学は、学力を重視する傾向があります。特に医学部や歯学部、薬学部などの理系学科では、数学や理科の成績が重視されます。また、英語力も重要な要素とされています。
- 面接実施 弘前大学では、多くの学科で面接が実施されます。面接では、志望動機や人物像などが評価されます。面接の評価は、合否に大きく影響することがあります。
- 推薦入試 弘前大学では、推薦入試が実施されています。推薦入試は、高校教師などが推薦した優秀な生徒を対象としています。推薦入試では、面接や作文、実習などが課されることがあります。
- 個性重視 弘前大学は、学生の個性を重視する傾向があります。面接や作文などで、学生の独自性や主体性を評価することがあります。また、研究や課外活動の経験を重視することもあります。
- 実践的な試験 一部の学科では、実践的な試験が課されることがあります。例えば、医学部の診療放射線技術科では、模擬患者を用いた演習が課されます。また、保健学科や看護学科などの学科でも、実技試験が課されることがあります。
山形県立保健医療大学の募集コース
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保健医療学部(定員数:103人)
看護学科 (定員数:63人)
理学療法学科 (定員数:20人)
作業療法学科 (定員数:20人)
看護学科では、「人間尊重」を基本理念として、高度化・多様化する社会における看護の役割と責務を認識し、人びとのクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を重視して、専門的な対応ができる人材を育成する。高齢化や少子化の進展に伴う医療、保健、福祉ニーズの多様化、在宅療養者の増加などを視野に入れ、医療施設のほか地域医療や福祉関連領域などで活躍できる看護師、保健師を養成する。
理学療法学科では、身体に障がいのある人に対し、運動やマッサージなどを通して基本的運動能力の回復を手助けする理学療法を適切に行える人材を育成する。医療をはじめ保健・福祉、スポーツの領域でも広く活躍できる能力を身につける。
作業療法学科では、障がいのある人たちの自立や社会復帰を援助するために必要な訓練や指導を行える知識と技術、豊かな人間性、科学的で論理的な判断力を養う。扱う領域は身体障がい分野をはじめ、老年期障がい、精神障がい、発達障がい分野に及ぶ。