作文が苦手だと感じる高校生は少なくありません。「何を書けばいいかわからない」「文章が思うように伝わらない」「時間内に書き終えられない」――こうした悩みは、多くの生徒が共有する課題です。しかし、作文力は訓練次第で確実に向上します。
本記事では、27年間の指導実績を持つスカイ予備校が培ってきた実践的メソッドをもとに、高校生が今日から実践できる作文上達の具体的手法をお伝えします。大学入試の推薦入試や一般入試、さらには就職試験まで、あらゆる場面で役立つ文章力を身につけましょう。
作文が書けない3つの根本原因
作文が苦手な生徒の多くは、共通する3つの課題を抱えています。
1. 自分の考えが整理できていない
頭の中では何となく伝えたいことがあっても、それを言語化できない状態です。思考と言葉の間に大きなギャップが生まれ、結果として「書くことがない」と感じてしまいます。
2. 語彙力と表現力の不足
同じ言葉を繰り返してしまう、抽象的な表現ばかりになる、具体例が思い浮かばないといった問題は、語彙の引き出しが少ないことが原因です。
3. 文章構成の型を知らない
起承転結や序論・本論・結論といった基本構造を理解していないため、思いつくままに書いてしまい、読み手にとって分かりにくい文章になってしまいます。
これらの課題は、適切なトレーニングによって段階的に解決できます。
書き始める前に必ずやるべき3ステップ
優れた作文は、書き始める前の準備で9割が決まります。
ステップ1:キーワード抽出法で思考を可視化する
テーマを見たらいきなり書き始めるのではなく、まず関連するキーワードを書き出します。例えば「高校生活で学んだこと」というテーマなら、「部活動」「友人関係」「失敗体験」「責任感」「協調性」など、思いつく単語をすべて紙に書き出してください。
この段階では質より量を重視します。10個から20個のキーワードを出すことで、自分が本当に書きたいことが明確になります。
ステップ2:キーワードの関連性を整理する
抽出したキーワード同士を線で結び、関連性を見つけます。「部活動」と「責任感」が結びつく、「失敗体験」と「成長」がつながる――こうして思考の地図を作ることで、文章の流れが自然に見えてきます。
ステップ3:三段構成の骨格を作る
序論(導入)では問題提起や背景説明、本論(展開)では具体的なエピソードと分析、結論(まとめ)では学びや今後の展望――この3つのブロックに、先ほど整理したキーワードを配置します。
たった5分のこの準備が、その後の執筆を劇的にスムーズにします。
読み手を引き込む序論の書き方
序論は読み手の興味を掴む最重要ポイントです。
問いかけから始める手法
「あなたは失敗を恐れずに挑戦できますか?」といった問いかけは、読み手を当事者として巻き込みます。自分ごととして考えさせることで、続きを読む動機が生まれます。
印象的なエピソードで幕を開ける
「私が最も悔しいと感じた瞬間は、大会直前の練習で足を捻挫した日だった」のように、具体的な場面から始めると、読み手の関心を一気に引きつけられます。
数字や事実で信頼性を示す
「文部科学省の調査によれば、高校生の7割が文章を書くことに苦手意識を持っている」など、客観的なデータを冒頭に置くことで、テーマの重要性が伝わります。
いずれの方法も、読み手に「この先を読みたい」と思わせることが目的です。
本論を説得力のある内容にする5つのテクニック
本論は作文の心臓部です。ここで主張を裏付ける必要があります。
テクニック1:PREP法を活用する
Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(結論の再確認)の順で書くことで、論理的で分かりやすい文章になります。
「私は部活動を通じて責任感を学んだ(P)。なぜなら、キャプテンという立場で仲間の成長に関わったからだ(R)。特に後輩の指導では、自分の言動が与える影響を常に考えるようになった(E)。この経験が、私の責任感を大きく成長させた(P)」
テクニック2:対比を使って主張を際立たせる
「以前の私は失敗を恐れていた。しかし今は失敗を成長の機会と捉えられる」のように、過去と現在を対比させることで、変化や成長が明確に伝わります。
テクニック3:五感を活用した描写
「体育館に響く靴音」「汗の匂い」「緊張で震える手」など、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚を使った表現は、読み手にリアルな体験として伝わります。
テクニック4:具体的な数字で説得力を増す
「毎日2時間練習した」「3か月で10冊の本を読んだ」など、具体的な数値は抽象的な表現よりも説得力があります。
テクニック5:引用や名言を効果的に使う
偉人の言葉や専門家の意見を引用することで、自分の主張に権威性を持たせることができます。ただし、引用元を明記し、自分の言葉でその意味を解釈することが重要です。
印象に残る結論の作り方
結論は読み手の記憶に残る最後のチャンスです。
学びを明確に言語化する
「この経験を通じて私は、困難に直面したときこそ、仲間との協力が大切だと学んだ」のように、得られた教訓を一文で言い切ります。
未来への展望を示す
「この学びを活かし、大学では地域の課題解決に取り組むボランティア活動に参加したい」など、今後の行動計画を示すことで、前向きな印象を与えます。
冒頭の問いかけに答える
序論で問いかけた内容に対して、結論で明確な答えを示すことで、文章全体に一貫性が生まれます。
読み手へのメッセージで締めくくる
「誰もが失敗を恐れる。しかし、その一歩を踏み出すことでしか見えない景色がある」のように、普遍的なメッセージで終えると、読み手の心に残ります。
表現力を高める語彙力強化法
豊かな表現は語彙の多様性から生まれます。
類語辞典を活用する習慣
「嬉しい」という言葉一つとっても、「喜ばしい」「晴れやかな」「心躍る」「満ち足りた」など、多様な表現があります。普段から類語を調べる習慣をつけましょう。
読書で表現のストックを増やす
小説やエッセイを読む際、心に残った表現をノートに書き留めます。優れた文章に触れることで、自然と表現の引き出しが増えていきます。
感情を具体的な行動で表す
「悲しかった」ではなく「涙がこぼれた」、「緊張した」ではなく「手のひらに汗がにじんだ」のように、感情を行動や身体反応で表現すると、リアリティが増します。
比喩表現を積極的に使う
「彼の笑顔は太陽のように明るかった」「時間が矢のように過ぎた」など、比喩は抽象的な概念を具体的にイメージさせる強力な手段です。
推敲で文章を磨く7つのチェックポイント
書き終えた後の推敲が、作文の質を左右します。
チェック1:一文が長すぎないか
一文は60字以内を目安にします。長い文は二つに分けましょう。
チェック2:主語と述語がねじれていないか
「私の夢は、医師として人々を救いたい」ではなく「私の夢は、医師として人々を救うことだ」と書きます。
チェック3:同じ語尾が連続していないか
「〜した。〜した。〜した」という単調なリズムは避け、「〜する。〜である。〜したのだ」と変化をつけます。
チェック4:抽象的な表現を具体化できないか
「頑張った」→「毎朝6時に起きて2時間勉強した」のように、具体的に書き換えます。
チェック5:不要な修飾語を削除できないか
「とても」「非常に」「かなり」などの強調語は多用すると効果が薄れます。本当に必要な箇所だけに使いましょう。
チェック6:漢字とひらがなのバランスは適切か
漢字が多すぎると堅苦しく、ひらがなが多すぎると幼稚な印象になります。全体の3割程度を漢字にするのが目安です。
チェック7:声に出して読んでみる
音読することで、リズムの悪さや不自然な表現に気づきやすくなります。
時間配分で差がつく作文試験の戦略
試験本番では時間管理が合否を分けます。
800字作文の標準タイムスケジュール(50分の場合)
- 構想・メモ作成:10分
- 執筆:30分
- 推敲・見直し:10分
この配分を守ることで、慌てずに質の高い作文を完成させられます。
書きながら修正しない
執筆中は勢いを大切にし、細かい表現の修正は推敲の時間に行います。書きながら悩むと時間が足りなくなります。
結論から逆算して本論を調整する
残り時間が少なくなったら、まず結論を書いてから、その結論に合うように本論を調整します。結論がない文章は評価が大きく下がります。
日常でできる作文力トレーニング
作文力は日々の積み重ねで向上します。
毎日10分の日記習慣
その日の出来事を200字程度で書く習慣をつけます。継続することで、文章を書くことへの抵抗感が薄れます。
ニュースを要約する練習
新聞記事やニュースサイトの記事を読み、要点を3行でまとめます。情報を整理する力が養われます。
他人の文章を書き写す(写経)
優れた文章を手で書き写すことで、文章のリズムや構成が身体に染み込みます。週に1本、気に入った記事やエッセイを写経してみましょう。
テーマを決めて5分間フリーライティング
タイマーを5分にセットし、手を止めずに思いつくまま書き続けます。思考を言語化する瞬発力が鍛えられます。
作文と小論文の決定的な違い
高校生が混同しやすい作文と小論文の違いを理解しておきましょう。
作文は体験や感情を中心に、自分の思いを表現することが目的です。「私は〜と感じた」「〜という経験をした」という主観的な内容が中心になります。
一方、小論文は客観的な根拠をもとに、論理的に自分の意見を主張することが求められます。「〜という問題に対して、〜という解決策が有効である。なぜなら〜」という論証が必要です。
推薦入試や総合型選抜では小論文が課されることが多いため、作文力を基礎としながらも、論理的思考力を鍛える必要があります。
スカイ予備校の作文・小論文指導の特徴
スカイ予備校では、一人ひとりの現状に合わせたオーダーメイドの指導を行っています。
完全個別添削システムにより、あなたの文章の強みと改善点を具体的に指摘します。何が良くて何が足りないのかを明確に理解することで、着実に上達していきます。
段階別カリキュラムで、基礎から応用まで無理なくステップアップできます。初心者は文章の基本構造から、上級者は高度な論証技法まで、レベルに応じた指導を受けられます。
実践的な時間管理トレーニングで、本番で実力を発揮できる力を養います。時間内に質の高い文章を完成させるスキルは、練習によって必ず身につきます。
無料カウンセリングでは、あなたの現在の文章力を診断し、志望校合格に向けた最適な学習プランを提案します。まずはお気軽にご相談ください。
まとめ:作文力は一生の財産
作文力は大学入試だけでなく、社会に出てからも求められる普遍的なスキルです。報告書、企画書、メール――あらゆる場面で、自分の考えを正確に伝える力が必要になります。
高校生のうちに作文の基礎を固めておくことは、将来にわたって役立つ投資といえるでしょう。最初は苦手でも、正しい方法で練習を重ねれば、必ず上達します。
この記事で紹介した方法を一つずつ実践し、文章を書くことを楽しみながら、着実に力をつけていってください。あなたの努力は必ず実を結びます。


