総合型選抜におけるアドミッションポリシーの重要性

大学受験

AO入試、すなわち推薦入試は、日本の多くの大学で採用されている独特な選考方法です。この入試方式は、学生が学業成績だけでなく、個人の能力や適性を総合的に評価する機会を提供します。そこで最も重要となるのが「アドミッションポリシー」です。アドミッションポリシーを活用することで、志願理由書や面接でアドミッションポリシーを絡めてアウトプットすることで合格に近づくことができます。

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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1.総合型選抜におけるアドミッションポリシーとは

アドミッションポリシーとは、大学が入学希望者に求める資質や能力、学生が持つべき価値観やビジョンを定義した方針のことです。このポリシーは、各大学が特有の教育理念や目標、そして学問的な特色に基づいて策定され、学生選抜の基準として機能します。例えば、ある大学では国際感覚を重視するアドミッションポリシーを設けており、異文化間の交流や国際協力に関心が高い学生を優遇することがあります。

アドミッションポリシーは、AO入試などの選考過程で非常に重要な役割を果たします。学生はこのポリシーを理解し、自分がどのようにその基準に適合するか、またその大学でどのように学び、成長したいかを表現する必要があります。これにより、大学側は個々の学生が持つ潜在能力や適性、学ぶ意欲を評価する手がかりを得ることができます。

このように、アドミッションポリシーはただの入学基準ではなく、学生と大学の目標が一致するかを見極めるための重要なツールとなっています。それは、教育の質を保ちながら、それぞれの学生が最も適した環境で学べるようにするための方策です。

2.アドミッションポリシーの重要性

大学が学生選抜の際にどのような基準を設けているかを示すものであり、学生にとっても自身が志望する大学の教育方針や求める学生像を理解する上で欠かせない情報源です。適切にアドミッションポリシーを理解し活用することで、学生は自分の強みや適性、学びたい内容を効果的にアピールすることが可能になります。特にAO入試では、アドミッションポリシーを理解することが試験を制する鍵となります。

アドミッションポリシーを深く理解するだけではなく、それを志願理由書や面接で巧みに活用することが、入学選考における成功に不可欠です。自己の強みや志望動機を大学の求める学生像とリンクさせることで、応募者はより魅力的で説得力のある候補として際立つことができます。このアプローチは、大学の教授に対し自己の適性と大学の理念の一致を明確に示す手段となります。

3.アドミッションポリシーの例を紹介

今回は慶應義塾大学 総合政策学部のアドミッションポリシーを例に挙げます。これらの情報は各大学のホームページから閲覧することができます。

慶應義塾大学 総合政策学部

入学者の受入れに関する方針(アドミッションポリシー)

総合政策学部は「実践知」を理念とし、「問題発見・解決」を重視する学生を求めます。問題を発見・分析し、解決の処方箋を作り実行するプロセスを主体的に体験し、社会で現実問題の解決に活躍することを期待します。したがって、入学試験の重要な判定基準は、基礎学力に裏付けられた、自主的な思考力、発想力、構想力、実行力の有無です。「SFCでこんなことに取り組み学びたい」という問題意識に基づいて、自らの手で未来を拓く力を磨く意欲ある学生を求めます。また、多様な学生を集め、学生同士が互いの強みを活かせるように、一般選抜、AO入試(総合型選抜)、帰国生入試、外国人留学生入試といった多彩な入試を実施し、AO入試については英語による受験も認めています。

慶應義塾大学の総合政策学部の入学者受入れに関する方針から、学生に求められる能力や特性は以下のようにまとめられます。

1.実践知の活用: 学生は理論だけでなく、実践においても知識を活用する能力が求められます。これは、単に知識を学ぶだけでなく、それを社会で応用し、現実の問題解決に結びつける力が重要とされています。

2.問題発見・解析能力: 学生は自ら問題を見つけ、それを詳細に分析する能力が必要です。これには観察力と批判的思考が求められます。

3.解決策の創造と実行: 問題を解決するための具体的な処方箋を考え出し、それを実行に移す力が求められます。これには創造力と実行力が不可欠です。

4.自主的な思考力: 学生には、与えられた情報や知識に依存するだけでなく、自ら考え、独自の解答を導き出す自立した思考力が求められます。

5.発想力と構想力: 新しいアイデアや概念を創出し、それをもとにプランを立てる能力が重要です。これは、革新的な解決策を生み出すために重要な要素です。

6.社会への実践的貢献意識: 学んだことを社会で活かし、現実の問題解決に貢献する意識を持つことが期待されています。

7.多様性への対応能力: 異なる背景を持つ学生たちと協力し、互いの強みを活かす能力が求められます。これには、協調性と柔軟性が必要です。

8.未来を拓く意欲: 自らの手で未来を創造する意欲が重要です。これには、自己主導で学び、成長する強い動機づけが必要とされます。

これらの力が求められることを理解し、志願理由書や面接に反映させることで、高得点を得れることに繋がるため、合格の可能性が大きく高まります。

4.アドミッションポリシーを志願理由書や面接に反映させる方法

先ほど挙げた慶應義塾大学の例を活用しながら、志願理由書や面接に反映させた例文を作成してみます。

※将来の夢が起業家である場合

志願理由書編

冒頭部分

私は、常に変化する市場において革新的なソリューションを提供し、持続可能なビジネスモデルを構築し、自ら会社を立ち上げることが夢である。この夢を実現するためには、実践的な知識と社会の実際の問題に対する深い理解が必要不可欠である。慶應義塾大学総合政策学部が提唱する「実践知」の理念と、問題を発見し解決へと導く教育方針は、私が求める学びの環境と完全に一致すると考える。ここでの学びを通じて、私は新しい事業アイデアを創出し、それを現実のビジネスとして形にするための基礎を築きたいと考えている。

結論部分

慶應義塾大学総合政策学部での学びを通じて、問題を発見し解析する力、革新的な解決策を創出する力、そしてそれを実現する実行力を身につけたいと考えている。多様な背景を持つ仲間たちと共に学び、互いに刺激を受けながら成長することで、将来は社会に価値をもたらす企業を創る準備を整えていきたい。総合政策学部での教育が、私の起業家としての夢への確固たる一歩となることを確信している。

面接編

質問:なぜ慶應義塾大学総合政策学部を志願したのでしょうか?

回答:私が慶應義塾大学総合政策学部を志望した理由は、この学部が提供する「実践知」に基づいた教育アプローチと、私の将来の夢である起業家として成功するために必要なスキルを養う環境が整っているからです。この学部のアドミッションポリシーには、「問題発見・解決」を重視するという理念があります。このアプローチは、ビジネスの世界で直面する実際の課題に立ち向かい、創造的かつ実行可能な解決策を見つけ出すために不可欠です。

起業家としての成功は、新しい問題を見つけ、それを機会に変える能力に大きく依存しています。総合政策学部での学びは、私にそのような問題解析力と、それに基づいた実行力を養う機会を与えてくれると信じています。また、多様な学生が集まる環境は、異なる視点を理解し、広い視野で物事を見ることができるようになるため、私の起業家精神にも磨きをかけるでしょう。

私の夢は、社会に新しい価値を提供し、人々の生活を豊かにする事業を創出することです。慶應義塾大学総合政策学部での教育が、この夢への道を築くための確かな基盤となると確信しています。

これらのように、自分の夢×アドミッションポリシーによって生まれる自分と大学の一致性を述べることで説得力のある志願理由書や面接で対応することができます。学びたい教授がいたり、授業があれば追加すると、さらに良いです。

5.結論

アドミッションポリシーを正確に理解し活用することは、AO入試において学生が成功を収めるために不可欠です。このポリシーに基づいて自己の資質と目標を明確に示すことで、学生は自らの強みを最大限にアピールし、理想の大学からの評価を得ることができます。各学生は、自身の将来の学問的及び職業的道を切り拓くために、これらの基準を利用して戦略的にアプローチすべきです。大学と学生の目標が一致する場を創出することが、教育の質を高める鍵となります。

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