
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
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はじめに:医学部の難易度と偏差値の関係
医学部は他の学部と比較して圧倒的に難易度が高く、偏差値も高水準となっています。特に国公立大学の医学部では東京大学を筆頭に偏差値70を超える大学が多く、私立大学医学部でも全ての大学が偏差値60以上と非常に高い水準となっています。
医学部を目指す受験生にとって、偏差値は志望校選びの重要な指標となりますが、実際の難易度は偏差値だけでは測れない側面もあります。入試科目の配点比率、小論文・面接の有無、共通テストの重要度など、大学ごとに異なる特徴を理解することが重要です。
本記事では2025年度入試に向けた最新の医学部偏差値ランキングを紹介するとともに、合格のために知っておくべき情報を網羅的に解説します。
国公立大学医学部偏差値ランキングTOP10
TOP10ランキング(一般選抜前期日程)
順位 | 大学名 | 偏差値 |
1 | 東京大学 | 72.5 |
2 | 京都大学 | 72.5 |
3 | 大阪大学 | 70.0 |
4 | 東京医科歯科大学 | 67.5 |
5 | 名古屋大学 | 67.5 |
6 | 東北大学 | 67.5 |
7 | 千葉大学 | 67.5 |
8 | 横浜市立大学 | 67.5 |
9 | 神戸大学 | 67.5 |
10 | 山梨大学 | 67.5 |
東京大学・京都大学など超難関校の特徴
東京大学と京都大学は医学部でも圧倒的な難易度を誇り、偏差値は共に72.5という超難関レベルです。これらの大学は共通テストでは90%以上の得点率が必要とされ、さらに二次試験でも高い得点が求められます。
東京大学医学部では理数系科目が特に重視され、特に数学の配点が高くなっています。一方、京都大学では論述問題の傾向が強く、思考力や記述力が求められる試験となっています。
地方国公立大学の魅力と特徴
東京大学や京都大学などの旧帝国大学以外にも、地方の国公立大学医学部には特色ある教育や研究環境を持つ大学が多くあります。例えば山梨大学(偏差値67.5)は地域医療に力を入れており、横浜市立大学(偏差値67.5)は国際的な医療人材の育成に注力しています。
地方国公立大学の多くは学費が安く(6年間で約350万円)、奨学金制度も充実しているため、経済的負担を抑えて医学教育を受けることができます。また、地域枠入試を実施している大学も多く、地元での医師を目指す学生にとっては一般入試より合格のチャンスが広がる可能性があります。
私立大学医学部偏差値ランキングTOP10
TOP10ランキング(一般選抜)
順位 | 大学名 | 偏差値 |
1 | 慶應義塾大学 | 72.5 |
2 | 東京慈恵会医科大学 | 70.0 |
3 | 順天堂大学 | 69.0 |
4 | 日本医科大学 | 69.0 |
5 | 自治医科大学 | 68.5 |
6 | 東北医科薬科大学(A方式) | 68.5 |
7 | 国際医療福祉大学 | 68.5 |
8 | 関西医科大学 | 68.5 |
9 | 大阪医科薬科大学 | 68.0 |
10 | 産業医科大学 | 67.5 |
慶應義塾大学と東京慈恵会医科大学の特徴
私立医学部の最難関は慶應義塾大学で、偏差値72.5と国公立大学の最難関校と肩を並べる難易度です。慶應義塾大学医学部は研究実績や国際的な教育環境に定評があり、卒業後のキャリアパスも多様です。
東京慈恵会医科大学(偏差値70.0)は歴史ある私立医科大学で、実践的な臨床教育に力を入れています。両大学とも医師国家試験の合格率は非常に高く、慶應義塾大学は95.7%、東京慈恵会医科大学は96.5%の実績があります。
上位私立医学部の学費と特色
私立医学部の学費は6年間で2,000万円を超えるのが一般的で、慶應義塾大学は約2,227万円、東京慈恵会医科大学は約2,281万円となっています。一方、国際医療福祉大学は私立医学部の中では比較的学費が安く(約1,857万円)、経済的負担の面で注目されています。
私立大学の特徴としては、環境や設備が充実している点が挙げられます。また、大学ごとにコンセプトが大きく異なるため、教育理念や臨床実習の内容など、自分の目指す医師像に合った大学を選ぶことが重要です。
医学部受験対策のポイント
共通テスト対策
医学部受験においては、共通テストで80%以上の得点率が求められることが一般的です。国公立大学は7科目、私立大学では4科目の受験が多く、全ての科目で高得点を取る必要があります。
特に医学部志望者は理科(物理・化学・生物)と数学の対策が重要で、これらの科目で確実に得点を稼ぐことが合格への近道となります。共通テスト対策としては、過去問や模擬試験を活用して時間配分を意識した演習を重ねることが効果的です。
二次試験・個別試験での勝ち方
国公立大学の二次試験では、数学・理科・英語の記述問題が中心となります。特に理科は総合的な思考力が問われる問題が多く、基本概念の理解と応用力が求められます。
私立大学の個別試験は大学によって形式が大きく異なります。東日本の私立医学部は比較的マークシート形式が多い一方、西日本の大学は記述式が主流です。志望大学の過去問を分析し、それぞれの大学に合わせた対策を立てることが重要です。
小論文・面接対策
多くの医学部では、学力試験に加えて小論文や面接が実施されます。これらは単なる付加的な試験ではなく、医師としての適性や論理的思考力、コミュニケーション能力を見る重要な選考です。
小論文対策としては、医療倫理や生命科学に関する時事問題に敏感になり、自分の考えを論理的に組み立てる練習が必要です。面接では、医師を志望する動機や将来のビジョンを明確に伝えられるよう準備しておくことが大切です。
地域別医学部偏差値比較
東日本の医学部
東日本地域には全私立医学部32校中20校(62.5%)が集中しています。この地域の特徴として、学費が3,000万円未満の大学が多く(15校中11校)、比較的学費が安い傾向にあります。
東京慈恵会医科大学、日本医科大学、順天堂大学は「東日本御三家」と呼ばれ、非常に難関です。また、東京医科大学や東邦大学医学部も近年人気が上昇しており、難関校の一角を担いつつあります。
西日本の医学部
西日本の私立医学部は関西医科大学、大阪医科薬科大学を筆頭に、難関校が多く存在します。これらの大学は記述式の入試形式を採用していることが多く、思考力や記述力が問われます。
関西圏では近畿大学医学部(偏差値64.5)や兵庫医科大学(偏差値64.5)なども人気があり、進級率や国家試験合格率も高水準を維持しています。
医学部の進級率・国試合格率ランキング
医学部を選ぶ際には、偏差値だけでなく「進級率」や「医師国家試験合格率」も重要な指標となります。特に進級率は6年間でストレートに卒業できる可能性を示す重要な数値です。
自治医科大学は国家試験合格率が99.3%と非常に高く、進級率も高水準を維持しています。一方、私立大学でも東京慈恵会医科大学(96.5%)や順天堂大学(97.9%)など、国家試験合格率が高い大学が多くあります。
大学選びでは、入学後の教育環境や卒業までのサポート体制も考慮することが、将来医師になるための確実な道につながります。
医学部受験に必要な情報収集方法
医学部受験を成功させるためには、各大学の特徴や入試情報を詳細に把握することが不可欠です。情報収集の方法としては以下が効果的です:
- 大学のアドミッションポリシーや公式サイトの確認
- オープンキャンパスや説明会への参加
- 大学別の過去問分析
- 模擬試験の結果分析
- 医学部予備校や専門サイトの活用
特に医学部は入試科目の配点比率や面接・小論文の重要度が大学によって大きく異なるため、志望校ごとに詳細な情報収集を行うことが重要です。
まとめ:自分に合った医学部選び
医学部選びでは、偏差値や難易度だけでなく、自分がどのような医師を目指したいのか、そのために必要な教育環境は何かを考慮することが大切です。
国公立大学は学費が安いものの競争率が高く、共通テストと二次試験の両方で高得点が必要です。一方、私立大学は学費は高いものの、大学独自の教育理念や特色ある教育環境が魅力となっています。
受験戦略を立てる際には、自分の学力や適性を客観的に評価し、無理のない受験校選びをすることも重要です。複数の大学に出願する場合は、難易度のバランスを考慮したり、入試日程が重ならないよう計画することも成功への鍵となります。
医学部受験は長期間の準備と努力が必要ですが、正しい情報と適切な対策によって、夢への道を切り開くことができるでしょう。