記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴25年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
スカイ予備校を高崎市内に開校し、2021年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となり1年目から、国公立大学に27名の合格者を輩出。スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
☆知らないと損する「小論文やっていはいけないNG動画」を無料プレゼント中!
和歌山大学 経済学部の小論文対策
【令和5年 学校推薦型選抜】
【問題1】次の文章を読み、あとの設問に答えなさい。
デジタル化の進展が雇用に及ぼす影響について考察されている。新たに生まれる職種は、IT人材、デジタル・クリエイター人材、ラスト・ワンマイル人材の三類型に分類され、それぞれに特徴がある。IT人材はデジタルツールの開発や活用が求められ、高度なスキルが必要だが、雇用総量は限られる。デジタル・クリエイター人材はプラットフォーム経済で情報発信やクリエイティブな活動を行うが、安定的な雇用には難しさが伴う。一方で、ラスト・ワンマイル人材はプラットフォーム企業の拡大に伴い需要が増し、特殊な技能は必要ないが、労働集約的な特性がある。これらの新しい職種により、収入の増加と職業の多様性が広がる一方で、「インフォーマル」な労働契約が増える可能性も指摘されている。デジタル化の進展が労働市場に及ぼす影響は、雇用の変容だけでなく、働き方や社会保障制度にも大きな変革をもたらす可能性がある。例えば、フリーランサーが増加する中で、社会保障制度の整備や調整が求められ、それによって「フォーマル雇用」と「インフォーマル雇用」の境界が曖昧になる可能性がある。これにより、労働市場全体の流動性が増し、社会保障制度の問題が浮き彫りにされる可能性が高まる。
出典: 伊藤亜聖著 『デジタル化する新興国』中公新書、2020年、一部改変
設問1 筆者は、デジタル経済が新たに生み出しつつある職種として、大きく三つの類型があると述べている。これらの新たな職種の創出は、日本の社会に、いかなる影響をもたらすであろうか。具体的な論拠を示しながら、あなた自身の考えを、300字以内で、書きなさい。
設問2 仮に、あなたが、下線部の「サービス提供者」であるとしよう。その場合、あなたは、当該プラットフォーム企業に対して、「自身は被雇用者である」と主張するであろうか、それとも「自身は個人事業主である」と主張するであろうか。 いずれかの主張を選択した上で(どちらの主張を選択しても、 かまわない)、そのような選択をすることについて、説得力のある理由 (複数の理由でも、かまわない) を、300字以内で、書きなさい。
ポイント
出題意図
問題1
設問Ⅰ 文章の展開に沿って内容の理解もふまえたうえで、 デジタル経済による新たな職種の創出をめぐる課題について、 解答者自身の考えを問うている。
解答例: 問題文を素材に、 解答者の時事問題への関心と、 それについての考えについて、 具体的な論拠を示しながら、 論述する能力があるかどうかを問うている。
設問2 被雇用者と個人事業主との区別という古くて新しい論点について、 解答者の論理的な思考と論述力を問うている。 いずれの主張を採用しても、 かまわない。
解答例: 解答者自身の考えをたずねており、 解答例はない。 解答者が説得力のある議論を展
開できているかどうかを評価する。
<和歌山大学の公開内容からの引用>
小論文過去問題解説
設問1
- 需要の増加と教育への影響: IT人材の需要が高まることで、教育・訓練機関が新たなプログラムを提供し、労働者のスキル向上に寄与する。これが日本の技術力向上に繋がる。
- クリエイティブ産業の振興: デジタル・クリエイター人材の増加は、文化・エンターテインメント分野の発展を促進し、国内外へのコンテンツ発信力向上に寄与する。
- 柔軟な働き方の促進: ラスト・ワンマイル人材の需要増加は、柔軟で非標準的な働き方の普及を促進し、働き手の多様性を支え、労働市場の流動性を向上させる。
設問2
- 柔軟性と自己決定権: 個人事業主としての主張は、労働者が自身のスケジュールを管理し、仕事を選択できる柔軟性を意味する。これが生活の調整やワークライフバランスに寄与する。
- ビジネス戦略とブランド構築: 個人事業主は独自のビジネス戦略を展開し、自らのブランドを構築できる。これが独立性や自己表現の機会を提供する。
- 経済的リスクと報酬の管理: 個人事業主は経済的なリスクと報酬を自らが管理できる。これが収入の可能性を最大化し、自身の成果に応じた報酬を実現する。
これらの要素を考慮すると、個人事業主としての主張は、労働者にとって自由度が高く、自己実現や経済的な自立を追求する手段となる可能性があります。
和歌山大学の所在地・アクセス
所在地 | アクセス |
和歌山県和歌山市栄谷930 | 南海「和歌山大学前」駅下車、徒歩約20分 南海「和歌山大学前」駅下車、バス約4分 JR「和歌山」駅からバス約30分「和歌山大学」下車 |
【和歌山大学】のHPはこちら
和歌山大学の入試傾向
和歌山大学の入試傾向は、以下のような特徴があります。
和歌山大学の入試は学部ごとに前期日程と後期日程があり、各学部ごとに異なる科目構成と評価基準が存在します。一般的に、前期日程では共通テストの影響が大きく、後期日程では個別学力検査が特に重要です。数学、英語、国語、総合問題などが出題される中、学部によっては専門的な科目も登場します。
対策としては、まず共通テストに重点を置き、幅広い科目に対する基礎力を養うことが求められます。個別学力検査では、各学部の出題内容に応じて、数学や英語の基本から発展的な応用までを網羅的に勉強し、論述や総合問題にも対応できるよう力をつけることが重要です。
また、学部ごとに特有の傾向があります。例えば、理系学部では数学や理科が重要で、文系学部では国語や社会科目への対策が求められます。専門的な学部では、その分野に関連するトピックや知識も押さえ、専門的な理解を深めることが有益です。
和歌山大学の募集コース
募集要項はこちら
入試情報はこちら
教育学部 学校教育教員養成課程 (定員数:165人)
学校教育教員養成課程では、さまざまな教育課題と向き合いながら、「地域とともに学びの未来を拓く教師」を育てるため、2023年、従来の3コース(初等教育コース、中等教育コース、特別支援教育コース)を再編し、学校教育コース、支援教育コースの2コースを設置。
全ての学生が小学校教諭1種免許状を取得できる教員養成カリキュラムを土台として、4年間にわたり理論と実践を往還しながら、子どもと教育に関する専門的な分野について学ぶことができる。
学校教育コース
経済学部 経済学科(定員数:290人)
経済学科では、複数の学問分野にまたがる専門知識を活用し、一人ひとりがほかの人と協力しながら、近年の多様化・複雑化する社会における問題を発見・解決できる人材の育成を目指す。
カリキュラムは、経済学、経営学、会計学、情報学、法学の各学問領域での体系的な学修と、これらのうちのいくつかの学問領域の学修を組み合わせ、卒業後の進路において必要となる専門知識や実務能力などを考慮し、授業科目を体系化している。
学生が初年次から将来の自分の姿を思い描きながら主体的・計画的に学修を進めることができるように、学修目標とそれによって目指せる可能性のある代表的な進路を想定し、グローバル・ビジネス&エコノミー、ビジネスデザイン、企業会計・税法、地域公共政策・公益事業、サステイナブル・エコノミーの5つのプログラムを設けている。
システム工学部 システム工学科 (定員数:290人)
システム工学科では、複数の技術領域を見通し、新しい産業の創成に寄与できる人材の育成を目指している。社会・産業界のニーズに即応できる実践力、知識と技術を実際の製造物に応用できる能力、システムを開発・運用するプロセスに必要なコミュニケーション能力を修得。専門分野に関わらず、情報教育を共通化し、高度な情報知識と技術を学ぶ。
また、3つに分類された領域からなる教育研究課程(メジャー)から、学生自ら興味や資質に見合った領域と2つのメジャーを選択して、それぞれの専門分野について学修する。メジャーは、ロボティクス、電子物理工学、化学、環境科学、建築・ランドスケープ、情報システムデザイン、ネットワークコンピューティング、クロスリアリティ・情報デザインの8分野。
一方で、大学院博士前期課程まで継続して教育・研究に取り組む6年制を選択することで、より高度な専門知識と技術を実践的に身につけることが可能。また、産業技術を理解し、次世代の理工系人材の育成を担う教員を養成する「スーパーサイエンスティーチャープログラム」を準備するなど、多彩なキャリアに対応できる環境も整備。
観光学部 観光学科(定員数:115人)
観光学科では、世界の観光教育研究の到達点を踏まえつつ「日本の拠点」としての確立を目指し、教育体系のさらなる進化を図る。
観光経営、地域再生、観光文化の3つの基本領域を総合的に学ぶと同時に、異文化コミュニケーション力を高め、国際化時代に求められる観光人材としての素養に磨きをかける。また、地域の諸課題に取り組む実践型教育を通して、創造的実践力の修得を目指す。
社会インフォマティクス学環(定員数:30人)
2023年新設の学環。
経済学・観光学を中心とした社会科学と、データサイエンスや情報学を中心とした工学をかけ合わせることによる文理融合型の教育課程を提供する。少人数によるきめ細かな教育と、自治体や企業などと連携した実践的な学びにより、社会の課題解決や地域活性化に貢献するための「データ利活用力」を高める。
1年次から社会で活躍するさまざまなゲストによる講義があり、2年次には必修で学修テーマ別に設けられた産官学連携による演習、3年次以降では研究テーマ別に実践的な演習につく。この実践的な学びにおいて、自分の「キャリア」を描く一方、現場で必要とされる「ビジネスサイエンス力」や「企画力・実践力・発信力」といった社会実装力を養い、「未来を切り拓く、未来を創る」人材を育てる。
特徴的なカリキュラムにより「地方自治・産業」系、「エネルギービジネス&ファイナンス」系、「観光サービス」系のいずれかに強い「AI・データサイエンス」系または「ネットワーク・システム開発」系のDX人材を輩出することを目標としている。