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東京海洋大学海洋生命科学部・海洋政策文化学科の概要
海洋政策文化学科は、海洋・沿岸に関する社会科学・人文科学を学ぶことができるわが国随一の学科であり、国際海洋政策学、海洋利用管理学、統合海洋政策学の三つの専門分野から構成されています。本学科では、まず、基礎的な科学知識、および実践的な語学力を含むゆたかな教養と洞察力を身につけます。これらを土台に、海洋政策・海洋文化に関わる専門知識を学び、さらに実習・調査、討論、発表を通して実践力を磨きます。このようにして、合意形成や問題解決の場を創造するファシリテーション能力を備えた人材を、本学科では育てます。
1.目指すべき人材像(個性、特色、魅力)
海洋政策文化学科においては、海と人との共生関係に基づく海洋産業・海洋文化の発展とその実現に向けた海洋政策の立案を担う高度専門職業人として、海洋にかかわる食料問題、資源問題、環境問題、国際問題、地域問題等の諸問題を構造的に把握するために必要となる社会・人文・自然科学の専門知識を有し、これらの社会的諸問題の解決に高い意欲と実践的能力を持つ人材を養成します。
2.学生が身につけるべき能力、素養の目標
・海洋にかかわる食料問題、資源問題、環境問題、国際問題、地域問題等について、社会・人文・自然科学の幅広い知識をもとに、諸問題を構造的に理解する能力
・海と人との共生関係に基づく海洋産業・海洋文化の発展に向けた海洋政策を立案することができる実践的能力
・海洋産業・海洋文化の発展と海洋政策の立案を担う高度専門職業人が持つべき国際感覚と倫理観、コミュニケーション能力
・現代社会のかかえる地域的・国際的諸課題について、幅広い視野から多面的にとらえ、自主的に課題を探求し、適切に判断し、責任ある解決に導く能力
・幅広い教養、多様な社会・文化についての理解力と総合的な判断力
3.卒業認定の要件
所定の年限を在学し、学部および学科の教育目的に沿って設定した授業科目を履修して、基準となる単位数を修得した学生に対して卒業を認定し、学士(海洋科学)の学位を授与します。
*(参照)大学の公式HP→ 東京海洋大学海洋生命科学部・海洋政策文化学科
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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前期 海洋生命科学部・海洋政策文化学科
2022年 90分 805字 200点/900点(文)
[文章] A=(出典)レイ・ヒルボーン、ウルライク・ヒルボーン共著『乱獲』(東海大学出版部,2015年)、B=(出典)コリン・メイヤー著『株式会社規範のコペルニクス的転回』(東洋経済新報社,2021年)、C=(出典)内山節著『内山節のローカリズム言論一新しい共同体をデザインする』(農山漁村文化協会,2015年)
問1 文章Aの下線部①「地元の漁業者は部外者から伝統的な漁場を守ろうとした」について、地元の漁業者が伝統的な漁場を守ろうとしたにもかかわらずロコの減少を食い止められなかったのはなぜか。もっとも重要な理由を文章Aの内容に基づいて20字以上30字以内で答えなさい。(配点:30点)
問2 文章Bにおいて著者が主張する株式会社の存在理由と下線部②の「フリードマン・ドクトリン」に基づく株式会社の存在理由に言及しながら、企業の成果を測定するための指標について130字以上140字以内で述べなさい。(配点:50点)
問3 文章Bと文章Cの下線部③「トートロジー」の意味を15字以内で答えなさい。(配点:20点)
問4 文章Cの下線部④「自己の存在」の成立と下線部「価值観」の成立に共通する必要な条件とはどのようなことか。文章Cの内容に基づいて15字以上20字以内で答えなさい。(配点:20点)
問5 漁業地域では、漁業資源の変化,過疎高齢化.漁業者の減少など課題が山積している。下線部⑥「新しい社会の萌芽」 としての漁業のあり方について、文章A、B、Cを参照して500字以上600字以内で述べなさい。ただし、解答に際しては、以下の5つの用語[漁業資源、共同体、目的、風土、交通]を必ずすべて使用すること。5つの用語の使用順序は自由とする。(配点:80点)
2021年 90分 1297字 200点/900点(文、資)
[文章・資料] A=(出典)村上陽一郎著『死ねない時代の哲学』(文春新書,2020年)、B=(出典)小林睦著「環境倫理学における世代間倫理の可能性」(『東北哲学会年報」第16巻,2000年)および図、C=(出典)鈴木透著「食の実験場アメリカ」(中公新書,2019年)
問1 文章Bの図1について答えなさい。(1)大きな単位で原点Oをとらえるならば、文章Bの空欄③に当てはまる言葉は「現在世代の、特定地域における、人間」であろう。一方、より小さな単位で原点Oをとらえた場合、どのように表現できるか。文章Bの文中の言葉を用いて10字以内で答えなさい。(10点) (2) 図1で倫理的関心を表すベクトルOPが.原点Oから伸びており、他の点からではないのはなぜか。25字以内で答えなさい。(10点)
問2 次の文章の空欄⑤に当てはまる言葉を、文章Bから2字で抜き出して答えなさい。「文章Aでは、病気の治療や安楽死など、自分に関することは自分で決めるという「自己決定」について論じている。文章Bに出てくる言葉を用いて表現するならば、自己決定という概念の根本にあると考えられるのは、身体の(⑤)という発想である。」(10点)
問3 文章Cによると、子どもの肥満が著しい増加傾向にあるアメリカ社会では、健康管理とそれに関わる教育が重要な課題になっているという。一方、長寿社会と言われる現代の日本でも、人々は健康管理に必ずしも積極的であるとは限らない。その理由はどのような点にあると考えられるか、文章Aの内容に基づいて60字以内で述べなさい。(30点)
問4 文章Cの下線部①「『子ども」という観点」で示される「子ども」という観点に依拠してアメリカ社会の現状を改める具体的な方法とは、どのようなものか。また、現代アメリカの直面する分裂やアイデンティティの危機に対して、この方法を採用することによって期待される効果とは、どのようなものか。そして、文章Bで示される「自然の権利」との関連で見た場合、この方法の採用は社会に対するどのような効果を期待できると考えられるか。以上の三つの論点について、200字以上300字以内で述べなさい。(40点)
問5 文章Aの下線部②「一人の人間が尊厳死や安楽死を望んだとしても、⋯⋯とのように考えればいいのか」では、安楽死を望む人の家族がそれを望まない場合に、どうすればよいのかという問題提起がなされている。このような場合、安楽死を望む人の自己決定を認めるべきかどうか、文章Aに示されている論点を参照して200字以上300字以内で自身の見解を述べなさい。「認める」もしくは「認めない」、いずれかの立場から論じること。「どちらでもない」、「わからない」といった答案は採点の対象としない。(40点)
問6 文章Aの下線部①「少なくとも国内では、⋯ほぼ終わらせることに成功しました」によると、医学の進歩により、現代の日本社会では寿命の半ばにある人々が理不尽かつ突然に命を奪われる時代はほぼ終わらせることに成功したという。しかし、昨今のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行により、状況は再び変化したと言えるかもしれない。COVID-19が蔓延する社会では、感染拡大を防ぐためにとのような対策が世界規模で必要であると考えられるか。文章A〜Cを参照して、500字以上600字以内で述べなさい。ただし、解答に際しては、以下の三つの用語[個人主義、地域全体主義、多文化主義]を必ず全て使用すること。語の使用順序は自由とする。(60点)
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2020年 90分 950字 200点/900点(文)
[文章] A=(出典)望月優大著『ふたつの日本 ― 「移民国家」の建前と現実』(講談社,2019年)、B=(出典)齋藤純一著『公共性』(岩波書店,2000年)、C=(出典)ジグムント・バウマン著「グローバリゼーション」(法政大学出版局,2010年)
問1 文章Bの下線部③に「市場は、共同体のように閉域をつくるわけではない」とある。文章Aの記述のなかから、そのような市場の特徴を具体的に表していると考えられる箇所の1つを40字以内で抜き出しなさい。ただし、解答は、「企業は〜」となるように解答欄に記入すること。(配点:20点)
問2 文章Aの下線部①に「最低限の支え」とあるが、人間としての権利を保障するには、「支え」となるどのような施策が必要であると考えられるか。文章Aから読み取れる複数の具体例に言及しつつ、100字〜160字で述べなさい。(配点:40点)
問3 文章Cの下線部①で述べられている「強要されたローカル化」という状態について、文章Aの記述のなかから、そうした状態の具体例として適切と考えられる箇所の1つを40字以内で抜き出しなさい。(配点:20点)
問4 文章Aの下線部②にある「撤退ではなく関与の方へ、周縁化ではなく包摂の方へ、そして排除ではなく連帯の方へ」社会の方向を転換する可能性について議論を進めていくためには、どのような条件が成立することが必要であるか。文章Bの記述のなかから適切と考えられる箇所を50字以内で抜き出しなさい。ただし、解答は、「〜の実現」となるように解答欄に記入すること。(配点:20点)
問5 文章Bによると、誰もがアクセスしうる開かれた空間であることが、「公共性」の性格の1つである。しかし、そのような空間は必ずしも実現されていない、と文章Cの著者は主張する。その理由を、文章Cを参照して120字〜160字で述べなさい。(配点:40点)
問6 病院で医師や看護師が話す言葉を理解できない患者がいると、嫌な顔をする医師もいるというエピソードが文章Aで紹介されている。患者が自分の病状やそれに対する治療方法についてよく理解できるような説明を受け、十分納得したうえで治療方針を決めるためには、医師と患者の関係はどのようなものであることが望ましいだろうか。文章Aおよび文章Bで述べられていることを考慮に入れたうえで、考えられることを500字以内で述べなさい。ただし、解答に際しては、以下の用語 [非対称的、専門用語、言説の資源、対抗的な言説、コミュニケーション]を必ず使用すること。語の使用順序は自由とする。(配点:60点)
2019年 90分 982字ほか 200点/900点(文、資)
[文章・資料] A=(出典)越智敏之著『魚で始まる世界史 ー ニシンとタラとヨーロッパ ー 』(平凡社,2014年)、B=(出典)川端基夫著『外食国際化のダイナミズム 一 新しい「越境のかたち」―』(新評論,2016年)、C=(出典)與那覇潤著「日本人はなぜ存在するか」(集英社インターナショナル,2013年)
問1 文章Aの下線部(1)「意外にも」について、次の①および②に答えなさい。① 著者が「意外」に思ったのは、どのようなことか。「〜こと」となるよう、解答欄に合わせて答えなさい。(配点:20点)(縦1.8cm×横15.9cmの解答欄) ② 著者が「意外」と感じたのはなぜか。40字以内で説明しなさい。(配点:20点)
問2 文章Bの空欄(2)にあてはまる語句を漢字2字で文章Bの中から抜き出しなさい。(配点:20点)
問3 文章Cの下線部(4)に「私たちがなんとなく(=ハイコンテクストに)自明視してきた「日本人』」とあるが、文章Aで著者が「なんとなく」「日本人」について自明視していたのはどのようなことと考えられるか。20字〜40字で答えなさい。(配点:30点)
問4 文章Bの下線部(3)の「『2屋』の国際化は、国境を越えると、食事空間の意味も変化することを教えてくれた」とは、どのようなことか。文章Cの「ハイコンテクスト」という語を用いて200字〜400字で説明しなさい。(配点:50点)
問5 文章Bの「国際化」と文章Cの「グローバル化」の両方の課題に対応するには、どのような教養が必要だと考えられるか。文章Bと文章Cを参照して300字〜500字で答えなさい。(配点:60点)
2018年 90分 1580字 200点/900点(文)
[文章] A =(出典) 永田恵十郎著『地域資源の国民的利用』(農山漁村文化協会,1988年)、B=石光亨著「環境と資源」(『資源問題の常識』日本評論社1979年)、C=佐藤仁著「資源と民主主義 日本資源論の戦前と戦後」(『資源と人間』弘文堂、2007年)
問1 文章A下線部(1)「資源とは、石井素介がいうように⋯ということができよう」の定義に該当する資源を文章Bから2つ取り上げ、それを資源とみなすことができる理由も含めて180字〜230字で説明しなさい。(配点:30点)
問2 文章A下線部(2)では「資源は単なる自然の一部ではなく、その外延的なひろがりや有用性の程度は,技術の進歩、発達に伴って変化する」と述べられている。この資源の特徴について文章Bから具体例をあげて180字〜230字で説明しなさい。(配点:30点)
問3 文章Bにおいてペルー沿岸部からグアノが産み出される過程について300字〜380字で整理して説明しなさい。ただし、解答に際しては、以下の用語(海鳥の糞、イワシ、グアノ堆積層、魚類の宝庫、湧昇流、採掘)を必ず使用し、それぞれの語を初めて使用した箇所に下線をひくこと。語の使用順序は自由。(配点:50点)
問4 文章C下線部(3)「資源が天賦である以上⋯⋯に過ぎないはずである」で述べられていることに当てはまる具体的な例を文章Bから取り上げて60字〜100字で説明しなさい。(配点:30点)
問5 文章C下線部(4)で「われわれはどのような資源論を準備しておくべきであろうか」とあるが、文章Cの著者はこれについてとのような主張をしているのか、文章Cに即して500字~640字で説明しなさい。(配点:60点)
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東京海洋大学海洋生命科学部・海洋政策文化学科への志望理由書や面接対策として理解を深めておくと良い事柄など
東京海洋大学海洋生命科学部・海洋政策文化学科への志望理由書や面接対策についてのアドバイスは以下の通りです。
志望理由書のポイント:
- 海洋生命科学・海洋政策文化学科への興味: なぜ海洋生命科学・海洋政策文化学科を選びたいのか、その分野に対する興味や理解を明確に示します。具体的な分野や研究テーマについても触れましょう。
- 関連する経験や実績: これまでの学業や実務、ボランティアなどで得た経験や実績を挙げ、それがなぜ海洋生命科学・海洋政策文化学科に入学する上で有益であるかを示します。具体例を交えることで説得力が増します。
- 海洋環境への理解と関心: 海洋環境への理解とその重要性について述べます。自分がなぜ海洋に興味を持ち、その保護や持続可能な利用にどのように貢献したいと考えているかをアピールします。
- 将来の展望: 入学後の将来の目標やキャリアについて述べましょう。卒業後にどのような分野や職業で活躍したいのか、そのために何を学びたいのかを具体的に示します。
- 大学とのマッチング: 東京海洋大学の海洋生命科学部・海洋政策文化学科が持つ特徴や教育方針と、自身の志向や価値観がどのように一致しているかを強調します。大学に入学することでどれだけ成長できるかを示すと良いでしょう。
面接対策のポイント:
- 自己紹介の準備: 簡潔かつ分かりやすく、自分の学歴や興味を伝える自己紹介を用意します。これを基に面接が進行することがあります。
- 関連する質問への備え: 自身の志望動機や経験に関連する質問に備えておきましょう。なぜその学科を選んだのかや、どのような研究に興味があるのかなどについて考えておきます。
- 海洋生命科学や海洋政策文化に関する知識: 学科や大学の特徴、カリキュラム、研究活動について事前に調査しておくことで、面接での質問に的確に答えることができます。
- 積極的な姿勢をアピール: 海洋に関する研究や課題に対して積極的に取り組みたいという姿勢をアピールします。自分が大学でどれだけ学び、成長し、貢献できるかを伝えましょう。
志望理由書や面接では、あなたの独自性や熱意を伝えることが重要です。自身の経験や将来の展望を具体的に示し、東京海洋大学の海洋生命科学部・海洋政策文化学科になぜ入学したいのかを明確に伝えるよう心がけてください。
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まとめ
過去問題における傾向を把握しながらも、それらの問題と関係性の深い事柄についても調べるのが良いでしょう。また、出題の題材として、一見、全く違う分野の問題だと思えるような題材が取り上げられることにも気づいたのではないでしょうか? 他分野のことがらに関しても見聞を広げるのはもちろん意義がありますが、それよりも、共通のテーマや意味合いを見つけることに意識を注ぎましょう。「抽象度を上げて、応用する」という感覚です。志望の学部や学科が扱う分野に関わりの深いテーマはもちろん、時事情報なども関連させて考えを深めるとより良いでしょう。