小論文は多くの大学入試で課される重要な試験科目です。しかし、テーマが与えられても何を書けばよいか悩む受験生も少なくありません。この記事では、小論文で扱われやすいテーマと、効果的な対策方法を詳しく解説します。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
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1. 小論文とは何か
まず、小論文の基本的な特徴を押さえておきましょう。
- 与えられたテーマについて、自分の意見や主張を論理的に展開する
- 作文や感想文とは異なり、客観的な根拠や論理的な思考が求められる
- 一般的に「序論」「本論」「結論」の3部構成で書く
小論文は単なる感想や印象を述べるものではありません。テーマに対する自分の考えを、根拠を示しながら論理的に展開することが重要です。
2. 頻出テーマの傾向
小論文のテーマは学部や大学によって異なりますが、いくつかの共通する傾向があります。以下に主な頻出テーマを挙げていきます。
1 全学部共通テーマ
- 少子高齢化問題
- グローバル化
- 環境問題(地球温暖化、脱炭素社会など)
- 経済格差
- 新型コロナウイルス関連問題
これらのテーマは、社会全体に関わる大きな課題であり、どの学部でも取り上げられる可能性が高いです。
2 学部別の頻出テーマ
各学部の特性に応じて、以下のようなテーマが出題されやすい傾向にあります。
- 人文・教育学部:教育格差、ICT教育、多様性と包摂性
- 法学部:憲法改正、裁判員制度、人権問題
- 経済・経営学部:景気対策、デジタル通貨、働き方改革
- 理工学部:AI倫理、宇宙開発、再生可能エネルギー
- 医療系学部:遠隔医療、ゲノム編集、終末期医療
これらは一例ですが、志望する学部の特性を考慮しながら、関連するテーマについて考えを深めておくことが大切です。
3. 書きやすいテーマの特徴
「書きやすい」テーマには、以下のような特徴があります:
- 身近な問題と関連付けやすい
- 賛成・反対の両論を立てやすい
- 具体例を挙げやすい
- 最新のニュースや統計データが豊富にある
例えば、「スマートフォンの利用と学習効果の関係」というテーマは、多くの学生にとって身近で、メリット・デメリットを考えやすく、具体例も豊富です。
4. 小論文対策の方法
効果的な小論文対策には、以下の方法があります:
1 日頃からの情報収集
- 新聞やニュースに目を通し、時事問題に関心を持つ
- 様々な分野の本を読み、知識と語彙力を増やす
- 社会問題について友人や家族と議論する習慣をつける
2 文章力の向上
- 定期的に小論文を書く練習をする(週1回程度)
- 書いた文章を第三者に添削してもらう
- 模範解答や良質な論説文を読み、文章構成を学ぶ
3 テーマ別の準備
- テーマごとにキーワードをまとめる
- 賛成意見と反対意見の両方を考える
- 具体例やデータを収集し、整理する
- 自分の意見とその根拠を明確にする
4 志望校の過去問研究
- 志望校の過去の小論文テーマを分析する
- 実際に過去問を解いてみる
- 制限時間内に書く練習をする
5. 小論文の構成と書き方のポイント
効果的な小論文は、以下のような構成で書くことが一般的です:
- 序論(導入):テーマの提示と問題意識の説明
- 本論:主張とその根拠、反論の検討
- 結論:まとめと今後の展望
書く際のポイントは以下の通りです:
● 序論では問題の背景や現状を簡潔に説明する
● 本論では具体例やデータを用いて主張を裏付ける
● 反対意見にも言及し、それに対する自分の考えを示す
● 結論では本論の要点を簡潔にまとめ、将来の展望や提案を述べる
● 全体を通して論理的な文章展開を心がける
● 読みやすい文章を心がけ、適切な段落分けを行う
6. よくある質問(FAQ)
Q1:小論文のテーマについて自分の意見がない場合はどうすればよいですか?
A1:まずは賛成・反対両方の立場から考えてみましょう。そして、より説得力のある方や自分の価値観に近い方を選んで論を展開します。完全に中立の立場を取るのは避けましょう。
Q2:テーマについて知識がまったくない場合はどうすればよいですか?
A2:与えられた資料を丁寧に読み込み、そこから得られる情報を最大限に活用しましょう。また、一般常識や身近な例を関連付けて考えることで、ある程度の議論は可能です。
Q3:結論は最後に述べるべきですか?
A3:基本的には結論を最後に述べるのが一般的ですが、テーマによっては冒頭で主張を述べ、その後で根拠を展開するスタイルも可能です。ただし、どちらの場合も一貫した論理展開が重要です。
7. まとめ
小論文対策の鍵は、日頃からの準備と実践にあります。時事問題に関心を持ち、多様な視点から物事を考える習慣をつけることが大切です。また、実際に文章を書く練習を重ね、自分の考えを論理的に表現する力を養いましょう。
テーマ選びに関しては、自分の興味関心や志望学部の特性を考慮しつつ、社会的に重要な問題に目を向けることが重要です。「書きやすい」テーマを探すよりも、どんなテーマでも自分なりの意見を持ち、それを論理的に展開できる力を身につけることが、小論文対策の本質といえるでしょう。
最後に、小論文は単なる受験テクニックではありません。論理的思考力や文章力は、大学入学後の学習や将来の社会人生活でも必ず役立つスキルです。小論文対策を通じて、これらの力を磨いていくことが、長期的な視点では最も重要だといえるでしょう。