2024年度大阪府公立高校入試C問題をポイント解説!(問題と解説のリンク付き)

高校入試

2024年度大阪府公立高校入試C問題では、論理的文章・古文・漢字の読み書き+漢文の書き下し・論理的文章・作文の5題構成になっています。

↓問題と解答はコチラ

令和6年度一般入学者選抜 学力検査問題及び採点資料等

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴27年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。

2020年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となる。過去3年間で国公立大学合格85名。

高1から入会者は国公立大学合格率93%

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高3の4月から入会者は国公立大学合格率73%

スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします

大問1(論理的文章)

鈴木日出男『古代和歌の世界』からの出題です。

〈解説〉

1、内容読解(選択肢)

「梅の花咲ける~」の歌は、冒頭の「『万葉集』の歌が感動をそのまま表そうとする」の具体例であることから考える。

2、内容読解(70字~80字記述)

「実際には春まだ浅く、梅の白い花が咲く以前にその枝に雪が降りかかっているが、そこに早くも鶯がやってきて鳴いている、というのが実際のところ」だが、そこに「春になったので鶯が雪を梅の花と見まちがえている」という要素を入れて再構成していると説明されている。

3、内容読解(選択肢)

「のどけき」は「のどかである」の意。「静心なく」とは対照的である。また、直後で「静中の動」と表現されている。

4、内容読解(選択肢)

アは、「梅の花は鶯を誘い出すために香ぐわしくなるという理屈によって」が誤り。

イについて、「爛漫の春を味わう悠々たる自然観照のかなた」に「不安な憂鬱」は存在しないので誤り。

ウは、傍線部②がある段落の内容と一致する。

エは、「事実を、動態的、歴史的にとらえようという思考から喚起されることによってなされる」が誤り。正しくは、そうした「思考を喚起するように仕組まれている」のである。

大問2(古文)

〈解説〉

1、内容読解(選択肢)

「ざり」は打消の助動詞なので「秀逸ともおもはざり」で「秀逸とも思わない」という意味である。ウは「とも」の訳が不適切。

2、動作の主体(選択肢)

Aは、「ともなへる人にむかひて」尋ねているので、動作主は筆者だとわかる。 B・Cについて、筆者に問われて「あしこの雲のうちにこそ」と答えているのは「ともなへる人」である。

3、内容読解(5字~15字記述

「いつしか浮き雲はれのきけるに、其の指ざしをしへたる雲よりははるかに高く、空に聳えてふりあふぎ見るばかりなり」という情景が、師の歌で詠まれた情景と同じだったのである。

大問3(漢字の読み書き+漢文の書き下し)

〈解説〉

1、漢字の読み書き(記述)

読みは、「殊(に)」・「呈(する)」・「彫塑」が出題。  書き取りは、「反(り)」・「報(じる)」・「骨子」が出題。

2、書き下し文(記述)

「尾を掉ふ」は、下の字から直前の字に返るので、「レ点」を使う。

「魚無し」は、下の字から二字以上返るので、「一・二点」を使う。

大問4(論理的文章)

中村雄二郎『哲学の現在』からの出題です。

〈解説〉

1、品詞(選択肢)

A「はっきり」・B「かえって」・D「まさに」は副詞だが、Cの「あらゆる」は連体詞である。

2、接続語(選択肢)

空欄①について、直前で「歴史には、現在とはっきり断ちきられることによってかえって格別な意味をもってくるところがある」と述べた後、それを受けて、「人々の歴史への関心を有害でこそあれ益のないものとする根拠にもされた」と説明している。よって、並列ではないので、空欄①には「もしくは」ではなく「たしかに」が入る。

空欄③について、直前の段落では「想像力」が歴史を「叙述し描き出す上」でどのように働くかを述べているが、直後では歴史が「一度現在と断ちきられることで、なぜ私たちにとって特別な様相をもったものになる」理由を説明している。両社に全く関係はないので、「それにより」は空欄③には入らない。

3、内容読解(選択肢)

「そのような過去の事実や出来事の扱い方」の内容を押さえる。

「過去の出来事についてそのような厳密な知識を得ようと」して、「化学に範をとった実証主義的な方法により確実な史料にもとづいて過去の事実のあれこれを突きとめ、それらを時間系列のうちに一回性をもった出来事として叙述」することにより、「歴史的な事実や出来事はほとんど科学の対象である物体と同じように明確に、しかしまったく対象化されておよそイメージ的全体性を    失ったものとしてとらえ」られたと説明されている。

アは、「得ることにより」が誤り。正しくは、「得ようとして」である。

イは、正しくは、「過去の事実や出来事を現在と無関係なものとしてとらえる」→「イメージ的全体性を失ったものととらえる」の順でなければならない。

エは、全体が誤り。

4、内容読解(50字~60字記述)

「鏡」の説明をすればよい。

「鏡」とは、「自分たちの生きている時代や社会をよりよく認識するために、また込み入った問題、解決しにくい問題に対処して生きていくためにも、自分たちの時代、自分たちの社会をできるだけ総体的に、また、できるだけ多角的に映し出す鏡」のことを指す。

そして「このような鏡であるためには、それ自身が多かれ少なかれ自立したイメージ的な全体性をもったものでなければならないし、また、現在とはつながらずにはっきり断ちきられた過去でなければならない」と説明されている。

5、内容読解(選択肢)

アは、「空想によって着色され、歪められているからではなく」が誤り。本文では、「空想によって着色され、歪められている」から、「私たちはなんらの知識をも得ることができない」と述べられている。

イは、「歴史は、想像力は用いず」が誤り。「想像力が働かされなければならないことはいうまでもないが」と本文にある。

ウは、本文に書かれていない内容である。エは、四段落目の後半の内容に合致する。

大問5(条件作文)

〈解説〉

資料を読んで、「読書」とはどのようなものかということを300字以内で説明する。

①資料Aに触れる場合

新しい友達ができた時の高揚感、新たな出会いがもたらす自分の変化(価値観など)などについて書くとよい。

②資料Bに触れる場合

これまで常識だと思っていたこと、正しいと思っていたことが、数ある考え方の一つに過ぎないことに気づかされる、といった内容を書くとよい。

以下、文例を挙げておきますので、参考にしてください。

「私は、資料◇が述べているように、読書とは〇〇だと考えます。なぜなら、△△だからです。さらに、読書は⬜⬜だともいえます。〇〇である読書を大事にしていきたいと思います。」

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