志望校とのギャップを感じる受験生へ ――「届かない」を埋める考え方と戦い方

模試の判定はE。
過去問を解いても、歯が立たない。
合格者平均点を見て、「これはさすがに無理かもしれない」と思ってしまう。

志望校との“差”を突きつけられたとき、受験生の心は大きく揺れます。
特に第一志望が難関校であればあるほど、「手が届かない」という感覚は重くのしかかります。

でも実は、この感情は多くの合格者が必ず一度は通る地点でもあります。
問題は、「届かない」と感じた瞬間に諦めるか、それとも
“どうすれば届くか”を考え始めるかです。

今回は、志望校とのギャップに苦しむ受験生に向けて、
その正体と、現実的な解消法を一つずつ整理していきます。

「手が届かない」と感じる現実とのギャップ

志望校のレベルが高すぎると感じるとき、人は強い無力感に襲われます。
模試の判定はE、合格者平均との差は歴然。
過去問を開いた瞬間、「次元が違う」と感じてしまうこともあるでしょう。

しかし、この状態は決して珍しいものではありません。
実際には、E判定・D判定からの逆転合格は数多く存在します。

重要なのは、「今は届いていない」という事実と
「最終的に届くかどうか」は別問題だということです。

「高すぎる」と感じる原因は“比較”にある

志望校が高すぎると感じる背景には、他人との比較があります。
SNSの勉強報告、クラスメイトの模試成績。
それらを見ているうちに、「自分だけが遅れている」という錯覚に陥ります。

しかし、他人の成績は“結果”であって、そこに至るまでの苦労や弱点は見えていません。

比較すべき相手は、他人ではなく過去の自分です。
1か月前より理解できる問題が増えたか。
偏差値が1でも上がったか。
そこに目を向けることで、「高すぎる」という感覚は現実的な距離へと変わっていきます。

「距離」を正しく測れていないだけ

「東大は無理」「早慶なんて夢のまた夢」と口にする受験生の多くは、
実は“差”を具体的に把握していません。

合格ラインは何点で、今の自分は何点なのか。
その差は何点で、何科目にどう分配できるのか。

たとえば30点差なら、
・英語＋10点
・数学＋8点
・国語＋7点
・社会＋5点

こうして分解すると、「絶望的な差」ではなく「戦略を立てられる数字」に変わります。

難関校合格者も、最初は遠かった

難関大に合格した人たちも、最初から順調だったわけではありません。
高2・高3の初期にE判定だった人、過去問が半分も解けなかった人は珍しくありません。

彼らが合格できた理由はただ一つ。
「遠い」と感じた時点で諦めなかったことです。

距離を分析し、埋める方法を考え、実行し続けた。
それだけで、“高い壁”は“登れる坂道”へと変わっていきました。

「高すぎる」と感じる4つの心理

志望校が高すぎると感じる背景には、次のような心理があります。

• 現実を直視することへの恐怖
• 失敗を避けたい気持ち
• 周囲の言葉による刷り込み
• 成功体験の不足

これらは、誰にでも起こる自然な反応です。
大切なのは、それに気づいた上で「どう動くか」を決めることです。

現実を受け入れることからすべてが始まる

「今の自分はまだ足りていない」
この事実を受け入れることは、敗北ではありません。

むしろ、そこから初めて
・どこを伸ばすか
・何を削るか
・どこから攻めるか

という“地図”が描けるようになります。
受験は感情ではなく、戦略の世界です。

「分解戦略」でギャップを埋める

合格までの差を、細かく分解してください。
点数 → 科目 → 単元 → 今日やること。

壁をそのまま見上げると高すぎますが、階段にすれば一段ずつ登れます。

合格に直結するのは「弱点潰し」

逆転合格を狙うなら、得意科目より苦手科目です。
苦手は伸びしろであり、点数効率が最も高い領域です。

最低点を底上げすることで、合計点は驚くほど安定します。

「逆算思考」で勉強を設計する

本番から逆算して、「いつまでに何を終えるか」を決めましょう。

行き当たりばったりでは、高い志望校には届きません。

志望校目線で勉強を絞る

出ないところを頑張るのは、勇気ではなく無駄です。
志望校の過去問を徹底的に分析し、「出るところだけ」を深くやりましょう。

E判定から合格した人の共通点

• 判定に一喜一憂しなかった
• 毎日少しでも継続した
• 他人ではなく計画を信じた

彼らは、「届かない」を
「まだ届いていない」に言い換え続けました。

不安は、本気の証拠

「高すぎる」と感じるのは、
本気でそこを目指している証です。

不安は敵ではありません。
正しく使えば、最大のエネルギーになります。

まとめ

志望校とのギャップは、才能の差ではありません。
測り方と埋め方を知らないだけです。

距離を数値化し、分解し、逆算し、継続する。
それができれば、
「届かない」は必ず「現実的な目標」に変わります。

今は遠く見えても大丈夫。
正しく歩けば、道は必ずつながっています。