大学入試の小論文で差をつける『問題提起力』―ありきたりな答案から脱却する方法―

採点官は、あなたの答案を「3秒」で判断している

衝撃的な事実をお伝えしましょう。

大学入試の小論文採点官は、あなたが何時間もかけて書いた答案を、わずか数秒で「優れた答案」か「平凡な答案」かを判断しています。何百枚もの答案を限られた時間で採点しなければならない採点官にとって、最初の数行を読んだ瞬間に、その答案の質はほぼ見えてしまうのです。

では、その「最初の数行」で何が判断されているのか。

答えは、「問題提起力」です。

どんなに美しい文章を書いても、どんなに論理的な構成を組み立てても、最初の問題提起が平凡であれば、その答案は「その他大勢」の中に埋もれてしまいます。逆に、鋭い問題提起ができれば、採点官は「おっ、この受験生は違うな」と身を乗り出し、最後まで真剣にあなたの答案を読んでくれるのです。

今日は、小論文で合否を分ける「問題提起力」について、徹底的にお話しします。この力を身につければ、あなたの答案は確実に他の受験生から一歩抜きん出ることができます。

なぜ、ほとんどの受験生の問題提起は「ありきたり」なのか

まず、典型的な「ありきたりな問題提起」の例を見てみましょう。

課題: 「少子高齢化社会における課題について論じなさい」

ありきたりな問題提起の例:

「現代日本は少子高齢化が進んでおり、これは大きな問題である。この問題を解決するために、私たちは何をすべきだろうか。」

この問題提起、どこかで見たことがありませんか? そうです。これは何千人もの受験生が書く、典型的な「その他大勢」の問題提起なのです。

何が問題なのか。それは、「誰でも言えること」しか書いていないからです。

「少子高齢化は問題である」――当たり前です。それが問題でなければ、わざわざ試験問題として出されません。「何をすべきか」――それを論じるのはこれからです。つまり、この問題提起は、何も新しい視点を提供しておらず、ただ課題文を言い換えただけなのです。

採点官の立場になって考えてみてください。同じような問題提起が続く何十枚もの答案を読んでいたら、どう感じるでしょうか。「またか」とため息をつき、流し読みしてしまうのではないでしょうか。

これが、多くの受験生が陥っている罠です。真面目に勉強し、一生懸命に書いているのに、「ありきたり」という理由で評価されない。これほど悲しいことはありません。

問題提起力とは「問いを深掘りする力」である

では、優れた問題提起とは何でしょうか。

それは、表面的な問題の奥にある、本質的な問いを発見する力」です。

多くの受験生は、与えられた課題をそのまま受け取り、そのまま論じようとします。しかし、優れた受験生は違います。課題の表面を一枚剥がし、その奥にある本質的な問いを見つけ出すのです。

先ほどの「少子高齢化」の例で考えてみましょう。

表面的な問いは「少子高齢化をどう解決するか」です。しかし、一歩深く考えると、こんな問いが見えてきます。

  • 「なぜ、人々は子どもを産まない選択をするのか?」
  • 「『高齢者が増えること』は、本当に『問題』なのか?」
  • 「少子化対策と女性の社会進出は、本当に両立できるのか?」
  • 「そもそも、人口減少社会を『解決すべき問題』と捉えること自体が正しいのか?」

これらは、表面的な問いを深掘りした、本質的な問いです。こうした問いを提起できる受験生は、採点官に「この受験生は物事を深く考えられる」という印象を与えます。

スカイメソッドが教える「3つの深掘り技法」

スカイ予備校では、問題提起力を高めるための「3つの深掘り技法」を教えています。これは、私が長年の指導経験から体系化した、誰でも実践できる具体的な方法です。

【技法1】 前提を疑う

多くの人が「当然」と思っていることを、あえて疑ってみる。これが最も強力な深掘り技法です。

例えば、「AI技術の発展」という課題が出たとき、多くの受験生は「AIは便利だが、雇用を奪う危険性がある」という、よくある論点を書きます。

しかし、前提を疑うとこうなります。

「AI技術が『人間の仕事を奪う』という前提そのものが、果たして正しいのだろうか。歴史を振り返れば、産業革命も自動車の発明も、一時的には雇用を減らしたが、最終的には新しい雇用を生み出した。では、なぜ今回のAI革命だけが『雇用を奪う脅威』として語られるのか。」

このように、「当たり前」とされている前提を疑うことで、議論は一気に深まります。採点官は「おっ、この受験生は表面的な議論をなぞっていないな」と注目してくれるのです。

【技法2】 対立軸を見つける

優れた問題提起には、必ず「対立」があります。Aという考え方とBという考え方が衝突する。その緊張感が、読み手を引き込むのです。

例えば、「環境保護」という課題なら、こんな対立軸を設定できます。

「環境保護のためにプラスチック使用を削減すべきだという意見は正しい。しかし、途上国では安価なプラスチック製品が人々の生活を支えている現実がある。先進国の『環境正義』が、途上国の『生存権』と衝突するとき、私たちはどちらを優先すべきなのか。」

この問題提起には、「環境保護 vs 経済発展」「先進国 vs 途上国」という明確な対立軸があります。こうした対立を提示することで、答案全体に「議論する価値のあるテーマ」という説得力が生まれるのです。

【技法3】 具体と抽象を往復する

表面的な問題提起は、抽象的な言葉だけで構成されています。「少子高齢化は問題だ」「AI技術は発展している」――これらはすべて抽象的な表現です。

優れた問題提起は、抽象と具体を巧みに往復します。

「地方の過疎化が進んでいる。私の祖父母が住む町では、小学校の児童数が10年前の半分以下になり、ついに昨年、統廃合が決まった。子どもたちの笑い声が消えた校舎を見たとき、私は『少子高齢化』という抽象的な言葉では捉えきれない、地域コミュニティの崩壊という現実を目の当たりにした。では、この『崩壊』を食い止めるために、私たちは何ができるのか。」

このように、具体的なエピソードから入り、それを抽象的な社会問題に接続する。この往復運動が、問題提起に「リアリティ」と「説得力」を与えるのです。

24の論点が提供する「大人の視点」

スカイ予備校の「24の論点」は、まさにこの問題提起力を飛躍的に高めるために開発されたツールです。

24の論点には、現代社会の重要課題が体系的にまとめられており、それぞれについて「表面的な理解」と「本質的な問い」が整理されています。

例えば、「ジェンダー平等」という論点では、こんな深掘りが用意されています。

表面的な理解: 「男女平等を実現すべきだ」

本質的な問い: 「『平等』とは『同じ扱いをすること』なのか、それとも『異なる特性を認めた上で公正な機会を提供すること』なのか?」

この「本質的な問い」を知っているだけで、あなたの問題提起は他の受験生から圧倒的に差別化されます。採点官は「この受験生は大学レベルの思考ができている」と感じ、高い評価を与えてくれるのです。

実際、24の論点を習得したスカイ予備校の生徒たちは、小論文の得点が平均で15〜20点向上しています。これは、問題提起力が向上したことによる直接的な効果なのです。

採点官の心を掴んだ「神レベルの問題提起」実例

ここで、実際にスカイ予備校の生徒が書いた、採点官に絶賛された問題提起の実例をご紹介します。

課題: 「情報化社会における課題について論じなさい」

ありきたりな問題提起(他の受験生):

「現代は情報化社会であり、インターネットが普及している。これには便利な面もあるが、問題もある。」

優れた問題提起(スカイ予備校の生徒):

「私たちは『知りたいことを何でも知れる時代』に生きていると信じている。しかし、本当にそうだろうか。検索エンジンは、私たちが『知りたい』と思うことしか教えてくれない。つまり、私たちは『知らないことを知らない』という無知の状態に陥っているのではないか。情報化社会の真の課題は、情報過多ではなく、『何を知らないかを知らない』という新しい無知の形ではないだろうか。」

この問題提起を読んだ採点官は、「この受験生の答案は最後まで読まなければ」と感じたそうです。結果、この生徒は小論文で満点近い評価を得て、見事合格しました。

何が違ったのか。それは、「情報化社会=便利」という一般的な前提を疑い、「新しい無知」という独自の視点を提示したからです。これこそが、問題提起力の威力なのです。

今日から実践できる「問題提起力トレーニング」

では、あなたも今日から問題提起力を鍛えることができます。私がお勧めする具体的なトレーニング方法をご紹介します。

【トレーニング1】 新聞の見出しを深掘りする

毎日、新聞やニュースサイトの見出しを一つ選び、「この問題の本質は何か?」を3つ書き出してください。

例:「若者の政治離れが深刻化」という見出しなら、

  1. なぜ若者は政治に興味を持たないのか?
  2. 「政治に参加すること」と「民主主義が機能すること」は同じなのか?
  3. 若者が政治に興味を持たないのは、若者の問題か、政治の問題か?

この訓練を毎日続けることで、表面的な情報を深掘りする習慣が身につきます。

【トレーニング2】 「なぜ?」を5回繰り返す

どんな問題でも、「なぜ?」を5回繰り返すことで、本質に到達できます。

例:「少子化が進んでいる」

  • なぜ? → 子どもを産む人が減っているから
  • なぜ? → 経済的に余裕がないから
  • なぜ? → 非正規雇用が増えて収入が不安定だから
  • なぜ? → 企業がコスト削減を優先するから
  • なぜ? → グローバル競争で利益を出さなければ生き残れないから

このように深掘りすることで、「少子化」という問題が「グローバル経済」という大きな構造問題に繋がっていることが見えてきます。これが本質的な問いです。

「なぜ?」を5回繰り返すとは、問題や課題の表面だけでなく、本当の原因にたどり着くための思考法です。最初に起きている現象に対して「なぜそうなったのか」を問い、その答えに対してさらに「なぜ」を重ねていきます。

これを5回程度繰り返すことで、思い込みや感情論を排除し、構造的・本質的な原因が明確になります。学習改善やビジネスの課題解決において、的確な打ち手を見つけるために有効な方法です。

【トレーニング3】 友人と「逆の立場」で議論する

あるテーマについて、あえて自分とは逆の立場から考えてみる。これも強力なトレーニングです。

例えば、「環境保護は重要だ」と思っているなら、あえて「経済発展の方が重要だ」という立場から論じてみる。こうすることで、物事を多角的に見る力が養われ、対立軸を見つける技術が向上します。

これはある意味ディベートといえます.

ディベートとは?

ディベートとは、あるテーマについて賛成・反対の立場に分かれ、論理的根拠をもとに意見を述べ合う討論形式である。主観や感情ではなく、事実や論理性が重視される点が特徴だ。

メリットは、論理的思考力や表現力、他者の意見を客観的に捉える力が鍛えられることである。一方デメリットとして、勝敗を意識しすぎると本質的な理解より論破が目的になりやすく、対立構造が強まる可能性がある。

問題提起力は、人生を変える武器になる

最後に、私があなたに伝えたいことがあります。

問題提起力は、単に小論文で高得点を取るための技術ではありません。これは、あなたの人生全体を豊かにする、本質的な「思考力」なのです。

社会に出れば、誰もが「問題解決」を求められます。しかし、その前に必要なのは「正しい問題を発見する力」です。表面的な問題に振り回されるのではなく、本質的な問いを見つけ出す。この力を持つ人が、組織でも社会でも、真のリーダーになれるのです。

大学入試の小論文は、その訓練の場です。今、あなたが問題提起力を磨くことは、合格を手に入れるだけでなく、あなたの未来を切り拓く武器を手に入れることを意味します。

だから、「ありきたりな答案」から脱却してください。表面をなぞるのではなく、深く掘り下げてください。誰もが言うことではなく、あなただけの問いを見つけてください。

その問いが、あなたを合格へ、そしてその先の成功へと導いてくれるはずです。

スカイ予備校 校長 五十嵐


追伸: スカイ予備校の「24の論点」と「スカイメソッド」を学べば、誰でも確実に問題提起力を身につけることができます。「自分には無理だ」と諦めないでください。正しい訓練をすれば、必ず成長できます。私たちが、全力でサポートします。


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