志望理由書を読む採点者が注目する締めくくりの書き方

志望理由書を読む採点者が注目する締めくくりの書き方 志望理由書

志望理由書を書き終えたとき、あなたはどんな「締めくくり」を書いていますか?「貴学で精一杯頑張ります」「どうぞよろしくお願いいたします」——こうした言葉で締めくくっている受験生は非常に多いのですが、実はこれらの表現は採点者の目にはほとんど印象を残しません。むしろ、せっかく書き上げた本文の内容を薄めてしまうリスクすらあります。

志望理由書において「締めくくり」は、読み手の最終印象を左右する極めて重要なパートです。人は文章を読むとき、最初と最後の部分を特に強く記憶に残す傾向があります。これは心理学で「初頭効果・親近効果」と呼ばれる現象で、採点者も例外ではありません。つまり、どれだけ中身が充実していても、締めくくりが弱ければ全体の評価が下がってしまう可能性があるのです。

このブログ記事では、採点者・入試担当者の視点から見た「志望理由書の締めくくり」に焦点を当て、印象に残る終わり方とNGな終わり方を実例付きで丁寧に解説します。高校生・受験生・保護者の皆さんにとって、志望理由書を仕上げるための具体的なヒントになれば幸いです。

採点者はなぜ「締めくくり」を重視するのか

大学の入試担当者は、一人ひとりの志望理由書を丁寧に読んでいます。しかし現実には、一日に何十枚・何百枚もの書類に目を通すことも珍しくありません。そうした状況の中で、採点者が特に意識して確認するのが「冒頭」と「締めくくり」です。冒頭では「この学生はなぜ本学を選んだのか」を確認し、締めくくりでは「この学生は本当に本学で学ぶ意志と覚悟があるのか」を判断します。

志望理由書の締めくくりは、単なる「まとめ」ではありません。採点者に対して「この受験生に会ってみたい」「この学生なら入学後に活躍してくれそうだ」と感じさせる最後のチャンスです。逆に言えば、締めくくりが曖昧だったり、どこかで見たような定型文だったりすると、採点者の中で「印象に残らない受験生」として処理されてしまいます。

採点者が締めくくりで確認しているポイントは主に三つあります。一つ目は「志望動機と将来の目標が一貫してつながっているか」、二つ目は「入学後に何をしたいかが具体的に書かれているか」、三つ目は「その大学・学部でなければならない理由が最後まで伝わっているか」です。これらの要素が締めくくりにしっかり含まれていると、採点者は「この受験生はきちんと考えている」と感じ、高い評価を付けやすくなります。

絶対に避けたい!NGな締めくくりの実例と解説

まずは、採点者から見て「印象が薄い」「マイナス評価になりかねない」締めくくりのパターンを具体的な実例とともに確認しましょう。自分の書いた文章と照らし合わせながら読んでみてください。

NG例①:決意表明だけで終わるパターン

「貴学に入学できた際には、精一杯勉強に励み、充実した大学生活を送りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。」

このような締めくくりは、一見礼儀正しく見えますが、採点者の立場からすると「具体性がない」「どの志望理由書にも書けてしまう言葉だ」と感じられます。「精一杯頑張る」という言葉は誰でも書けるため、その受験生固有の熱意や個性が伝わりません。また「どうぞよろしくお願いいたします」という表現は、志望理由書という場においては不自然に映ることがあります。

NG例②:本文の繰り返しで終わるパターン

「以上の理由から、私は貴学の〇〇学部を志望します。貴学の充実した教育環境と優れた教授陣のもとで学ぶことで、私の夢を実現したいと考えています。」

このパターンは、本文で述べた内容をそのまま繰り返しているだけで、新たな情報や深みが加わっていません。採点者は本文をすでに読んでいるため、締めくくりで同じことを言われても「この学生は言いたいことをまとめる力が弱い」という印象を持ちます。志望理由書において締めくくりは「まとめ」ではなく「着地点」であるべきです。

NG例③:抽象的すぎる将来像で終わるパターン

「将来は社会に貢献できる人間になりたいと思っています。そのために、貴学でしっかりと学んでいきたいです。」

「社会に貢献する」という言葉は非常に広い意味を持っており、具体性がありません。採点者は「どんな形で社会に貢献するのか」「その大学での学びとどうつながるのか」を知りたいと思っています。将来の目標が曖昧なままでは、その大学・学部を志望する必然性も伝わりにくくなってしまいます。

採点者の記憶に残る!印象的な締めくくりの書き方

では、採点者に好印象を与える締めくくりとはどのようなものでしょうか。ここでは、具体的な書き方のポイントと実例を紹介します。

ポイント①:志望動機・学びの内容・将来の目標を一文でつなげる

優れた締めくくりは、志望動機・入学後の学び・卒業後の将来像という三つの要素を自然な流れでつなぎます。例えば次のような書き方です。

【良い例】「幼い頃に祖父の介護を経験したことで芽生えた『地域医療を変えたい』という思いは、貴学の地域連携型カリキュラムと出会い、具体的な目標へと変わりました。貴学で地域医療の実態を学び、将来は地方の医療格差を縮小するための政策立案に携わる専門家として社会に貢献したいと考えています。」

この例では、自分の原体験(祖父の介護)→志望する理由(地域連携型カリキュラム)→将来の目標(医療格差縮小の政策立案)が一本の線でつながっています。採点者は「この学生がなぜこの大学でなければならないのか」を納得感を持って理解でき、強い印象を受けます。

ポイント②:その大学・学部でなければならない「固有性」を込める

締めくくりに「貴学の〇〇教授のゼミで学びたい」「貴学が提携する〇〇機関でのフィールドワークに参加したい」など、その大学にしかない具体的な要素を盛り込むことで、採点者は「この学生は本当に本学のことを調べている」と感じます。志望校のパンフレットやウェブサイト、オープンキャンパスで得た情報を積極的に活用しましょう。

漠然とした「充実した環境で学びたい」という言葉は、どの大学にも当てはまります。一方で「貴学の〇〇プログラム」「〇〇教授が提唱する〇〇理論」など固有名詞を使った表現は、その受験生が真剣に志望校を研究していることの証明になります。締めくくりにこそ、そうした固有性を凝縮して盛り込む意識を持ちましょう。

ポイント③:冒頭のテーマや問いに対して「答え」を返す構成にする

文章全体の完成度を高めるテクニックとして、「冒頭で提示した問いや課題に、締めくくりで答えを返す」という構成があります。例えば冒頭で「なぜ日本の教育格差は解消されないのか、という問いが私の出発点です」と書いたなら、締めくくりで「この問いに対する答えを、貴学での研究を通じて見つけ出し、教育政策の現場で実践していきたい」と返すことで、文章全体に美しい一貫性が生まれます。

採点者はたくさんの志望理由書を読む中で、こうした「構成の完成度」を敏感に感じ取ります。冒頭と締めくくりが対応している文章は読後感が良く、「よく練られた文章だ」という印象を与えることができます。

スカイメソッドで考える「論理・構成・表現」三位一体の締めくくり

スカイ予備校では、志望理由書や小論文の指導において「スカイメソッド」という独自のアプローチを採用しています。スカイメソッドとは、「論理的思考・構成力・表現力」の三つを一体として鍛えることで、採点者に響く文章を生み出すという考え方です。この三位一体の視点は、志望理由書の締めくくりを書く際にも非常に有効です。

「論理的思考」の観点からは、締めくくりが本文の主張と矛盾していないか、話の流れが自然につながっているかを確認します。「なんとなく感動的な言葉で終わらせる」のではなく、本文で積み上げてきた根拠や経験を踏まえた上で、論理的な結論として締めくくりを位置づけることが重要です。

「構成力」の観点からは、締めくくりが文章全体の中でどのような役割を果たしているかを意識します。志望理由書全体を「問題提起→経験・根拠→志望動機→入学後の計画→将来の目標」という流れで構成したとき、締めくくりは単なる「終わり」ではなく「全体の着地点」として機能しなければなりません。構成力とは、こうした全体の見取り図を描きながら文章を設計する力です。

「表現力」の観点からは、締めくくりの言葉が陳腐になっていないか、読み手の心に届く

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