およそ50年前に国立総合大学で唯一の看護学部として誕生した千葉大学看護学部。以来、多くの看護師を輩出してきたことはもちろん、我が国における看護学のリーダー的存在として、全国の看護系大学の要職を占める教員に多くの人材を送り出しています。
今回はそんな歴史と伝統のある千葉大看護学部について、千葉大看護学部は難しいの?合格者の出身高校は?倍率の推移は?といった疑問に答えていきます。
看護師になりたいと考えていて志望校選びに迷っている方は、ぜひご一読ください。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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千葉大看護学部は難しい?
さて、先ほど千葉大看護学部は国立総合大学で唯一の看護学部であり、我が国の看護学のパイオニアであるとお話ししました。
千葉大看護学部はどのような学校なのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
千葉大看護学部の特色
千葉大看護学部は自らの特色として、次の6つを挙げています。
- 総合大学としての強み
- 伝統と先導
- 大学院との連動
- 亥鼻キャンパス3学部の協働
- 看護学教育研究共同利用拠点
- 卒業生・修了生との絆
この中から、「総合大学としての強み」「大学院との連動」「亥鼻キャンパス3学部の協働」の3点に絞って、詳しく説明していきます。
総合大学としての強み
看護師は老若男女あらゆる年代性別の人たちに関わる職種であり、豊かな人間性と幅広く深い教養が必要とされます。
総合大学という場で、さまざまな学問分野に興味のある学生や高い専門知識を持った教員と共に学ぶことにより、看護師に必要な素養が育まれるという点が、千葉大看護学部の大きな強みとなっているのです。
大学院との連動
千葉大看護学部のカリキュラムは、看護学研究者や高度看護実践者を育成する大学院に連動しています。
大学院で研究を続けたい、学びを活かして行政機関や起業などで力を発揮したいという人にとって、千葉大看護学部での学びは継続性のあるものとなっているのです。
もちろん千葉大看護学部にも大学院があり、その規模は国内最大級のレベルとなっています。
亥鼻キャンパス3学部の協働
千葉大学亥鼻キャンパス(千葉県千葉市)には、看護学部・薬学部・医学部の3つの医療系の学部が揃っており、この3学部で亥鼻IPE (Interprofessional education:専門職連携教育)という授業が行われています。
これは、医療専門職同士が連携しながら専門性を発揮できる能力を養成するための取り組みです。
具体的には3学部の学生がチームを組んで千葉県内のさまざまな保健医療福祉施設に実習に行くなどのプログラムが組まれています。
伝統ある千葉大看護学部だけあって、実習先が豊富で、実習先には必ずといっていいほど卒業生や関係者がいるというのも学生にとっては心強いことでしょう。
ちなみに千葉大看護学部の国家試験の合格率はどのようになっているでしょうか。
看護師は令和2年・3年度とも合格率100%であり、その他の年度も含めて常に全国平均を上回っています。
助産師も同様に毎年100%の合格率です。保健師は令和3年度のみわずかに全国平均を下回りましたが、その他の年度は全て全国平均を上回る合格率です。
大学でしっかり勉強していれば、国家試験に合格できる力がつくと言えそうです。
偏差値
千葉大看護学部の気になる偏差値は、最新(2022年10月)の情報で52.5となっています。
千葉県を中心とした関東地方の看護学科の偏差値も以下に一部掲載しますので、参照してください。
- 東京都立大学 健康福祉学部 52.5
- 東京医科歯科大学 医学部保健看護学科 60.0
- 筑波大学 医学群看護学類 55.0
- 了徳寺大学 健康科学部看護学科 40.0
- 東京情報大学 看護学部 37.5
- 東京医療保健大学 千葉看護学部 42.5〜45.0
- 聖徳大学 看護学部 37.5
- 和洋女子大学 看護学部 37.5
- 東邦大学 看護学部 45.0
- 上智大学 総合人間科学部看護学科 57.5
- 聖路加国際大学 看護学部看護学科 62〜65
- 慶應大学 看護医療学部看護学科 64
※記載した偏差値は、各大学が個別に実施する試験(国公立大の2次試験、私立大の一般方式など)の難易度を、河合塾が実施する全統模試の偏差値帯で設定したものです。
共通テスト得点率
続いて、共通テストのボーダー得点率を見てみましょう。
千葉大看護学部の前期日程のボーダー得点率は、65%となっています。
参考までに関東地方の国公立大学看護学部・学科のデータも掲載します。
- 東京都立大学 健康福祉学部看護学科 前期65% 後期 66%
- 東京医科歯科大学 医学部保健看護学科 前期68%
- 千葉県立保健医療大学 健康科学部看護学科 前期65%
- 群馬県立県民健康科学 大学看護学部看護学科 前期55%
- 埼玉県立大学 保健医療福祉学部看護学科 前期62% 後期70%
- 筑波大学 医学群看護学類 前期65%
- 茨城県立医療大学 保健医療学部看護学科 前期57% 後期62%
- 神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部看護学科 前期61% 後期64%
- 横浜市立大学 医学部看護学科 65%
比較してみると、千葉大看護学部のボーダーラインは関東の国公立大学の中では中〜上位に位置していることがわかります。
※偏差値同様、こちらも河合塾発表のデータを出典としています。
合格者平均点・最低点
さらに入試データを見ていきます。千葉大看護学部の共通テストの合格者平均点と最低点はどのようになっているでしょうか。
千葉大学が公表している令和4年度の入試結果によると、合格者平均点は816/1350点、合格者最低点は700/1350点でした。
なお、募集人員49名に対して受験者数は147名(うち男子9名)、合格者数は63名(うち男子3名)であり、倍率は3.0倍でした。
倍率の推移
千葉大学が公表している平成30年度以降の看護学部の倍率を見てみましょう。
一般選抜
- 平成30年度 3.5倍
- 平成31年度 2.9倍
- 令和2年度 3.4倍
- 令和3年度 2.9倍
- 令和4年度 3.0倍
学校推薦型選抜
- 平成30年度 3.4倍
- 平成31年度 3.2倍
- 令和2年度 3.8倍
- 令和3年度 3.4倍
- 令和4年度 3.2倍
いずれもおよそ3倍台で安定的に推移しています。
合格者の主な出身高校
千葉大看護学部では、2022年の亥鼻祭(学園祭)の企画として学生を対象にアンケートを実施しています。
それによると、合格者の主な出身高校は、千葉東高校、船橋高校、小松川高校、浜松北高校、國學院大学久我山高校などとなっています。
61.5%が関東地方の出身者であり、一人暮らしと実家暮らしはほぼ同じ割合とのデータも掲載されていました。
このアンケートからは、他にも千葉大看護学生の併願先や大学生活のことなどがわかり、大変興味深いものとなっています。のぞいてみてはいかがでしょうか。
在学生アンケート(看護学部)亥鼻祭
まとめ
今回は、我が国で唯一の国立総合大学看護学部である千葉大看護学部について解説してきました。
看護学のパイオニアとも言える千葉大看護学部では、質の高い教授陣、充実した施設設備、医療系学部の連携教育など、恵まれた環境で看護学を学ぶことができます。
魅力の多い大学であるだけに、難易度においては入りやすい大学とは言えませんが、ぜひ志望校として検討してみてはいかがでしょうか。