「頑張っているのに、成績が伸びない」「どんな勉強法が正解か分からない」――
大学受験を目指す高校生の多くが、こんな不安を抱えています。真面目に努力しているのに結果が出ないのは、決して“才能がないから”ではありません。
問題は、“やり方”です。
大学受験は、「がむしゃらに頑張る人」が勝つ世界ではなく、「正しい方法で、継続した人」が合格を手にする世界です。
実際、私自身も遠回りをしてしまった時期がありました。勉強時間は確保しているのに、模試の成績が伸びず、焦りばかりが募る日々……。
けれど、勉強法を見直し、自分に合ったやり方を確立したことで、少しずつ結果が出るようになり、最終的には志望校への合格を掴むことができました。
この記事では、受験生が陥りがちな“勉強の落とし穴”を避け、最短距離で合格に近づくための《5つの勉強法》を紹介します。
「何から始めればいいか分からない」「今のままで本当に大丈夫なのか不安」――そんな受験生や保護者の方にとって、きっとヒントになる内容をお届けします。
記事の監修者：五十嵐弓益（いがらし ゆみます）
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴27年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で８割取る答案の作り方を指導。
２０２0年４月から、完全オンラインの大学受験予備校となる。過去３年間で国公立大学合格８５名。
高１から入会者は国公立大学合格率９３％
高２から入会者は国公立大学合格率８６％
高３の4月から入会者は国公立大学合格率７３％。
スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
はじめに：大学受験は「戦略と習慣」で決まる
高校生活の集大成ともいえる大学受験。
誰しもが「志望校合格」というゴールを目指して勉強に励みますが、その道のりは決して平坦ではありません。受験生の多くが、こんな悩みを抱えています。
- 「勉強しているのに成績が伸びない…」
- 「どうやって勉強したらいいか分からない…」
- 「モチベーションが続かない…」
- 「志望校のレベルに届く気がしない…」
こうした悩みは、受験生に共通する“あるある”ですが、決して放置してよいものではありません。
勉強のやり方を間違えたまま続けてしまえば、どんなに時間をかけても成果に結びつかないこともあります。
一方で、「勉強法を少し変えただけで、劇的に成績が伸びた」という声も多数あります。
大学受験は、知識の量よりも“その知識をどう身につけるか”というプロセスの質が問われる勝負なのです。
実際に私も、間違った勉強法を続けてしまい、無駄な時間を大量に費やしていた時期がありました。
しかし、正しい勉強法を身に着けることで、次第に成績が上がっていき、第一志望校に無事合格することができました。
本記事では、受験を成功に導くために欠かせない「5つの勉強法」と、受験生が陥りやすい落とし穴を紹介します。
これから受験に向けて頑張る高校生、そして保護者の皆さまにも、ぜひ最後までお読みいただきたい内容です。
勉強法①：計画的に勉強スケジュールを立てる
「いつまでに、何を、どれくらい」やるかを明確にする
受験勉強の第一歩は、「計画を立てること」です。
しかし、多くの受験生がこのステップを軽視しています。
「とにかく今日も頑張ろう！」と意気込んで始めても、計画がなければ、「今日は何をやるんだっけ？」と悩み、結局“やりやすい科目だけをやる”ことに……。
これでは勉強に偏りが出て、合格への最短ルートとは言えません。
ポイントは、“逆算思考”で計画を立てることです。
年間→月間→週間→日単位の流れで考える
1. 年間スケジュール
- 3年生の夏までに主要科目の基礎を終える
- 夏休みは苦手分野の克服と応用強化
- 秋からは志望校の過去問演習に集中
- 冬は総復習と模試結果をもとに弱点補強
2. 月間スケジュール
- 英語：今月は英文法をマスター
- 数学：IIBの図形と方程式の完成
- 日本史：戦後史に絞って集中対策
3. 週間・日別スケジュール
- 月〜金は学校＋復習、土日は問題演習
- 火曜は英語中心 など
無理のない範囲で細かく設計
実際に私は以下のようなスケジュールを立てていました。
年間スケジュール
- 2年生が終わるまでに英検2級に合格する
- 部活が終わる3年生の8月までに主要科目の基礎を終える
- 夏休みはひたすら数学の問題演習、英語の長文読解
- 秋からは志望校の過去問演習に集中
- 共通テスト直前期は各予備校の予想問題を解く
月間スケジュール
- 英語：単語帳○ページ、文法書○ページ、長文読解○問
- 数学：問題集（チャート）○章マスター
- 理科：参考書（セミナー・ニューグローバル）○章マスター
週間・日別スケジュール
- 月〜金：学校＋朝学習で理科＋部活後に課題・数学・英語長文＋寝る前に単語帳と文法書
- 土日：課題・数学・英語長文＋息抜きに理社
スケジュールは“守るもの”ではなく“見直すもの”
計画通りに進まないと、「やっぱり自分はダメだ…」と落ち込んでしまう人もいますが、それは間違いです。
計画はあくまで“仮説”。大事なのは柔軟に修正していくことです。
- 思ったより時間がかかった
- 予定外の課題が入った
- 理解に時間がかかる単元だった
こうした状況も想定し、余白を残した設計を行うことで、「計画倒れ」を防げます。
勉強法②：基礎を徹底的に固める
基礎力は「伸び悩みの壁」を突破するカギ
どんな科目でも、入試で得点を取るためには「基礎」が不可欠です。
しかし多くの受験生が「応用問題にチャレンジしたい」「難問が解けるようになりたい」と思い、基礎をおろそかにしてしまいがちです。
ところが、偏差値を伸ばしている受験生の多くは、実は「基礎の反復」に膨大な時間をかけています。
教科別・基礎力のつけ方
英語：
単語・熟語・文法を徹底暗記。構文の型を身につけてから長文に挑戦。
1日30単語を毎日続けるだけでも、3ヶ月後には大きな差が出ます。
数学：
教科書の例題・基本問題を完璧に。公式を丸暗記せず「なぜその解法になるか」まで理解。
国語：
現代文は語彙と論理の理解。古文は文法と単語の暗記を。
設問の解釈力を意識。
理社：
資料集や図解を活用し視覚的に覚える。
まずは全体像を掴んでから細部へ。
基礎は「反復」でしか身につかない
記憶には忘却曲線があります。
1度覚えても数日後には忘れてしまうため、「3日後・1週間後・1ヶ月後」といった復習スパンの設計が重要です。
- 参考書は1冊を「3周」する
- 毎週土曜は「復習の日」にする
- 「できた」と思った問題も1週間後にもう一度解く
また、学校の授業は「基礎」を身に着けるための絶好の機会です。
居眠りや内職は避け、先生の説明をその場で定着させることが大切です。
勉強法③：過去問を徹底的に使い倒す
「出題者の視点」で見ることが合格への鍵
志望校の過去問は、最も信頼できる教材です。
なぜなら、その大学が「どんな力を持つ学生を求めているか」が最も明確に表れているからです。
過去問活用のステップ
1. まずは傾向分析から
過去3〜5年分を解き、出題形式・テーマ・頻出単元をメモする。
例）英語は長文中心、自由英作文が毎年出る／数学は確率とベクトルが頻出／化学は原子分野は出たことがない
2. 本番形式で解く
時間を計って、本番と同じ緊張感で解いてみる。
3. 復習を丁寧に行う
間違えた理由を分析
→ 知識不足／読み間違い／焦り／勘違い
それぞれ対策を明記して再発防止を図る。
4. オリジナル解説ノートを作成
自分がミスしやすい箇所をまとめて、直前期に再確認できるように。
同じ大学の過去問は「繰り返す」
過去問は“1回解いて終わり”では意味がありません。
2回目、3回目と解くたびに精度が増し、「問題のパターン」が見えてきます。
- 何年かに1度、同じテーマが出題されている
- 設問の形式が固定化されている
- 作問者の“クセ”がある
こうした傾向を掴むことは、点数アップに直結します。
勉強法④：自分に合った勉強スタイルを見つける
「自分の脳の使い方」を知ろう
受験は他人との戦いではなく、「自分との戦い」です。
だからこそ、周囲の勉強法をマネするのではなく、自分に合った学び方を確立することが大切です。
学習スタイルの種類と特徴
- 視覚型：図や絵で覚えるのが得意。ノートはカラーペンを活用。マインドマップも有効。
- 聴覚型：耳から情報を吸収。自分の声で音読したり、録音して聴き直すのが効果的。
- 身体運動型：書く・動くことで覚える。単語帳を持って歩きながら暗記するのがおすすめ。
環境整備も重要
集中できる空間があるかどうかも、学習効率を左右します。
スマホの通知を切り、静かな環境をつくるだけで集中力が大きく変わります。
- スマホは物理的に別の部屋に置く
- 勉強専用の場所（机・カフェ・図書館）を決める
- 30〜50分ごとに5分休憩（ポモドーロ・テクニック）
実際に私は、家で集中することが難しかったため、近所の自習室や学校の図書館・自習室を利用していました。
強制的に勉強しかできない空間に身を置くことで集中力を保っていました。
家で勉強しなければならなかったときは、家族にスマホを預けてもらいました。
勉強法⑤：模試を最大限に活かす
模試は「現時点の弱点を見つけるチャンス」
模試は成績を見るだけのものではありません。
重要なのは、「模試の後の復習と分析」です。
模試の復習で見るべきポイント
- どの分野で点を落としたか
→ 出題範囲と自分の理解度を照らし合わせる - 正答率の高い問題を落としていないか
→ 基礎が不十分なサイン - ケアレスミスの傾向
→ 焦り・時間配分・計算力不足の可能性
模試を受けたら、その日のうちに自己採点＆復習が理想です。
「解き直しノート」を作ることで、弱点を一元管理でき、直前期に活用できます。
よくある落とし穴とその対策
落とし穴①：SNS・スマホ依存
スマホを使っての学習も増えましたが、SNSや動画に時間を奪われるケースが多発しています。
→ アプリ制限、集中アプリ、スマホを遠ざけるルールの導入を
落とし穴②：参考書ジプシー
「この参考書が良い」と聞けばすぐに買い、「あれもこれも」と手を出すうちに、どれも中途半端に。
→ まずは“1冊を完璧にやり切る”ことが最優先
落とし穴③：睡眠不足と体調管理の軽視
夜遅くまで勉強している自分に酔っていませんか？
→ 睡眠は脳の整理時間。7時間は確保を
まとめ：大学受験は「自分を信じて続けた人」が勝つ
ここまでご紹介してきた5つの勉強法は、すべて“合格した受験生”たちが実際に実践していたものばかりです。
- 勉強は「戦略」と「習慣」
- 基礎を極め、応用に繋げる
- 自分の学習スタイルを知る
- 弱点は恥じゃない、武器に変える
- 「不安」と「焦り」を信じる力に変える
大学受験という試練は、自分自身を深く知る機会でもあります。
合否はもちろん大切ですが、それ以上に、“目標に向かって努力した日々”が、必ず将来の力になります。
あなたの努力が、最高の未来に繋がることを心より願っています。
