2024年度群馬県立高校入試では、論理的文章・文学的文章・古文・実用的文章・漢字の読み書き+漢文の返り点の5題構成になっています。
↓問題と解答はコチラ
https://www.sankei.com/article/20240221-Q2RMWOW6HZO2BCKAOKW7ETWODQ/
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴25年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
スカイ予備校を高崎市内に開校し、2021年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となり1年目から、国公立大学に27名の合格者を輩出。スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
☆知らないと損する「小論文やっていはいけないNG動画」を無料プレゼント中!
大問1(論理的文章)
大問1は、【文章Ⅰ】が市橋伯一『増えるものたちの進化生物学』、【文章Ⅱ】が更科功『若い読者に贈る美しい生物学講義――感動する生命のはなし』からの出題です。
【文章Ⅰ】と【文章Ⅱ】の表現上の共通点を考える問題など、いわゆる新傾向問題が出ています。
(1)内容読解(抜き出し)
- 「泳ぐのが遅いミジンコ」と比較対象になっていることを押さえる。
- 「遺伝子に突然変異が起きてまたいろいろ性質の違う個体が生まれる」というのは、「自然選択が起こると特定の性質が選ばれる」ことと反対の現象である。
(2)内容読解(選択肢)
「岩石」の例は、「増えなかったら進化することはあり得」ないことを説明するための具体例であることを押さえる。「岩石」は、「残りやすさに違いが生まれ」るのは生物と同様であるが、「その性質が次世代に受け継がれること」がない(=進化しない)点で異なっている。
(3)内容読解(記述)
解答の中心は、直後にある、「どんどん性質がその環境に適したものに変化してい」くこと、である。あとは「性質」の説明を【文章Ⅰ】の「子孫を残しやすい性質」と言い換え、「その」を省くとよい。
(4)脱文挿入(選択肢)
脱文の内容を読むと、適応に成功した内容になっているので、ウかエに絞れる。 あとは脱文の「時間が経てば」に注目し、文章の流れとして適切かを考えるとよい。
(5)表現把握(選択肢)
【文章Ⅰ】では、「ミジンコ」や「岩石」、【文章Ⅱ】では、「気温が摂氏二〇度から〇度になった」場合や「赤道直下」などが具体例として挙げられているので、イが正解。
アは、【文章Ⅱ】が常体なので不適。
ウは、「具体的なデータ」が示されていないので不適。
エは、「『 』や比喩を多用しながら」が不適。
(6)内容読解(選択肢)
イは、「環境が大きく変化する」の「大きく」が不適。また、「生物の進化の原理はとても複雑だ」というのが主眼ではない。
大問2(文学的文章)
大問2は、辻村深月「この夏の星を見る」からの出題です。
(1)内容読解(選択肢)
望遠鏡を覗いている状況で、直前に「食い入るように」とあることから考える。
(2)内容読解(選択肢)
「ええ。あの望遠鏡は私たちのOGが残してくれた、素晴らしい財産です」という晴菜先輩の発言が、解答の中心である。「ええ」は、直前の「空気望遠鏡を見せてもらえたの、すごくわくわくしました」という亜紗の発言を肯定していることを押さえる。
(3)内容読解(選択肢)
アは、「遮光板とレンズを支える金属のメインフレームを下から木製の昇降装置が支えていて、フレームはあるけれど、筒がない」に合致。
イは、「カッシーニが日本に持ち込んだ」が不適。「カッシーニが土星の輪を観測したのと同じ方式」なだけである。
ウは、「土星の輪までは見ることができない」が不適。本文に「土星の輪が、ちゃんと見えた」と書かれている。
エは、全体が不適。「まるで建設現場にある何かの機材のようだ」と述べられているにすぎない。オは、「遮光板とレンズを支える金属のメインフレームを下から木製の昇降装置が支えていて」に合致。
(4)内容読解(記述)
「時間まで」の「まで」に注目する。望遠鏡を通して宇宙を見ることで、宇宙を旅しているような感覚があることに加え、時間も旅しているような感覚があったというのである。
ここで、「空気望遠鏡で土星の輪が、ちゃんと見えた。カッシーニが三百年前に見た視界と同じ、土星」という表現に着目しよう。亜紗は、三百年前のカッシーニと同じ景色を見られたことにも感動していることが読み取れる。
大問3(古文)
大問3は、『大和物語』と物語中に出てくる和歌についての会話文からの出題です。
(1)表現技法(選択肢)
「『もみぢ葉』に心があるならば」という内容が含まれているので、擬人法が使われているとわかる。
(2)現代かなづかい(記述)
「申したまひて」を「もうしたまいて」に直す。
(3)現代語訳(選択肢)
傍線部の主語が「紅葉」であることに気づけばイが正解だとすぐにわかる。
「いろいろ」は「人々」と似た表現で「様々な色」と訳す。
(4)内容読解(選択肢)
「もみぢ葉」に「天皇の行幸を待っていてほしい」と頼むのには、どういう気持ちが込められているかを考える。
(5)
①内容読解(選択肢)
- 「亭子の帝の御ともに、おほきおとど、大井に仕うまつりたまへるに」より、「亭子の帝」があてはまるとわかる。
- 「行幸あらむに、~かならず奏してせさせたてまつらむ」より、訳注の「醍醐天皇」への思いだとわかる。あるいは、「いと興あることなり」の発言者を考えればよいので、「奏したまひければ」の訳注に着目すればよい。
②内容読解(抜き出し)
〔まとめ〕の流れから、〔文章〕の「いと興あることなり」の直後に着目すればよいとわかる。
大問4(実用的文章)
(1)表の読み取り(選択肢)
- 空欄の直後に着目する。〔資料〕から、「五つのジャンルの中で『食文化』の割合が最も高い」年齢層を読み取る。
- 空欄の直前より、〔資料〕の「『伝統芸能』や『日本の伝統音楽』」に着目すればよいことがわかる。
(2)作文(140~180字記述)
冒頭で、「食文化」・「伝統芸能」・「歴史文化」のうちのどれを選んだかを書く。その後、理由→自分の具体的な経験とつなげればよい。
大問5(漢字の読み書きと漢文の返り点)
(1)漢字の書きとり(記述)
「借(りる)」・「旗」・「批判」・「登録」が出題。
(2)漢字の読み(記述)
「著しい」(いちじるしい)・「稽古」(けいこ)・「鋭い」(するどい)・「軌跡」(きせき)が出題。
(3)漢文の書き下し(記述) 「レ点」2つを連続で用いる形が出題。