記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴27年
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スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
小論文過去問題
R6年度 環境学部 環境学科 一般選抜(後期)
次の2つの文章を読み問1~問3に答えなさい。
※本文省略
出典:松下和夫「持続可能で公正な地球の未来は可能か」環境と文明(2023年10月号)
※本文省略
出典:荒田鉄二「ローカリゼーションのすすめ」環境と文明(2016年2月号)を一部改変
問1 「持続可能な開発」という言葉が広く使われるようになる切っ掛けとなった1987年のブルントラント委員会報告から37年、「持続可能な開発」が世界的な目標となった1992年の地球サミットから32年の歳月が経つ。しかしながら、これまで30年以上にわたって様々な取り組みがなされてきたにもかかわらず、世界は一向に持続可能にはなっていない。世界が持続可能にならない最大の原因は何か、自分の考えを300字以内で書きなさい。
問2 持続性に向けた社会変革が進まない一方で、気候変動は着実に進行しており、このままで
は今後10年と経たないうちに取り返しのつかない事態になることが懸念されている。問1で答えた「最大の原因」を取り除き、世界を早急に持続可能な方向に向かわせるため
には何が必要か、自分の考えを300字以内で書きなさい。
問3 自身が間2で答えた対応が実行され、それが成功を収めた後に実現される「持続可能な社会」とはどのような社会か、自分の考えを300字以内で書きなさい。
R6年度 経営学部 経営学科 一般選抜(後期)
以下の文章は吉永明弘「はじめて学ぶ環境倫理」から抜粋(出題に際して、原文を一部省略および改変)したものである。これを読み続く問いに答えなさい。
出典:吉永明弘「はじめて学ぶ環境倫理」ちくまプリマー新書 2021年
(出題に際して、原文を一部省略および改変している。)
問1 この文章を160字から200字で要約しなさい。
問2 波線部の空欄部分(A)には、すでに廃止された発電所を含め、日本国内でこれまでに運転されてできた原子力発電所の立地基数が多い上位3都道府県名が記されている。このことを踏まえ、著者が波線部のような状態を環境正義に反すると考える理由を、本文で主張される正義の意味を念頭に置き200字から240字で論じなさい。その際、「福島第一原発」「地方」「大都市圏」「便益」「環境汚染リスクの分配」という用語をすべて使いなさい。また、各用語を使用した箇所に下線を引きなさい。
問3 原子力発電所は運転にともなって放射性廃棄物を生みだす。中でも核燃料由来の「高レベル放射性廃棄物」は、人体に影響を及ぼさない放射線量の水準になるまでに、10万年もの年月を要する。
そのため、高レベル放射性廃棄物を地下300メートルより深い地層に埋めて処分すること(これを「最終処分」という)が検討されている。しかし、日本国内で最終処分をおこなう施設(以下「最終処分場」)の立地場所はいまだに決まっていない。
そこで、「最終処分場」の立地場所の候補地となる都道府県を、国が数カ所選定する問題を考えたい。この問題は多くの人が立地を望まないような施設を、どのように分配することが公平か考える問題として捉えることもできる。いま、本文中に示されたクッキーのような「多くの人が欲するもの」を公平に分配するための方法である①から⑤を、最終処分場の飲補地選定に適用しよう。ただし、多くの人にとって「放射性廃棄物」の価値は「クッキー」とは真逆であるため①から⑤を適切に書き換える必要がある。
元の問題における分配される物の価値とその分配方法との対応関係を正確にふまえた上で、①から③については、(a)「分配方法の基本的な考え方」、(b)「(a)を踏まえた具体的な分配方法」、(c)「(b)の分配方法で選ばれる都道府県の(一つでよい)、およびその理由」の3点を100字から160字で記述しなさい。また④と⑤については、(b)「具体的な方法」、(c)「(b)の分配方法で選ばれる都道府県の例(一つでよい)およびその理由」の2点を50字から80字で記述しなさい。
ただし(c)については、「選ばれる都道府県がない」もしくは「どの都道府県が選ばれるか想定しづらい」と考えられる場合、その旨を理由とともに述べなさい。
なお、この問題を簡単化するために、以下の条件を設ける(この条件は必ずしも現実を反映したものではない)。
・あくまで建設地となる都道府県を選定するのであり、具体的な市町村までは特定しない。
・技術的にはどこにでも最終処分場を建設することが可能である。
・最終処分場の建設費用や放射性廃棄物の搬入にかかるコストは立地場所に関わらず等しい。
・最終処分場から放射性物質が漏出するリスクは立地場所に関わらず等しい。
・最終処分場の建設にともなう経済効果はない。
出題意図・解答
R6年度 環境学部 環境学科 一般選抜(後期)
出題のねらいは持続性問題を当事者として考える能力を問うことにあります。また、持続性問題を当事者として考えると同時に、個人レベルの問題ではなく社会レベルの問題として考えることが期待されます。それは持続性に向けた社会システム変革の可能性を考えるということであり、リサイクルへの協力やエネルギー節約など、現行の社会システムの枠組みの中での個人レベルの小さな努力の積み重ねによって問題が解決できるというような解答は期待されていません。なお、読んでもらった文章は、あくまでも基本的な情報を参考として提供することを目的としており、解答は必ずしもそれに沿ったものである必要はありません。
R6年度 経営学部 経営学科 一般選抜(後期)
全体の意図:一般常識、文章読解力、文章表現力、想像力、論理的思考力など多様な能力を問うている。
問1:中高生を対象読者とした平易な文章を読み、指定された字数で内容を要約するための、読解力と
文章表現力を問う。
問2:原子力発電所が空欄Aのような特定の地域に集中して立地することが、なぜ分配の公平性の問題、
いいかえれば環境正義の問題となるのかを、指定された語句をヒントにしながら類推する能力を
問うている。そのためには、これまでに学んできた知識や常識を総動員し、それらを有機的に結
合させる能力が必要となる。そして組み立てられた自身の考えを、論理的な文章として表現でき
るかを問うている。
問3:本文中で提示された問題の解決方法を、状況の異なる問題解決に適用することで、応用的な思考
力を問う。元の問題の構造を正しく把握し、さらに、その構造を基に別の問題解決のための枠組
み構築する必要がある。具体的な事象を抽象化する能力および言語表現力が問われる。
学部学科、コース
環境学部
「環境」を実践的に学ぶフィールドワークに1年次から取り組める。自然環境保全、循環型社会形成、人間環境など幅広い分野の環境関連科目も学び、環境問題解決能力や人間力を育成していく。中学・高校教諭一種免許(理科)が取得可能。環境問題に関する基本的知識を持った理科教員を養成する。
経営学部
多様なビジネス社会で活躍するために必要なマネジメント基礎力を養うとともに、企業、会計・ファイナンス、地域、情報の視点から経営学を修得し、経営という視点から「自然環境と共生する社会の構築に貢献できる人材の育成」を目指す。また、環境学部との連動により、「環境」に対応した「未来対応の経営」を学ぶことができる。
所在地・アクセス
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