(後期)京都大学法学部ー特色入試ー過去問題集

小論文過去問題

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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京都大学法学部 特色入試(学校推薦型選抜)過去問題集|小論文対策・傾向と解法を徹底解説

京都大学法学部 特色入試の概要

京都大学法学部の特色入試は、学校推薦型選抜によって行われます。2025年度からは、試験実施方式として後期日程を廃止し、学校推薦型選抜を実施する予定です。特色入試では、大学入学共通テストと独自の小論文試験の成績により合格者を選抜しています。募集人員は20名で、各学校長が推薦できる人数は2人までです。

法学部は、グローバルな視野から国家・社会に関する事象に強い関心を持ち、このような事象を本質から理解しようとする知的探究心を有し、かつ、グローバルに活躍するにあたって必須となる英語の基本的な四技能をバランスよく身につけていることが求められます。

また、人々が協働し、共に生きる社会の実現を志す倫理性と責任感を持ち、未だ答えのない課題等を自ら見いだし、文献や資料等を調査して、徹底して考え抜こうとする自学自習の姿勢を有していることも重要視されます。

京都大学法学部 特色入試の傾向と特徴

京都大学法学部の特色入試(学校推薦型選抜)における小論文試験は、日本屈指の難易度を誇ります。試験時間は150分、字数は1300〜1600字程度、配点は100点(共通テスト370点との合計470点満点)という構成が続いています。最大の特徴は、英語の課題文と日本語の課題文を組み合わせた複数テクスト型の出題形式である点です。英文は海外の学術書・論文から出題されることが多く、高い英語読解力が必須です。

テーマは政治哲学・法哲学・社会思想・環境法・リベラリズムなど、法学・政治学の根幹に関わるアカデミックな内容が中心です。単なる意見論述にとどまらず、複数の課題文の論点を正確に理解・整理した上で、自分の見解を論理的に展開することが求められます。

設問は必ず2問構成で、問1では課題文の内容説明(400字程度)問2では課題文を踏まえた自己の見解論述(900〜1000字程度)という形式が定番化しています。問1では読解の正確さ、問2では独自の思考力と論述力が問われます。京都大学が求める「徹底して考え抜く知性」を体現できる答案が高得点につながります。

過去のテーマを見ると、移民・環境正義・ポピュリズム・ナッジ理論・ダイバーシティなど、現代社会が抱える普遍的かつ複雑な問題群が繰り返し出題されています。これらのテーマに関する基礎的な学術知識を事前に蓄積しておくことが、合格への近道です。

京都大学法学部 特色入試 小論文対策ポイント

① 英語課題文の読解力を鍛える

英文課題文は学術的な専門用語を含む高度なものが多く、一般的な大学受験英語の力だけでは対応が難しい場合があります。日頃から英字新聞(The Economist、Financial Timesなど)や英語の学術論文の要旨を読む習慣をつけ、論述系英文の読解に慣れることが重要です。特に、筆者の主張・根拠・反論の構造を素早く把握するトレーニングが効果的です。

② 問1の「説明問題」で高得点を狙う

問1は400字程度の内容説明ですが、ここでの正確な読解が問2の論述の土台となります。課題文中のキーワードをそのまま使用禁止にする設問(例:2022年の”Somewheres”/”Anywheres”)が出ることもあり、概念を自分の言葉で正確に言い換える能力が試されます。要約・言い換えの練習を繰り返し行いましょう。

③ 問2の「自己見解論述」で差をつける

問2では単に課題文の内容を紹介するだけでは不十分です。複数の課題文の論点を統合・比較しながら、自分独自の立場を明確に示す必要があります。「賛成・反対」の二項対立ではなく、論点を多角的に検討した上で自分の結論を導く「止揚型」の論述が高評価を得やすいです。また、具体的な事例や知識を根拠として盛り込むことで、論述に説得力が増します。

④ 法学・政治哲学の基礎知識を蓄積する

ポピュリズム、移民政策、環境正義、リバタリアニズム、コミュニタリアニズムなど、法学・政治学の基本概念を事前に学習しておくことが不可欠です。岩波新書や中公新書などの入門書を活用し、現代社会の法的・政治的課題について幅広い知識を身につけてください。

⑤ 150分・1400字の時間配分を習得する

問1(400字)と問2(1000字)を合わせると約1400字。150分という試験時間の中で、課題文読解・構想・執筆・見直しを計画的に行う必要があります。目安として、課題文読解に40分、問1構想・執筆に30分、問2構想・執筆に65分、見直しに15分というペース配分で繰り返し練習しましょう。

京都大学法学部 特色入試 過去問題

2022年(後期)150分 1400字 100点/370点

【課題文出典】
①『The Road to Somewhere: The New Tribes Shaping British Politics』by David Goodhart(Penguin, 2017)より英文
②石山文彦著「移民政策を規律する理念は存在するか―国益, 文化の継承そしてグローバルな正義」(井上達夫編『現代法哲学講義〔第2版〕』信山社, 2019年)の一節

問1:課題文①において、”Somewheres”と”Anywheres”とはそれぞれどのようなものか。400字程度で説明しなさい。なお、解答においては、”Somewheres”や”Anywheres”という語は用いず、それぞれに適当な日本語をあてた最初の箇所に下線を引くこと。

問2:課題文①・課題文②の双方を踏まえ、国家が移民を制限することの正当性について、あなた自身の見解を1000字程度で論じなさい。

2021年(後期)150分 1400字 100点/370点

【課題文出典】
①”Ecological Justice and Law” by Klaus Bosselmann(Environmental Law for Sustainability: A Reader, Hart Publishing, 2006)より英文
②中山竜一著「リスクと法」(橘木俊詔ほか共編『リスク学とは何か』岩波書店, 2007年)の一節
③宇佐美誠著「将来世代をめぐる政策と自我」(鈴村興太郎ほか共編『世代間関係から考える公共性』東京大学出版会, 2006年)の一節

問1:課題文①では、”ecological justice”の重要な要素として何が挙げられているか。400字程度で説明しなさい。

問2:課題文②および③の内容もふまえて、今後の環境政策のあり方について、あなた自身の考えを1000字程度で述べなさい。

2020年(後期)150分 1400字 100点/370点

【課題文出典】
①『For a Left Populism』by Chantal Mouffe(Verso, 2018)より英文
②アリストテレス著(牛田徳子訳)『政治学』(京都大学学術出版会, 2001年)の一節
③水島治郎著『ポピュリズムとは何か――民主主義の敵か, 改革の希望か』(中央公論新社, 2016年)の一節

問1:課題文①において、筆者が主張する”left populism”とはどういうものか。400字程度で説明しなさい。

問2:課題文②が論じる国家(国制)のあり方をめぐる考察と、課題文③が論じる「ポピュリズム」と「デモクラシー」の関係をめぐる考察を踏まえつつ、課題文①が主張する”left populism”について、あなた自身の考えを1000字程度で論じなさい。

2019年(後期)150分 1300字 100点/370点

【課題文出典】
①”Nudging: A Very Short Guide” by Cass R. Sunstein(37 JOURNAL OF CONSUMER POLICY 583, 2014)の一節
②山本龍彦著「個人主義とセグメント主義の相克(覚書)―『パーソナライズド』の意味」(『情報法制研究』2号, 2017年)の一節
③関谷翔著「認知科学・脳神経科学がリスク論に与えるインパクト」(信原幸宏ほか編『脳科学の倫理と社会』UTCP, 2010年)の一節

問1:課題文①において”freedom of choice”とはどのような意味か。400字程度で説明しなさい。

問2:課題文①と、課題文②・③の関係を踏まえて、課題文③で論じられている問題点を説明し、それに対するあなた自身の考えを900字程度で論じなさい。

2026年度 京都大学法学部 特色入試 予想問題

予想テーマ:「生成AIと民主主義・法的責任」

課題文①(英文要旨・日本語訳)

Artificial intelligence systems, particularly large language models, are reshaping the public sphere in ways that challenge traditional democratic norms. The rapid dissemination of AI-generated content raises profound questions about epistemic autonomy—the capacity of individuals to form beliefs through their own rational processes. When citizens are exposed to algorithmically curated information environments, their deliberative capacities may be subtly compromised, undermining the foundations of democratic legitimacy. Legal frameworks have struggled to keep pace with these developments, as existing regulations were designed for human actors rather than autonomous systems. A new paradigm of “algorithmic accountability” is needed, one that demands transparency, explainability, and meaningful human oversight of AI decision-making processes that affect public discourse and the administration of justice.

(要旨)生成AIをはじめとする人工知能システムは、伝統的な民主主義的規範に挑戦する形で公共圏を再形成しつつある。AIが生成するコンテンツの急速な普及は、個人が自律的な合理的プロセスを通じて信念を形成する能力(認識論的自律性)に深刻な問いを突きつけている。市民がアルゴリズムによって選別された情報環境に置かれるとき、その熟議能力は静かに損なわれ、民主的正統性の基盤が揺らぐ可能性がある。既存の法制度は、人間のアクターを前提に設計されており、自律的なシステムへの対応が遅れている。公共的議論や司法運営に影響を与えるAIの意思決定に対して、透明性・説明可能性・実効的な人間の監督を求める「アルゴリズム的アカウンタビリティ」という新たなパラダイムが必要とされている。

課題文②

生成AIの急速な普及は、民主主義社会における「情報の非対称性」という問題を根本から問い直す契機となっている。従来、情報の非対称性は専門家と一般市民の間に生じるものとして論じられてきたが、AIの登場によって、個人とプラットフォーム事業者・開発者との間に新たな非対称性が生まれている。とりわけ問題となるのは、AIによるディープフェイクや虚偽情報の自動生成が選挙過程に介入するリスクである。この問題に対し、日本の現行法は十分に対応できていない。刑法上の名誉毀損・偽計業務妨害の規定は個人の被害を念頭に置いており、民主主義的プロセス全体を守るための規定としては機能しにくい。公法・私法の双方を横断する新しい規制枠組みの構築が急務である。(出典:スカイ予備校作成・仮想資料)

設問

問1:課題文①において、”algorithmic accountability”とはどのような概念として提唱されているか。課題文①の内容に即して400字程度で説明しなさい。

問2:課題文①および課題文②の内容を踏まえ、生成AIが民主主義と法秩序に与える影響とその規制のあり方について、あなた自身の見解を1000字程度で論じなさい。

予想問題 解答例(問2)

 生成AIの急速な普及は、民主主義的秩序と法的責任の双方に対して根本的な再考を迫っている。課題文①が指摘するように、アルゴリズムによって選別・生成された情報が公共圏を席巻するとき、市民の「認識論的自律性」は静かに蚕食される。課題文②はこれに加え、日本の現行法がAIによる民主主義への介入に対して構造的に脆弱であることを指摘する。これらの問題意識を踏まえ、私は二つの観点から規制のあり方を論じたい。

 第一に、表現の自由との緊張関係を踏まえた上での「透明性規制」の導入が不可欠である。課題文①の言う「アルゴリズム的アカウンタビリティ」は、AIによるコンテンツ生成や情報配信のプロセスを不透明なブラックボックスのままにしないことを求める。しかし、AI開発企業の営業秘密への配慮や技術的複雑性を考えると、すべてのアルゴリズムを公開することは現実的ではない。そこで、選挙・司法・医療など公益性の高い領域に限定し、第三者機関による定期的な監査と説明義務を課す「限定的透明性規制」が現実的かつ有効な方策といえる。

 第二に、課題文②が指摘する「公法・私法横断的な規制枠組みの構築」という方向性は正しいが、その実現にあたっては国際的な協調が不可欠である。AIプラットフォームは国境を超えて機能するため、一国の規制だけでは実効性を持ちにくい。EUのAI規制法(AI Act)に代表されるような国際的な規制標準との整合性を図りながら、日本独自の民主主義的価値観を反映したルール形成に積極的に参与すべきである。

 一方で、過度な規制がイノベーションを阻害し、結果として民主主義の発展に寄与するAIの恩恵を損なうリスクも軽視できない。重要なのは、規制の目的を「AIの排除」ではなく「人間の自律的な熟議能力の保護」に置くことである。AIはあくまで道具であり、それをいかに民主主義的な価値と整合させるかは、最終的には立法・司法・市民社会の協働によって決定されるべき政治的問題である。

 以上より、生成AI規制において求められるのは、透明性・説明責任・国際協調を柱としつつ、人間の熟議能力を守ることを核心に据えた、多層的かつ柔軟な法的枠組みの構築である。このような枠組みこそが、AIと民主主義の共存を可能にする基盤となると私は考える。

スカイ予備校からのアドバイス

京都大学法学部の特色入試は、「考え抜く知性」を持つ学生を求めています。英文読解・哲学的思考・論理的文章表現の三つを高い次元で統合しなければ突破できない、日本最難関クラスの小論文試験です。スカイ予備校では独自のSKYメソッドによって、複数課題文の統合・自己見解の論理構成・採点者を動かす文章表現技術を体系的に習得できるプログラムを提供しています。一人で悩まず、ぜひ私たちと一緒に合格答案を作り上げていきましょう。まずはLINE登録から始めてください。


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