共通テストにおいて「公共・倫理」という科目は、単なる知識の暗記では太刀打ちできない、いわば“現代社会の羅針盤”を読み解く力が試される舞台です。
「抽象的な概念を理解し、それを現実の問題に応用できるか?」これこそが、皆さんが試されているポイントです。
今この瞬間も、AI、格差、多文化共生など、現代社会には無数の課題が存在しています。それに対して、カントやミル、ロールズといった先人たちの思想を“知っている”だけでなく、“使える”かどうか。ここが大きな差を生むのです。
本記事では、共通テストの公共・倫理で90点以上を取るために必要な、「思考力」「読解力」「知識の運用力」を、具体的な学習法に落とし込みながら丁寧に解説していきます。
ぜひ最後まで読み進めて、得点力をグンと引き上げるヒントをつかんでください。

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴27年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
2020年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となる。過去3年間で国公立大学合格85名。
高1から入会者は国公立大学合格率93%
高2から入会者は国公立大学合格率86%
高3の4月から入会者は国公立大学合格率73%。
スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
第1章:出題傾向と設問形式の理解
- 思考力重視の出題にシフト
近年の共通テストでは、単純な暗記問題から脱却し、与えられた資料を読み取り、論理的に考える問題が主流。抽象概念を現実社会に応用できる力が必要です。 - 設問形式のパターンを理解せよ
資料読解型・倫理的問題解決型・概念応用型・思想家対比型など、設問の形式を押さえることで対応力が格段に上がります。 - 配点と時間配分のバランス
試験時間は60分、大問4〜5問、設問数25〜30。1問あたり2分以内で解くスピード感が問われます。 - 平均点と高得点層の差は“読み取り力”
9割を狙うには、資料問題や応用的な設問で“間違えない技術”を身につける必要があります。
第2章:思想と社会課題のつなげ方
- 思想家の知識を“道具”として使う
ベンサム、ミル、ロールズ、カント…その考え方が現代社会の問題にどう活かせるかを考えることで、知識は生きた力になります。 - 頻出の社会課題と結びつける
AI、環境、格差、宗教といった現代的テーマに対し、倫理的アプローチを繰り返し練習しましょう。 - “問いに使える知識”へと変換する
どの問いに誰の思想が当てはまるのか。整理しておくことで、本番での引き出しが速くなります。 - 思考を“言語化”して鍛える
なぜその選択肢なのか、なぜ他は違うのか。常に自分の言葉で説明できるようにしておくことが重要です。
第3章:実戦的な演習と答案の精度向上
- 過去問演習は“理由”までセットで
正解・不正解の理由を言語化し、自分の思考プロセスを明確にすることで再現性が高まります。 - テーマ別演習で弱点を可視化
思想家・概念・社会課題の3分類で整理し、抜け漏れを防ぐ学習を。 - 模試の復習は“試験シミュレーション”
単なる点数確認ではなく、判断の根拠・時間配分の感覚を磨くツールとして活用しましょう。 - 根拠を持って選ぶ習慣を日常に
思考力を問う試験では「なんとなく」は通用しません。普段から根拠をもとに答える練習を積みましょう。
まとめ:9割を超えるために必要な“知の運用力”
公共・倫理は、受験にとどまらず、社会に出てからも通用する「思考力」の訓練の場です。
正解を知っているだけではダメ。「使える知識」に変換し、「論理的に答えを導く力」が本質的に問われています。
覚えるだけで終わらず、問いに対して自分の頭で考えること。
それが9割という目標を現実のものにする最大の武器になるのです。