富山県富士市に本部を置く国立大学、富山大学。
その芸術文化学部は実技(デッサン)なしで受験することも可能な
芸術系の学部として知られています。
一方、受験に求められるレベルは高く、準備不足の状態や、
気まぐれで受験して合格する大学では決してありません。
富山大学芸術文化学部に興味のある受験生の方は
この記事を参考に対策を始めてください。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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富山大学芸術文化学部はオープンコース方式に変更
富山大学芸術文化学部は、令和4(2022)年度からオープンコース方式を
実施しています。
まずはこの特徴的な「オープンコース方式」からみていきましょう。
令和4年度からオープンコース方式を実施
このオープンコース方式とは、一部の例外を除いて
学部のすべての授業を履修することができるというものです。
多くの大学においては他学科や他コースの授業は
仕組み上履修することが不可能だったりハードルが高かったり
することが多いのが一般的です。
オープンコース方式によって
「自分の興味ある分野をとことん突き止める」というスタイルや
「幅広い分野を少しずつ履修する」というスタイルなど、
学生一人ひとりの興味関心に応じた学びが実現できるのです。
他の領域の授業が履修できる仕組みを採用している大学は少なく、とても貴重な仕組みです。
幅広い教養・専門を身につけることができるのはもちろん、
色々な授業を経験することは貴重な人脈も広がる機会となりうるでしょう。
6つの専門領域を横断的に学ぶ
オープンコース方式によって幅広い分野を自由度高く履修できる富山大学芸術文化学部。
その6つの専門領域を確認しましょう。
富山大学芸術文化学部には下記の6つの専門領域があります。(順不同)
◎美術領域(日本画、油画など)
◎工芸領域(金属工芸、漆工芸など)
◎デザイン領域(ビジュアルデザイン、プロダクトデザインなど)
◎建築領域(建築設計、建築再生、インテリアデザインなど)
◎キュレーション領域(地域資源の活用、アートの理論と活用など)
◎複合領域(芸術と工学、身体芸術など)
それぞれの領域をみると、音楽の実践(楽器の演奏や合唱、指揮など)を除く
芸術に関わるほぼすべての分野が専門的に学べることが分かります。
富山大学芸術文化学部の受験の特徴
富山大学芸術文化学部には複数の選抜が用意されています。
実技か小論文かを選択可能
富山大学芸術文化学部の選抜には、
特別選抜/学校推薦型選抜、
帰国生徒選抜、
社会人選抜、
そして一般選抜があります。
全ての選抜において、実技(鉛筆デッサン)と小論文を選べるのは
富山大学芸術文化学部の大きな特徴です。
まず、一般選抜を除いた選抜は合わせて、下記の募集区分aと募集区分bに分けられます。
●一般選抜以外の選抜
◎特別選抜/学校推薦型選抜、帰国生徒選抜、社会人選抜
◯募集区分a(20名募集):実技検査[100点](鉛筆デッサン3時間)と
面接[100点]
◯募集区分b(15名募集):小論文[100点]と
面接[100点]
一般選抜以外の選抜では課外活動や社会人経験といった能力をみるために面接が課されています。
学校推薦を得るのは付け焼き刃の努力では不可能です。
授業・試験の成果はもちろん、生活態度、課外活動への取り組みなどを
総合的に判断されるからです。
一般選抜では共通テストも必要
高校現役生を始め最も多くの受験生が選択するのが一般選抜でしょう。
一般選抜は前期日程と後期日程の二つが実施されます。
そして前期後期それぞれ「募集区分a」と「募集区分b」があり、
合計で4つの募集区分があることが分かります。
全てにおいて大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の受験が必須です。
●一般選抜
◎前期日程
◯募集区分a(25名募集):共通テスト[500点](3教科3科目 または 3教科4科目)と
実技検査[500点](鉛筆デッサン3時間)
◯募集区分b(30名募集):共通テスト[800点](5教科6科目 または 5教科7科目)と
小論文[200点]
◎後期日程
◯募集区分a(10名募集):共通テスト[400点](2教科2科目 または 2教科3科目)と
実技検査[400点](鉛筆デッサン3時間)
◯募集区分b(10名募集):共通テスト[600点]
(3教科3科目 または 3教科4科目 または 2教科3科目)と
小論文[300点]
国立大学ということもあり、一般選抜において共通テストが課されています。
しかし、受験科目は比較的自由度高く選べる事がわかります。
デッサン未経験でも芸術系を目指せる!
富山大学芸術文化学部の大きな特徴はデッサン未経験でも選抜に挑戦できるということです。
芸術系の学問に興味はあるのだがデッサンが苦手という方、
芸術系の受験をぎりぎりまで迷っていてデッサン対策が充分にできなかったという方にも
広くチャンスがあります。
富山大学芸術文化学部の偏差値は高い!
富山大学芸術文化学部は、数少ない国立の芸術系学部ということもあり偏差値は高めです。
概ね、54〜62くらいの偏差値が算出されます。
偏差値が高く難易度は高め!
デッサンや小論文という特殊な選抜方法ということもあり
偏差値で一概に測ることができるものではありませんが、
富山大学芸術文化学部は概ね、54〜62くらいの偏差値が算出されます。
簡単に合格できる大学では決してないことが分かります
富山大学芸術文化学部に限った話ではありませんが、
一般に後期日程の方が難易度が高くなることが多いです。
受験方法を早めに決めることが重要
デッサンも小論文も、その力や数日間や数週間という短い期間で身につくものではありません。
更に共通テストが課される選抜を選ぶ場合、複数の科目において安定して点を得られる
実力が必要です。
小論文やデッサン(特にデッサン)を指導できる学校の教員や塾講師は少ないのが現実です。
特にデッサンを選択する場合芸術系大学受験を専門とする画塾に通う必要があるかもしれません。
少しでも芸術系大学受験を考えているのであれば、
学校の進路指導の先生、美術の先生、塾講師、そして保護者と相談をしましょう。
まとめ
富山大学芸術文化学部について紹介しました。
数少ない国立大学の芸術系学部で、更に実技を課されない選抜方法もある珍しい学部です。
学校にもよりますが、芸術系の大学を目指す受験生は少ないかもしれません。
同じ分野に興味を持ち、情報交換ができる、切磋琢磨する仲間を作るのも有効です。
※この記事に記された情報は、2023年7月時点での情報に基づいたものです。
対策の際には、必ず大学の公式サイトやパンフレットなどから最新の情報を確認してください。