2024年度 東京都立国立高校入試【国語】をポイント解説!(問題と解答のリンク付き)

高校入試

2024年度東京都立国立高校の入試では、漢字の読み・漢字の書き取り・文学的文章・論理的文章・論理的文章(古文含む)の5題構成になっています。

↓解答はコチラ

https://www.metro.ed.jp/kunitachi-h/guide/test.html

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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大問1(漢字の読み)

〈解説〉

「反物」・「統轄」・「煩(い)」・「万障」・「片言隻語」の読みが出題。

大問2(漢字の書き取り)

〈解説〉

「不世出」・「通底」・「元手」・「序破急」・「海千山千」の書き取りが出題。

大問3(文学的文章)

川端裕人『てのひらの中の宇宙』からの出題です。

〈解説〉

〔問1〕理由説明(選択肢)

傍線部直前の「へえ、結構、生き物に興味津々なのか」が答え。また、傍線部直後の「仕事の忙しさにかまけて、息子の興味を刺激してやることを怠ってきた気がする」も押さえよう。

〔問2〕内容読解(選択肢)

「気がついたら」「靴のまま池の中にいた」ことを「大人げなく夢中になってしまった」と表現している。しかし一方で、「小さな池」に「生き物が豊か」に存在することに気づいたことを、「それだけのことはあった」と言っている。後者の内容が正しく書けているのはエだけである。

〔問3〕内容読解(選択肢)

傍線部の「さらに」に注目しよう。

い出した矢先、「カメ」という言葉をきっかけに、「ぼく」は「昔のこと」を思い出し、「甘酸っぱい気分がさらにあふれ出して」きたのである。

〔問4〕内容読解(選択肢)

傍線部の「またも」に注目しよう。

「ぼく」は「希少な野生種のリクガメに出会」って「鼓動が次第に高まって」いたが、そこにさらにミライがカメを捕まえていたことを知り、驚いたのである。

前者の内容を押さえているのはイとエ。イは後半が不適。

〔問5〕内容読解(選択肢)

アは、「父親と探していた希少生物と出会えた」が誤り。「アカミミガメ」は「希少生物」ではない。イは、「落ち着いた気持ちになっている」が誤り。傍線部の「晴れ晴れとした顔つき」という描写に合わない。

エは、後半が本文からは読み取れない。

〔問6〕

[ⅰ]表現把握(選択肢)

1、「子どもっぽいかわいらしい言葉遣いを表現している」・「話し言葉の使い方もとってもかわいい」がヒント。ただし、オが切れるくらいでなかなか選択肢を減らせない(勇気をもてばウやエもきれる)。

2、「のろい動作で、不意に目の前に表れる様子」をどのように表現できるか考える。ここで一気にイに絞れる。

3、長音を用いることで、本来は不気味に思える表現が緩和されると述べている。

[ⅱ]表現把握(抜き出し)

本文を読む前に設問に目を通す習慣をつけておくと対応しやすい。先に本文を読んでしまうと、もう一度頭から探すことになる。

隠喩は、表現上「ような」を用いない比喩のことを指す。

大問4(論理的文章)

河野哲也『人は語り続けるとき、考えていない』からの出題です。

〈解説〉

〔問1〕内容読解(選択肢)

まずは哲学対話の姿勢を押さえよう。「哲学対話で重要とされるのは、相手の話を傾聴して~変える姿勢でいること」である。これを正しく書けているのはウのみ。

あとは、ウの前半が本文の内容と合致しているかを確認すればよい。

〔問2〕内容読解(抜き出し)直前を参照しよう。

「できる限り広い範囲の多様な視点から、問題を考えようとする」ことで、「自分の意見が自覚のないままに狭い前提や限られた文脈から出ていることを知り、他の考え方の可能性もあることを理解する」のである。

〔問3〕理由説明(選択肢)

理由説明問題ではあるが、実質は傍線部の言い換えが問われている。

「多様な定義の候補が出される」から「ひとつの決定的な定義に至ることは難しい」という内容の言い換えができているのはアである。

その他の選択肢はいずれも本文の内容に合わない。

〔問4〕内容読解(選択肢)

傍線部4がある段落の内容を正しく読めているかが問われている。

アは、「同じ考えを持つ人」が誤り。様々な意見を持った人が対話には参加する。

ウは、「対話の細部に焦点を当て、特定の分野を深く掘り下げる」が不適。対話では、「あらゆる意見が相対化される」。また、「互いの存在の大切さに気づくようになる」は本文にない内容。

エは、「参加者の意見をまとめるために」が誤り。また、「対話を重ねる重要性を意識する」も本文にはない内容。

〔問5〕作文(200字記述)

設問の指示を読み落とさないようにしよう。「筆者の主張の意図を踏まえて」とあるので、「あるものは、これまでとは異なった関連性や文脈、~これまでとは異なった価値づけがなされること」に該当する例を書く必要がある。

〔問6〕理由説明(選択肢)

傍線部直前の、「成長の過程が、次の段階を自主的に生み出す」を押さえよう。

対話の目的とは、「新しさを生み出すこと」であるが、それは対話をしている間に次々と「更新」されるものだというのである。

〔問7〕論の展開(選択肢)

傍線部1に着目すれば、最初に「哲学対話と他の対話との違い」が述べられていることがわか る。アとエは本文にないことを述べているので誤り。イはなんとか残せるが、「自分の信念を守ることの重要性」が傍線部2に反するので誤り。

大問5(論理的文章+俳句)

久保田淳『藤原俊成』からの出題です。

〈解説〉

〔問1〕内容読解(選択肢)

傍線部直後に、「彼の歌の読みがきわめて周到で、古代から近い時代までのおびただしい数の和歌に精通していたことを想像させるに十分なもの」と評されている。

さらに、傍線部4を含む一文に注目しよう。「俊成は、古い名歌を巧みに取ることはよいという『古き人』の考えを尊重しつつも、それは慎重になされなければならないと考える一方で、~古代的な雰囲気を取り込むことには、積極的な姿勢を示そうとしていた」とある。

〔問2〕内容読解(選択肢)

後ろの「風体は幽玄、詞義は凡俗にあらず」(歌としての姿は奥深く感じられて趣があり、歌の句が意味することも平凡ではない)に注目すると、「幽玄」は「奥深く感じられて趣があ」ることだとわかる。

〔問3〕内容読解(選択肢)

左の歌は「風体は幽玄、詞義は凡俗にあらず」と評価している一方、見立てに無理があると批判している。

右の歌は、技巧自体は認めつつも、主眼となる心情が深くなく、余韻が少ないと評している。最終的に、格調の高さにおいて左の歌が右の歌よりも勝っていると結論づけた。

〔問4〕理由説明(選択肢)

解答の中心は、傍線部3の次の段落にある「古歌の趣向や表現を取り入れながら自身の歌を創出することの難しさは、多くの歌人が考えさせられる問題であった」である。

〔問5〕内容読解(選択肢)

オは、本文の最後に述べられている、「師として仰いだ基俊の影響も考えられる」に合致しない。

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