早稲田大学国際教養学部(School of International Liberal Studies、通称SILS)は、2004年に設立された比較的新しい学部でありながら、今や早稲田大学の看板学部の一つとして高い人気を誇っています。グローバル社会で活躍できる人材育成を目指し、全授業を英語で実施するという画期的なカリキュラムが特徴です。
本記事では、早稲田大学国際教養学部を目指す受験生の皆さんに向けて、偏差値、入試制度、倍率、カリキュラムの特色、就職実績、キャンパス情報、在学生・卒業生の評判まで、あらゆる角度から詳しく解説していきます。
早稲田大学国際教養学部の基本情報
早稲田大学国際教養学部は、「国際社会において自由で公正な社会を実現するための志を持ち、英語によって情報発信できる人材、そして幅広い教養を備えた人材を育成すること」を教育理念として掲げています。
21世紀のグローバル化が急速に進む中、異文化理解能力と高度な英語運用能力を併せ持つ人材への社会的ニーズに応えるべく開設されました。全ての授業が英語で行われるという日本の大学では珍しい教育システムを採用しており、国内にいながら留学に近い環境で学べる点が最大の魅力です。
さらに、2年次秋学期からは海外協定校への1年間の留学が必修となっており、4年間で卒業できる仕組みが整備されています。この必修留学制度により、学生全員が実際の国際環境で学ぶ機会を得られることが、他学部との大きな差別化要素となっています。
早稲田大学国際教養学部の偏差値について
早稲田大学国際教養学部の偏差値は67.5と、早慶上智の中でも最難関クラスに位置しています。同じ早稲田大学内で比較すると、政治経済学部や法学部と同等かそれ以上の難易度であり、私立大学全体で見ても最上位グループに属します。
類似の国際系学部と比較した場合、以下のような位置づけになります。
- 早稲田大学国際教養学部:67.5
- 上智大学国際教養学部:65.0~67.5
- 慶應義塾大学SFC(総合政策・環境情報):70.0
- 国際基督教大学(ICU):67.5
この偏差値の高さは、英語による授業と必修留学という特色あるカリキュラムへの人気の高まりと、グローバル人材への社会的ニーズの増加を反映しています。近年の国際化志向の高まりにより、志願者数は年々増加傾向にあり、競争はますます激しくなっています。
早稲田大学国際教養学部の入試倍率
早稲田大学国際教養学部の2019年度入試における倍率データは以下の通りです。
一般入試
- 志願者数:2,247名
- 合格者数:325名
- 倍率:5.4倍
一般入試の倍率は5.4倍と、早稲田大学の中では標準的な水準です。ただし、偏差値が高いため、合格するためには相当な学力が求められます。
大学入学共通テスト利用入試
- 志願者数:747名
- 合格者数:63名
- 倍率:11.9倍
共通テスト利用入試の倍率は11.9倍と非常に高く、最難関の入試方式となっています。5教科7科目で高得点を取る必要があり、国公立大学志望者との競争も含まれるため、極めて厳しい戦いとなります。
総合型選抜(旧AO入試)
- 志願者数:670名
- 合格者数:153名
- 倍率:4.0倍
総合型選抜の倍率は4.0倍と、一般入試よりもやや低めです。ただし、書類審査とCritical Writingという独特の試験形式のため、十分な準備と対策が必要です。
英語による学位取得プログラム入試
- 志願者数:133名
- 合格者数:83名
- 倍率:1.6倍
英語による学位取得プログラム(September Admissions)の倍率は1.6倍と比較的低めですが、これは海外在住者や帰国生など限られた受験資格者を対象としているためです。
指定校推薦入試
- 募集人数:若干名
- 合格者数:29名
- 倍率:非公開
指定校推薦は限られた高校にのみ推薦枠が与えられるため、倍率は公表されていません。
早稲田大学国際教養学部の入試制度詳細
早稲田大学国際教養学部への入学ルートは多様化しており、受験生の状況に応じて最適な方式を選択できます。
一般入試の詳細
試験科目と配点
- 外国語(英語):85点
- 国語:50点
- 地理歴史・数学(選択):50点
- 合計:185点
外国語の配点が最も高く、英語力が合否を大きく左右します。リスニング、読解、ライティングすべてにおいて高度な英語力が求められます。
試験の特徴 英語試験は記述式が中心で、長文読解だけでなく、エッセイライティングも課されます。TOEFL iBTやIELTSなどの外部試験で高得点を持っていることが有利に働く傾向があります。
国語は現代文のみで、古文・漢文は出題されません。ただし、論理的思考力や読解力を問う問題が中心です。
地理歴史・数学の選択科目では、世界史B、日本史B、政治経済、数学I・A・II・Bから1科目を選びます。国際的な視野を重視する学部の性質上、世界史を選択する受験生が多い傾向にあります。
大学入学共通テスト利用入試の詳細
試験科目と配点
- 外国語(英語、リスニング含む):250点
- 国語:200点
- 数学:100点
- 地理歴史・公民:100点
- 理科:100点
- 合計:750点
5教科7科目が必要で、外国語と国語の配点が高くなっています。特に英語は250点と高配点のため、リスニングを含めて高得点を取ることが必須です。
一般入試との併願は可能ですが、他学部との併願はできません。国公立大学との併願を考える受験生にとっては魅力的な選択肢です。
総合型選抜(旧AO入試)の詳細
総合型選抜は、学力だけでなく国際性、思考力、表現力を総合的に評価する入試方式です。
選考プロセス
- 書類審査:志望理由書、活動報告書、推薦状などを総合評価
- 筆記試験(Critical Writing):与えられたテーマについて英語で論述
Critical Writingでは、単なる英語力だけでなく、論理的思考力、問題発見能力、独創性などが評価されます。国際的な問題に対する深い関心と自分なりの視点を持っていることが求められます。
指定校推薦入試の詳細
指定校推薦は、早稲田大学が指定した高校の学校長推薦を受けた生徒のみが出願できる制度です。
選考内容
- 一次選考:書類審査
- 二次選考:論述試験、面接試験
論述試験では英語と日本語の両方で課題が出され、面接では志望動機や将来の目標について深く問われます。
早稲田大学国際教養学部のカリキュラムの特色
早稲田大学国際教養学部のカリキュラムは、「7つの学問領域」と「3段階の学習プロセス」という二つの柱で構成されています。
7つの学問領域
国際教養学部では、以下の7つの学問領域から幅広く学ぶことができます。
- 哲学・思想・歴史
- 経済・ビジネス
- 政治・国際関係
- 文学・芸術
- コミュニケーション・メディア
- 社会学・人類学
- 科学・技術・環境
専攻を決める前に、これらの領域を横断的に学ぶことで、多角的な視点と幅広い教養を身につけることができます。
3段階の学習プロセス
第1段階:テーマの探求と語学力の習得(1年次) 入学後は、多彩な教養教育科目の中から興味のある科目を自由に履修し、自分の研究テーマを見つけていきます。同時に、Academic Englishの集中的なトレーニングを受け、大学レベルの学問に必要な英語力を徹底的に鍛えます。
第2段階:海外留学での学びの深化(2年次秋~3年次春) 2年次の秋学期から1年間、世界各国の協定校に留学します。アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、シンガポール、香港など、約90校の協定校から自分の興味や目標に応じて留学先を選択できます。
留学先では、現地の学生と共に専門科目を履修し、異文化環境での学びを深めます。この経験を通じて、語学力の向上だけでなく、国際的な視野と異文化適応能力を養います。
第3段階:研究成果の深化とキャリア形成(3年次秋~4年次) 帰国後の1年半は、留学で得た経験と問題意識を基に、専門分野の研究をさらに深めていきます。ゼミに所属して卒業論文・卒業研究に取り組み、4年間の学びの集大成とします。同時に、就職活動やキャリア形成に向けた準備も行います。
柔軟な履修システム
国際教養学部では、学生の主体性を尊重する柔軟な履修システムが特徴です。決まった専攻やコースはなく、7つの学問領域を自由に組み合わせて学ぶことができます。自分の興味や将来の目標に応じて、オリジナルのカリキュラムを組み立てることが可能です。
早稲田大学国際教養学部の就職実績
卒業後の進路(2018年度データ)
- 卒業者総数:634名
- 進学者総数:46名(約7.3%)
- 就職者総数:486名(約76.7%)
- その他:102名
進学者の多くは、海外の大学院や国内トップ大学院に進学しています。ハーバード大学、コロンビア大学、ロンドン大学などの海外名門大学院への進学実績も豊富です。
主な就職先企業
2018年度の卒業生の主な就職先は以下の通りです。
金融・銀行
- 三井住友銀行
- 三菱UFJ銀行
- みずほフィナンシャルグループ
商社
- 三井物産
- 伊藤忠商事
- 丸紅
- 双日
IT・情報通信
- 楽天
- ソフトバンク
- リクルート
- アクセンチュア
メーカー
- 日産自動車
- パナソニック
- ソニー
- トヨタ自動車
小売・サービス
- ファーストリテイリング(ユニクロ)
- 三越伊勢丹
- 資生堂
コンサルティング
- アクセンチュア
- デロイトトーマツコンサルティング
- PwC
業種別就職状況(2018年度)
- 専門サービス(コンサルティングなど):18.1%
- メーカー:16.7%
- 情報通信:16.0%
- 商業(商社・小売):13.5%
- 金融:10.9%
- マスコミ:7.7%
- 旅行・運輸:5.3%
- 公務員:3.0%
- その他:8.8%
専門サービスや情報通信など、グローバル展開している企業への就職が多いことが特徴です。また、英語力と国際経験を活かして、海外駐在や海外部門への配属を希望する卒業生も多く見られます。
早稲田大学国際教養学部で取得可能な資格
国際教養学部で取得可能な資格は以下の通りです。
教員免許
- 中学校教諭一種免許状(英語)
- 高等学校教諭一種免許状(英語)
その他の資格
- 学校図書館司書教諭
- 博物館学芸員
英語教員を目指す学生にとっては、ネイティブレベルの英語力と海外経験を持った教員として、大きなアドバンテージとなります。
早稲田大学国際教養学部のキャンパス情報
国際教養学部の学生は、4年間を通じて早稲田キャンパスで学びます。
住所 東京都新宿区西早稲田1-6-1
主要駅からのアクセス
- 東京メトロ東西線「早稲田駅」から徒歩5分
- 東京メトロ副都心線「西早稲田駅」から徒歩17分
- 東京さくらトラム(都電荒川線)「早稲田駅」から徒歩5分
- JR山手線・西武新宿線「高田馬場駅」から徒歩20分
- 都バス(学02系統)高田馬場駅~早大正門
早稲田キャンパスは、東京の中心部に位置しながらも緑豊かな環境が整っており、学生生活に最適な立地です。キャンパス内には図書館、カフェテリア、国際交流ラウンジなど、学習とコミュニケーションのための施設が充実しています。
特に国際教養学部の学生が利用する「11号館」は、最新の設備を備えた建物で、グループワークやディスカッションに適した学習スペースが多数用意されています。
早稲田大学国際教養学部の評判・口コミ
実際に国際教養学部で学んだ在学生や卒業生からは、どのような評価が寄せられているのでしょうか。
高評価のポイント
英語力が飛躍的に向上する環境 「入学時はネイティブの教授の授業についていくのに必死でしたが、1年間で驚くほど英語力が伸びました。ディスカッションやプレゼンテーションの機会が多く、実践的な英語が身につきます」(卒業生・女性)
「必修留学があることで、4年間で卒業できるというプレッシャーが良い意味で働き、1・2年次に集中して勉強できました。留学後は英語が本当に武器になりました」(4年生・男性)
多様な学生との交流 「帰国子女、留学経験者、海外からの留学生など、バックグラウンドが多様な学生が集まっているので、キャンパスにいるだけで国際的な環境を体験できます」(3年生・女性)
自由度の高いカリキュラム 「決まった専攻がなく、興味のある分野を自由に学べるのが魅力です。私は経済学と国際関係を組み合わせて学び、グローバルビジネスについて深く研究できました」(卒業生・男性)
注意すべきポイント
学習量の多さ 「全て英語での授業なので、予習復習に時間がかかります。課題も多く、遊ぶ時間はあまりありません。本気で勉強する覚悟が必要です」(2年生・女性)
学生間の語学力の差 「帰国子女やインターナショナルスクール出身者が多く、入学時の英語力に差があることは事実です。ただし、努力次第で十分キャッチアップできます」(卒業生・男性)
留学費用の負担 「必修留学は魅力的ですが、留学先によっては費用が高額になります。奨学金制度もありますが、経済的な準備は必要です」(3年生・男性)
まとめ:早稲田大学国際教養学部を目指すあなたへ
早稲田大学国際教養学部は、偏差値67.5という高い学力水準を求められる一方で、グローバル社会で活躍するための実践的な力を確実に身につけられる学部です。
全授業英語実施、必修留学、柔軟なカリキュラムという三つの特色により、国内にいながら世界レベルの教育を受けることができます。就職実績も優れており、グローバル企業や専門職への道が開けています。
受験を考えている方は、まず高い英語力を身につけることが最優先です。TOEFL iBTやIELTSなどの外部試験で高得点を目指すとともに、日頃から英語のニュースや学術論文に触れて、アカデミックな英語に慣れておくことをおすすめします。
また、総合型選抜を視野に入れている方は、国際的な問題に対する自分なりの視点や意見を持つことが重要です。ボランティア活動、留学経験、国際交流活動などを通じて、グローバルな視野を広げておくと良いでしょう。
早稲田大学国際教養学部での4年間は、決して楽な道のりではありませんが、その分得られるものは計り知れません。グローバル社会のリーダーとして活躍したいという強い志を持つ皆さんの挑戦を、国際教養学部は待っています。



