2024年度宮城県立高校入試では、漢字の読み書き+知識問題・実用的文章・文学的文章・論理的文章・古文・作文の6題構成になっています。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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大問1(漢字の読み書き+知識問題)
〈解答〉
問一、①つつ ②す ③りんかく ④垂 ⑤綿密 ⑥仲裁
問二、簡潔
問三、エ
〈解説〉
問一、漢字の読み書き(記述)
「包(む)」・「据(える)」・「輪郭」の読みと、「垂(らす)」・「綿密」・「仲裁」の書き取りが出題。
問二、漢字の誤字(記述)
「完結」を「簡潔」に直す。
問三、行書(選択肢)
aは、さんずいを連続して書いているので、点画の連続。画数が減っているわけではないので、点画の省略ではない。
bは、筆順が変わっている。
大問2(実用的文章)
〈解答〉
問一、ア
問二、ウ
問三、取り組むのであれば
問四、イ
問五、エ
問六、ずれてしまった論点を元に戻す
〈解説〉
問一、発言の趣旨(選択肢)
Aさんは、「アンケートがさらによいものになるよう、改善点を挙げてい」くことを発言し、話し合いの方針を定めている。
問二、内容読解(選択肢)
著作物の改変は、無断でしてはならないのでア・エは不適。
「出典」は下に「する」を伴わないので、②には「引用」があてはまることがわかる。
なお、③に違和感なくあてはまるのは「出典」しかないので、そちらから考えてもよい。
問三、表現の訂正(記述)
「取り組むんだったら」という話し言葉を「取り組むのであれば」という書き言葉に直す。
問四、発言の意図(選択肢)
「頻度」という言葉を、平易な表現である「回数」に改めることを提案している。
問五、発言の役割(選択肢)
Cさんは「記述を取り入れるという考えに賛成」しているが、回答の整理が難しいという問題点を指摘したうえで、改善案を述べている。
問六、発言の意図(15字記述)
話の論点が「選択肢の表現」に移ってしまったので、元々の論点であった「質問の形式」に戻そうとしている。
大問3(文学的文章)
鈴村ふみ『大銀杏がひらくまで』からの出題です。
〈解答〉
問一、ウ
問二、
(一)腕も気立て
(二)男性が髪を結う仕事に就くと、変な目で見られ、からかわれる
問三、ア
問四、いくらなんでも先走りすぎだ
問五、床山の仕事に矜恃をもち、床山になりたいと唐突に言い出した自分にも誠実に向き合う床芝に師事しようと考えたから。
〈解説〉
問一、内容読解(選択肢)
解答の中心は、「変なこと」を言ったこと、である。
「若関だけでなく床芝のことも、靖成はほとんど知らない」のに、「あの人が変わったのは、床芝さんのおかげでもあるんじゃないかって、思うんです」と口にしている。
問二、
(一)内容読解(抜き出し)
空欄Aには、靖成が床山の仕事に惹かれた理由があてはまる。本文の「床山の仕事に惹かれたのは~」に注目しよう。
(二)内容読解(30字記述)
空欄Bには、以前床山の仕事への関心を捨てることになった理由があてはまる。
解答の中心は、「『変』とからかわれるのが嫌だ」であるが、これだけだと字数が余る。
「男性なのに髪を結ぶ仕事に就くの? みたいな、変な目で見られる」という部分を参考に、靖成が何を「変」だと考えているかを補足しよう。
問三、人物描写(選択肢)
イは、「床芝の相撲への深い愛情にあぜんとする靖成」が不適。ウ・エは、全体不適。
問四、心情理解(抜き出し)
深く考えもせず、いきなり床山になることを前提にした言葉が勝手に口から出てしまったことに、靖成は自分でも驚いている。
問五、理由説明(記述)
決意が固まったのは、床芝の「丁寧に書かれた字」を見たからである。
「床山になるには、どうしたいいんですか?」と不躾に尋ねた自分に対し、床芝は誠実に応えてくれたのである。
床山の仕事に「矜恃」をもち、誠実な床芝を靖成が師事しようと思ったことを書けばよい。
大問4(論理的文章)
布施英利『はじまりはダ・ヴィンチから50人の美術家を解剖する』からの出題です。
〈解答〉
問一、
(一)エ
(二)画風が似ている
問二、目の網膜に映ったまま、世界を光と色の点に分けた
問三、五感で感じる世界
問四、未知の脳の可能性をかたちにした芸術作品を通じて、自分の脳にも芸術家と同じ可能性があることを知った驚きと感動。
問五、ウ
〈解説〉
問一、
(一)内容読解(選択肢)
第1段落で、「問題なのは、人間は世界を『どう見ているか』ということ」だと述べられている。
(二)内容読解(抜き出し)
「このふたりの画家は、ほぼ同時代に活動したせいか、画風が似ている」と述べられている。
問二、内容読解(30字記述)
傍線部の直後に、「目のなかにある『網膜』に映った像を、そのままカンヴァスに描いた世界」と述べられているのを押さえる。
字数が余るので、モネが「世界を光と色の点に分解」して描いていることを補足しよう。
問三、内容読解(抜き出し)
モネが「『目』を徹底した画家」であったのに対し、セザンヌは「五感で感じる世界を、絵という視覚表現に集約」した画家であった。
問四、内容読解(55字記述)
傍線部の直前にある「それ」の指示内容を押さえる。
解答の中心は、「まだ知らなかった自分の可能性に出会って、そうしたものが自分のなかにあることを知る」こと、である。
この可能性は、「脳の可能性」のことを指す。
問五、論の構成(選択肢)
アは、「絵画についての問題を提起したあと」・「著名な芸術家の言葉を参照」が不適。イは、「美術史を整理している」が不適。
エは、「絵画の観察と~有効性を検証している」が不適。
大問5(古文)
〈解答〉
問一、たまいける
問二、イ
問三、エ
問四、鳴くのをやめることで春の終わりを決めている
〈解説〉
問一、現代かなづかいに(記述)
「給ひける」を「たまいける」に直す。
問二、表現技法(選択肢)
特定の語を導きだす五音の言葉を、「枕詞」という。
問三、和歌の解釈(選択肢)
うぐいすは春の季語。「春さり来れば」がヒント。
問四、和歌の解釈(25字記述)
「春はつい昨日終わったばかりなのに、うぐいすが決めているかのように」とあることがヒント。
大問6(作文)
〈解答例〉
グラフから、スマートフォン・携帯電話の影響力の大きさを読み取った。新聞などは半数近くの人が読んでいるように見えるが、「新聞」は、電子版も含まれていると書いてある。結局、電子版をみる媒体は、スマートフォン・携帯電話が多くなると考えられるからだ。 今後はウェアラブル端末の利用も増え、ますます電子化が進むことが予測されるが、私たちは今一度、紙媒体の新聞や本の重要性を認識すべきではないだろうか。