小論文のテーマになりやすい分野とは?頻出テーマの傾向と対策を紹介!

大学受験

この記事で、大学入試における小論文で出題されやすいテーマにフォーカスします。

一般入試や推薦入試、AO入試などで課される小論文は、受験生にとって対策がしにくい科目でもあります。

あなたが挑戦する学部や学科によく出されるテーマがある一方、あらゆる学部・学科で
出題されやすいテーマも存在します。

この記事では後者、あらゆる学部・学科で出題されやすいテーマに重きを置き選び、解説します。

小論文のテーマは各学部ことに傾向が異なる

学部・学科ごとに出題されやすいテーマがあるというのは
なんとなく想像がつくのではないでしょうか。

●文学部や文学科(人文学科や国文学科など)では、
古典的な作品の解釈や文学史、メディア批判になどについてが出題されやすいです。


古典的な作品から最新の作品に一通り触れておくことはもちろん、
あなたが面白いと感じる作品に対して普段から
「どうしてこの作品は面白いのだろう」
「なぜこの作品は高く評価されているのだろう」など、
批判的に作品をみることを意識しておくことをオススメします。

●社会学部や社会学科(現代社会学部など)では
最新の社会問題や政治経済のトレンド、
社会学に関する根本的な思想が問われることが多いです。


社会学系の大学を目指すのであれば
普段からニュースや新聞をチェックするのは必須と言えるでしょう。
余力があればぜひ社会学の古典的な著作にも挑戦してみてください。

●理系の学部(理学部、農学部や水産学部、医療系の学部など)では
科学技術の基本的な概念を問われるのはもちろんのこと、
その影響力や負の側面について議論することが求められます。


誤解してはならないのは、
「理系に進む人は計算だけできればよい」というわけではないことです。

科学や技術は良い面と悪い面の両方があります。
また、科学や技術が発達すれば発達するほど、
科学や技術で解決できない問題もでてきます。

医療倫理や環境問題、原子力をはじめとするエネルギー問題などはその最たるものでしょう。

理系に進みたい人ほど受験生のうちから「専門バカ」に陥らないよう気をつけ、
普段から社会の動きにアンテナを張っておくことをオススメします。

具体的にあなたが目指す大学・学部・学科がどのようなテーマを出題しているのかは
やはりまずは過去問を参照するべきでしょう。

それと同時に、あなた自身がどの様なテーマに面白さを感じるのか
探ってみてください。

五十嵐塾長
五十嵐塾長

ニュースや新聞に普段から触れておくことは有効です。
あまり興味がない分野も食わず嫌いをせず接してみてください。
思いがけない発見があるかもしれませんよ。

全学部で共通して取り扱われやすいテーマ4選

記事の冒頭では各学部や学科で出題されやすい特異なテーマについて述べました。

一方、どの学部学科でも出題されやすいテーマ、
言い換えれば「知っていて当然」「考えを持っていて当然」と
みなされているテーマも存在します。

特に、現代における社会の問題は「文系理系」というくくりが
不可能な性質を持つことが特徴として挙げられます。

もしあなたが受験のそのさきまで見越して
大学生活を有意義なものにしたい、
せっかく大学に進むならよい勉強・研究をしたい、

と少しでも考えているのであれば
「私は大学で文学を研究したいからエネルギーのことは知らなくて良い」
「私は大学でロボットの研究がしたいから歴史のことなんて知らなくて良い」
というような視野の狭い姿勢を持つことは推奨しません。

少子高齢化問題

今日の日本では、少子高齢化問題が深刻な社会問題として認識されています。

それには様々な理由がありますが、
少子化による働き手不足や
高齢者の社会保障負担増大、
文化や産業を継承する人がいないなど、
様々な課題が浮き彫りになっています。

少子高齢化の原因や影響、あなたが考える解決策について
考えておく必要があるでしょう。

その一方で
「子どもを産まないという選択肢は「悪いこと」なのか?」
「人口が増えることにだって悪い面があるのではないか?」
など、物事を多角的に、時には直感に反する見方をしてみましょう。

グローバル化問題

グローバル社会という言葉を定義するのは実はとても難しく、
明確な答えがあるものではありません。

議論する場や人によってどう定義するのか変わってきます。

しかし一般的に、
国や地域という垣根を世界単位で越えてモノ・カネ・ヒトがやり取りされる
社会のことを指します。


みなさんも外国に行ったり、外国の商品を買ったりした経験があるかもしれません。

パソコンやスマートフォンを使えば誰でも簡単に外国の情報にアクセスすることができます。

皆さんの周りを見渡しても「外国」が溢れているのではないでしょうか。

グローバル化には
・文化の交流が促進される
・外国の安い商品が手に入りやすくなる
・ビジネスの規模が大きくなる
といったメリットがあります。

一方でデメリットもあります。
・産業の空洞化
・優秀な人材が外国に流出する
・治安の悪化が懸念される
・国籍を理由とした不当な差別が存在する
といった問題はとても根深いものです。

「外国との交流」が当たり前になった今日こそ、
そのメリットとデメリットの両方について考えてみてください。

経済格差問題

経済格差は、今日ますます大きくなり続けている社会問題の一つです。
収入の格差や貧困、社会的地位の不平等などが顕著になっています。

特に新型コロナウイルスのコロナ禍においてそれが浮き彫りになったとも指摘されています。

例えば、世の中を回すのに絶対に必要な職業である
エッセンシャルワーカー(福祉、物流、インフラ、医療などの従事者)は
リモートワークができず感染の不安の中で働かざるを得ないのにも関わらず
賃金が低いという社会の矛盾が浮き彫りになりました。

更に、
「お金持ちの家庭に生まれた子しか金持ちになれない」
「生まれた場所によって受けられるサービスに違いが大きい」
といった声も聞かれ、「親ガチャ」などという言葉も生まれました。

格差が生まれるそもそもの原因やその解消方法、
社会的に不利な立場にある人達のためにするべきことを
議論することが重要です。

新型コロナウイルス関連問題

現在も影響が続いている新型コロナウイルスは
世界に極めて大きな影響を与えました。

医療や公衆衛生についてはもちろん、
経済、教育、文化など、様々な分野から考えることが可能です。

例えば東京を始めとする人口密集地域では病院の数が足りなくなる現象がおこりました。

コロナ禍による自粛により観光業は大きな打撃を受けた一方、
「おこもり需要」で潤った産業も存在します。

感染症対策として地域の行事や祭りを行うことができず、
文化の継承にも影響が及びました。

また、受験生の皆さんもオンラインで授業を受けるなどして、
その良い面悪い面を肌で感じたことと思います。

「新型コロナウイルス」は医療だけの問題ではないことは明らかです。
それを軸として、様々な角度から現象を考察しましょう。

小論文のテーマへの対策方法

各学部学科、そしてあらゆる学部学科で出題されやすいテーマを把握した上で、
小論文対策を実施することが重要です。

また、受験に小論文が課されない人も高校の授業の課題で小論文が出題されることも
あるかもしれません。

志望校の過去問を利用して出題傾向を分析する

小論文に限ったことではありませんが、あなたの志望大学の過去問をチェックするのは必須です。

過去問にチャレンジすることで、
その大学が重視するテーマや
問題の問われ方(賛否を問うのかオリジナルの意見を問うのかなど)を
把握することができます。

五十嵐塾長
五十嵐塾長

志望大学の過去問にチャレンジしたという経験は、強力な自信にもつながるはずです。

似たテーマの演習問題を行う

志望大学の過去問に挑戦することをオススメしましたが、
「志望大学以外の過去問」に挑戦することもオススメです。

特に、特定のテーマを軸に似たような問題を探すことが極めて有効な勉強方法です。

例えばあなたが環境問題に興味があったり、
あなたが志望する大学が環境問題についてよく出題するのであれば、
あらゆる大学から出題された環境問題に関する課題を集め、挑戦してみましょう。

同じテーマについても問われ方が違うことに気がついたり、
より立体的な考察ができるようになるはずです。

このような問題を探すには赤本といった過去問をチェックしてもよいですし、
小論文の問題だけを集めた参考書も存在します。

五十嵐塾長
五十嵐塾長

よい参考書がないかは進路指導の先生に相談したり、図書室を覗いたりしてみましょう。

まとめ

大学受験における小論文のテーマについて述べました。

あなたがどのような大学・学部・学科を受けるにせよ、
普段から色々なことにアンテナを張り、批判的に考えておくことが大切です。

その経験は、大学進学後、さらには大学卒業後にも
あなたを力強く支えてくれるはずです。

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