小論文の書き出しはパターンで覚える!迷わず書き始めるコツを知ろう!

高校入試

一部の高校入試(特に公立高校の推薦、私立高校など)で課される小論文。
明確な答えのあるテストとは違うこともあり苦手意識を持つ人も多いのではないでしょうか。

また、中学校においても普段の授業の課題として小論文が出されることもあり
内申点対策としても小論文の対策はしておくに越したことはないでしょう。


小論文には色々な「お約束」や「テクニック」があるのですが、
今回この記事でフォーカスするのは「書き出し」です。

書き出しは小論文の良さを左右する重要な要素なのです。

小論文、特に書き出しのコツを身に着け、小論文を得点源にしましょう。

小論文の書き出しで注意したいポイント!

小論文は、比較的自由な形式で書いて良い作文やエッセイよりもある程度形式があります。

「小論文の書き方が分かっていますよ」とアピールすることも大切なのです。

一方、もちろん内容も大切です。
書き方があっていたとしても、内容に魅力がなければ他の受験生と差が付きません。

この記事を参考に、書き方の作法を抑えつつ、
読者(=採点者)を引き込む魅力的な小論文を目指しましょう。

書き出す前に全体の構成を考える

小論文を書き始める前に、全体の構成を考えましょう。
その際は視野を「鳥の目」にして、全体を大きく見渡すのがコツです。

全体の構成を考えることで、説得力のある流れや、一貫した主張をすることができます。

そして、前提となる条件の提示や一般論、それに対する自分の意見、
持っていきたい結論をどこにもってくるかなど、小論文の全体像をイメージしましょう。

構成がきちんと出来ていてで論理的な論文は読みやすく、説得力があるものです。

小論文の書き出しは引用しすぎない!

小論文の書き出しで、何かの文章や誰かの言葉や引用をすることは
一つのテクニックとして良い手です。

しかし、引用にばかり頼ってしまっては、「引用した文章を紹介する文章」になってしまい、
あなた自身の意見や主張がぼやけてしまいます。

また、小論文は多くの場合400-800文字程度(原稿用紙1-2枚)という文字数の制限があります。

引用にスペースを割きすぎるのはもったいないと言えるでしょう。

五十嵐塾長
五十嵐塾長

小論文においては、あくまでのあなたの意見を作法にのっとって述べることが大切です。
「こんな言葉(引用した文章)があります」という説明文にならないように気をつけましょう。

小論文の書き出しは結論を簡潔にまとめる

小論文の書き出しにおいては、結論を簡潔に述べるのが原則です。

結論を簡潔にまとめるために、次の様な点に注意してみてください。

まず第一に、あなたの主張を明確にしましょう。
小論文のテーマや問いに対してあなたの意見や立場を明確にし、それを簡潔に示します。
中には白黒つけるのが難しい課題が(時としてわざと)与えられることもありますが、
その時は小論文だと割り切り、思い切った判断をしましょう。

第二に、結論を簡潔にまとめるために言葉遣いや表現にも気をつけましょう。
小説やエッセイならば、文学的な表現や工夫をこらした装飾も歓迎されます。
しかし、小論文においてはシンプルかつ明快な言葉遣いをすることが原則です。

第三に、余分な情報を省略することも有効です。
時間や文字数の制限がゆるいレポートなどでは、
少々脇道にそれた情報を提示したり、
知識の背景を提示したりすることで内容に厚みが出ます。

しかし、小論文においては主張や結論を端的にまとめることに焦点を当てましょう。

小論文の書き出しの3つのパターン

小論文の書き出しを工夫することで、次のようなメリットを小論文にもたらすことができます。

・自分の主張を明確に示す。
・これから述べる意見の個数を示す。
・読み手に「この小論文は読み応えがありそうだ!」と思わせる


逆に言えば、書き出しより後の内容が良いものであったとしても
書き出しがイマイチだと評価が不利になってしまいます。

自分の主張や考えを述べる

まず紹介するのは、あなたの主張や考えを端的に述べる方法です。

一般論になりますが、次のような書き方があります。

(例1)教育格差を是正する手段の一つとして、
私は高校入試にくじ引きで合否を判定する枠を導入することを提案する。
(例2)排出ガスを減らすために、希望する家庭に自転車を無料で配布することを提案する。

与えられたテーマや問題に対するあなたの意見や立場を
シンプルに明確に示すことが大切です。

これにより、読者(採点者)はあなたがこれからどのような立場で意見を述べるのか把握し、
小論文の展開を予測することができます。

自分の賛否から述べる

自分の賛否(賛成・反対、そう思う・そう思わない)を
書き出す方法もあります。

(例1)私は救急車の有料化に賛成である。
(例2)ゴミ袋の有料化に、私は反対する。

このとき大切なのは、必ず逆の立場(あなたが賛成なら反対の立場)にも触れ、
それに論理的な反論をすることです。

それがなければ一方的に意見を述べるだけの文章になってしまい、
説得力が一気になくなってしまいます。

問題の解決策の個数の示す

問題の解決策の個数を示す方法もあります。
回答に与えられるスペースにもよりますが、
できるだけ1つだけ挙げるのはさけ、2つ、できれば3つ意見を述べることができればよいでしょう。

(例1)満員電車を減らすために、私は3つの解決策を提案する。
(例2)高齢者の外出を支援するために、私は3つの提案をする。

複数の解決策を示すことで、
あなたが多角的な視点・知識を持っていることを示すことができたり、
1つ目の考えで足りなかったことを2つ目の意見で補完したり
することができます。

小論文の書き出しは繰り返し添削が上達しやすい

小論文、特に書き出しは、繰り返し添削をしてもらうことで上達しやすい分野です。

小論文は、
インプット(知識を頭の中に入れること)が中心である普段の教科と異なり
アウトプット(考えを実際に書き出すこと)の作業です。
なかなかコツが掴めないことは当然のことであり、
焦ったり悲観したりする必要はありません。


学校の国語や進路指導の先生、そして塾講師に依頼して添削をしてもらいましょう。

ここで注意しなければならないのは、
小論文の指導は人によって違いがでてくる可能性があるということです。

それは小論文が、
歴史の年号や数学の問題など明確な一つの正解がある性質のものではないためです。

信頼できる人のフィードバックやアドバイスを受け入れながら、
自分の意見・書き出しを洗練させていきましょう。

また、あえて自分の考えとは異なる意見を書いてみるのもおすすめです。
あるテーマについてあなたが本当は賛成だったとしても、
反対の意見も書いてみることはとてもよい訓練になります。

五十嵐塾長
五十嵐塾長

賛成反対両方の意見を踏まえて新しい、あなただけの考えを導き出すことは
高校や専門学校、大学以降でも求められる能力です。

まとめ

小論文の書き出しにおいて、
自分の主張や考えを明確に示す、賛否や解決策の個数を示すなどのパターンを使い分けることで、
あなたの小論文をより魅力的なものにすることができます。

最後になりますが、良い文章を書くためには、書いた文章が良いかどうかを判断する能力が必要です。

すなわち、普段から良い文章に触れておくことが重要です。

そのためには普段から活字に慣れ親しんでおきましょう。
ずっとお堅い文章だけ読んでいる必要はありません。
小説、エッセイ、新聞、新書など面白くて役に立つ文章はたくさんあります。

また、書店や図書館を覗けば模範的な小論文や解説をまとめた書籍もあります。

普段から活字に親しむことは、小論文の対策になるだけでなく、
国語を始めとした学力の底上げにもつながるはずです。

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