2024年度富山県立高校入試では、漢字の読み書き・論理的文章・文学的文章・古文・作文の5 題構成になっています。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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大問1(漢字の読み書き)
〈解答〉
アくっしん イしぼ ウたいざい エ守備 オ群 カ模型
〈解説〉
ア~ウ 漢字の読み(記述)
「屈伸」・「搾る」・「滞在」の読みが出題。エ~カ 漢字の書き取り(記述)
大問2(論理的文章)
池内了『江戸の好奇心 花ひらく「科学」』からの出題です。
〈解答〉
1、誰もが~ること
2、
(1)時間を~させる
(2)時間を精度よく決定できる時計の発明と改良
3、目指した
4、
(1)場所や季節によって変化する太陽の位置と高さで時間を決める方法
(2)権力者
5、エ
6、季節によって異なる単位あたりの時間幅を用いて、正確な時刻を測る時計を作ろうとしたということ。
7、複雑な時間調整を必要とする和時計の調整の手間をかけないために開発された様々な技術が、現代の技術に活かされていると考えるから。
8、Ⅰア Ⅱア Ⅲウ
〈解説〉
1、内容読解(抜き出し)
1段落の最後の文、「それらが示す指標を共通の尺度とすれば、誰もが一致して行動することができるようになる」に注目する。「それら示す指標」とは、傍線部①「客観的な時間という指標」を指す。
2、
(1)内容読解(抜き出し)
傍線部直後で「時間を独占して決定し、それによって人々の生活を律する尺度としようとし」たと説明され、さらに「時間を正確に測って人々に知らせ、時間に沿って行動させる」と言い換えられている。
(2)内容読解(記述)
「そのために」に着目すると、「時間を精度よく決定できる時計が発明され、改良されてきた」が答えだとわかる。
3、修飾関係(抜き出し)
「ひたすら」は副詞なので用言を修飾する。
4、
(1)内容読解(記述)
傍線部④の直前が「不定時法」の説明である。「太陽の位置と高さで時間を決めたから、場所や季節によって変化するローカルな時間に基づく」を簡潔に言い換えればよい。
(2)理由説明(抜き出し)
「江戸時代においては時間の異なった概念」があったので、「人々は独自の対応(=不定時法の導入)をした」と述べられている。この「時間の異なった概念」を説明している箇所が、「権力者も庶民も自然の時間に合わせて生きていた」である。
5、熟語の構成(選択肢)
「往復」は、反対の意味を表す字で構成されている。同じ構成の熟語はエの「送迎」。アの「年長」は、主語と述語の関係である。イの「岩石」は、似た意味を表す字で構成されている。ウの「作曲」は、下の字が上の字の目的語になっている。
6、内容読解(記述)
傍線部が含まれている一文全体の内容を押さえるのが基本。
「それを受け入れ」の「それ」は、「不定時法は太陽の動きに応じるために単位あたりの時間幅が季節によって異なる」ことを指す。あとは、何を表現しようとしたかを考えればよい。後ろの「正確な時刻を測りたい」を参考にしよう。
7、理由説明(記述)
解答の中心は、現代の技術に「和時計の対照的な技術の蓄積が活かされて」いるから。あとは、「和時計の技術」がどのようなものかを補足すればよい。「複雑な時間調整を必要とする和時計」の「調整の手間をかけな」いために開発されたさまざまな技術くらいにまとめよう。
8、
Ⅰ内容読解(選択肢)
消去法で解くと自信をもって解答を選べる。イは、1段落までに前提となる話題がないので「深化」はできず誤り。ウは、1段落に問題提起が存在しないので誤り。エは、1段落に問題解決を表す箇所がないので誤り。
Ⅱ内容読解(選択肢)
西洋の時計と江戸時代の日本の時計とを比較していることから考える。
Ⅲ内容読解(選択肢)
5段落以前で述べられていた事柄がどういうものであったかを考える。4段落に「時間観念の特殊性」などとあるのがヒント。
大問3(文学的文章)
上野歩『お菓子の船』からの出題です。
〈解答〉
1、自分以外の人が皆いなくなった状況。
2、エ
3、常に五感を働かせながらお菓子づくりのことを考えるのがよいということ。
4、イ
5、ウ
6、一本の満開の桜が思い浮かんだ
7、桜餅を食べたことで悲しい過去を思い出したが、それを肯定的に捉え直すことができ、桜餅の甘さになぐさめられたということ。
8、よいお~見える
9、食べると鮮烈な風景が浮かぶほどのお菓子で、ワコが和菓子職人を目指す動機となったもの。
〈解説〉
1、語句の意味(記述)
「人けのなくなった」の意味が出題。
2、言葉の意味(選択肢)
「殺風景な」の意味が出題。
3、内容読解(記述)
「耳目を働かせろ」、「においを嗅げ」という表現から、「全身で」というのは「五感を使って」という意味だとわかる。また、「常に」、「洗い物をしていても」という表現から、「(実際にお菓子を作っていなくても)常に」という要素を解答にいれよう。
4、慣用表現(選択肢)
「意を決して」が出題。「意を決して」は「覚悟を決めて」という意味。
5、副詞の挿入(選択肢)
副詞の呼応が出題。「まるで~のよう」が出題。
6、内容読解(記述)
「風景が見えた」を説明すればよいので、どのような風景が見えたかを書く。直後に、「一本桜」、「青空と広い平原の間で、それだけが大きく枝を広げている一本の満開の桜」とある。
7、内容読解(記述)
「ワコの気持ち」を押さえよう。
「かすかな悲しみが胸を打った」が、最終的にその悲しみを桜餅の甘さが慰撫してくれたのである。「かすかな悲しみ」とは、小学五年生の時に「ひとりだけぽつんと」いた転校生の女の子と仲良くできないまま別れてしまったことを指す。
8、内容読解(抜き出し)
直後で「よいお菓子を味わうと、風景が見えるのですか?」と言い換えられている。
9、内容読解(記述)
「徳造のどら焼き」は「鮮烈な風景だけを残して」消えてしまったが、「自分の人生を決定づけ」たものとして描かれている。
大問4(古文)
『俊頼髄脳』からの出題です。
〈解答〉
1、いえる
2、みぞれ
3、イ
4、にはかに降る雨
5、エ
〈解説〉
1、現代仮名遣い(記述)
「いへる」を「いえる」に改める。
2、内容読解(抜き出し)
雪がまじって降っている雨のことをいう「みぞれ」は、「冬もしは春のはじめなど」に詠むべきだと述べられている。
3、内容読解(選択肢)
肘笠雨は、笠も用意できないほど急に降り出す雨のことをいう。笠の代わりに肘を上げて雨よけをするということなので、答えは「袖」である。
4、内容読解(抜き出し)
直前で「肘笠雨といふは、にはかに降る雨をいふべきなめり」と説明されている。
5、理由説明(選択肢)
「妹がかどゆきすぎがてに(=恋しい人が自分の家の門の前を通り過ぎるのが難しいほどの)」に注目する。
大問5(作文)
〈解説〉
第一段落に、表現技法を用いて「あなたの好きなもの」を書く。第二段落では、表現を工夫した点について述べる。字数は180字以上220字以内。
表現技法については、擬人法や比喩、オノマトペ(擬音語や擬態語)を使うと書きやすい。「まるで満天の星空のような美しさ」や「ふわっと香ばしいかおりが匂い立つ」など。 工夫点については、「映像としてイメージしやすいように」、「臨場感が出るように」などと書けばよい。