【一般選抜(後期日程)入試】東京外国語大学 令和6年度小論文過去問題と概要

小論文過去問題

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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小論文過去問題

R6年度 国際社会学部 一般選抜(後期日程)

次の文章(A)と(B)は、「グローバル・サウス(Global South)」をめぐって、2023年の同時期に、異なる筆者が異なる新聞に寄稿した記事を抜粋したものである。これらを読んで、下の設問に日本語で答えなさい。

※(A)、(B)英語本文は省略

出典:
(A)David Rising, “Everyone’s talking about the Global South. But what is it?”, The
Associated Press, September 7, 2023. https://apnews.com/article/what-is-global-south-19fa68cf8c60061e88d69f6f2270d98b

(B)The global human rights regime has collapsed by Haythem Guesmi, Al Jazeera Media Network, 1 Sep 2023

【設問】

  1. 下線部⑴において、(A)の筆者は,どの国が「グローバル・サウス」を構成しているかを問うのは複雑なことだと述べている。なぜ筆者はそのように考えるのか。80字~100字で説明しなさい。
  2. 下線部⑵について,なぜ「グローバル・ノース(Global North)」はあまり用いられないのか。その理由を、(A)の文章の内容にそって、80字~100字で説明しなさい。
  3. 下線部⑶において、なぜ(B)の筆者は、「人権(human rights)」は死んでいると述べるのか。筆者がそのように考える理由を、(B)の文章の内容にそって、80字~100字で説明しなさい。
  4. (B)の筆者の下線部⑷の主張はどのような立場からなされているのかを説明し、それは「グローバル・サウス」概念に対する(A)の筆者の疑念からどのように評価されると言えるかも述べたうえで、あなた自身が両者の立場をどのように比較して評価するか、500字~600字で述べなさい。

解答例

【設問1】
グローバル・サウスをどの国が構成するかは、地理的経済発展の要素だけで決められて
いるわけではなく地政学的・歴史的事情もふまえて、自国はグローバル・サウスに属す
ると考える国が主観的に決めているから。(99字)

【設問2】
グローバル・ノースは、グローバル・サウスに属さない諸国によって構成されていると考
えられるが、それは後者の主観的な主張によって言えることで、前者に属していると主張
する諸国が存在しているわけではないから。(100字)

【設問3】
人権は、西洋諸国が自国に都合の良いように偽善的に決めているもので、気候変動や紛争
や難民化に苦しむグローバル・サウスの人々を助けておらず、世界の全ての人々の実質的
な平等の実現に役立っていないから。(97字)

【設問4】
(B)の筆者は、自らがグローバル・サウスの立場にあると考えている。それは、人権は
グローバル・サウスが採用すべきものではなく、全ての人々の基本的権利を守る別の方法
が必要だ、という立場である。この立場は、「グローバル・サウス」概念に対する(A)
の筆者の疑念からは、懐疑的に評価されるだろう。 なぜなら (A) の筆者は、グローバ
ル・サウスに属する国は主観的に決められ、グローバルサウスに属するとする国々の主
張は主観的な性格を帯びると考えているからである。そうなると人権を否定する新しい方
法なるものも主観的になる恐れがあることになる。自分は、(A)の筆者の懐疑心は洞察
にあふれ、(B)の筆者の主張には現実の矛盾を捉える妥当性がある。一方で、グローバ
ル・サウスの概念の使用に主観的な要素が入り込む可能性は、グローバル・サウスなるも
のに実体的存在がない以上、必然的だと思われる。他方において、グローバル・サウスの
言説を要請せざるを得ない構造的矛盾が現代世界に存在しているのも確かだ。(A)から
は、主観的な主張を一方的に振り回して混乱を助長する危険を学べる。(B)からは、現
実の矛盾に向き合って変革していくための努力を払うことの重要性を学べる。一見すると
折り合いをつけることが難しい二つの文章それぞれが持つ意義を学び取り、両者の間の緊
張感を常に意識しながら、現実と向き合い、思考し続けていくことが、大切である。

学部学科、コース

言語文化学部

専攻言語は、英語やドイツ語、ポーランド語など27言語の中から選択。
世界諸地域の言語・文化に精通し、言語や文化の壁を越えたコミュニケーション能力とコーディネーション能力を備え、国内外において言語間・文化間の架け橋となり、新たな価値観の育成に寄与する国際教養人を育成する。
言語科目に重点を置き、入学時に選択した言語を高いレベルまで修得する。これを基礎に、専門教育では、言葉や文化を中心とする人間の営みを相対化できる視点を養う。
3年次には、「地域コース」「超域コース」のいずれかのコースに進み、それぞれの特色を生かした専門領域について学ぶ。

国際社会学部

専攻地域は、北西ヨーロッパ/北アメリカなど13の専攻地域から選択。
世界諸地域の複雑な仕組みを把握し、分析するリサーチ能力と、グローバルな視点から問題を解決する実践的な能力を備え、国内外において、社会、政治・経済などの領域で活躍できる国際職業人を育成する。
言語文化学部と同様、1・2年次は専攻言語を学習し、3・4年次では習得した専攻言語を生かして、世界諸地域の社会、政治・経済とその歴史、社会学と関連する諸分野の方法論を体系的に学び、現代世界で生じている諸問題の根源を洞察し、問題解決の道筋を示すことのできる分析力と行動力を身につける。
2年次秋学期より「地域社会研究コース」「現代世界論コース」「国際関係コース」のいずれかのコースに進み、専門領域について学ぶ。

国際日本学部

世界の中の「日本」を、全体として学ぶことを目的とする。日本そのものをフィールドとして、分野を超えた多角的な視点で日本をとらえ直す。
国際的な視点からの日本を学び、世界に向けて日本を発信していく力や、多文化化する日本の問題解決に資する知識や協働力を備えた人材を育成する。
1・2年次には日本の政治・経済・社会・歴史、日本文学・文化、日本語、日本語教育を総合的に学び、3年次には2つ、4年次には1つの分野を専門的に学ぶ。世界各国からの留学生と共学の環境で、教育の言語は英語と日本語で行っている。

所在地・アクセス

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東京都府中市朝日町3-11-1西武多摩川線「多磨」駅下車、徒歩5分
京王電鉄で「飛田給」駅下車、京王バスで約10分
「東京外国語大学前」下車、徒歩1分
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