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記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴27年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
2020年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となる。過去3年間で国公立大学合格85名。
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スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
小論文過去問題
R6 人間社会学部、看護学部 一般選抜(前期)
問題
「ヤングケアラー」とは、障がいや病気のある家族に代わり、買い物・料理・掃除・洗濯をしたり、家族に代わり幼いきょうだいの世話をしたりするような、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものことを指す。近年、ヤングケアラーを取り巻く問題に注目が巣まっている。このことに関して、設問1、設問2に答えなさい。
設問1
(1)[資料1]の内容を説明した以下の文章について、①に当てはまる数字を答えなさい(小数第1位を四捨五入し、整数で解答すること)。また、下線部(ア)~(ウ)のうち、内容が最も適切でないものを1つ選び、②に記号で答えなさい。
(2)以下の文の③に当てはまる数字を答えなさい(小数第1位を四捨五入し、整数で解答すること。
【資料2]の調査結果によると、中学2年生で世話をしている家族がいると回答したのは、約(③)人に1 人である。
(3) 【資料7-1]、 [資料7-2]の下線部④~⑥のカタカナを漢字にしなさい。
設問2
ヤングケアラーの実態と支援の課題について、[資料2]~[資料8]を用いて、800字以内で論じなさい。その際、以下の3点について必ず言及しなさい。
(1)ヤングケアラーの現状と背景
(2) ヤングケアラーが抱える問題点とそれに対する具体的な支援
(3) ヤングケアラーを支援する際に気をつけること
R6 人間社会学部、看護学部 一般選抜(後期)
問題
【資料1】~【資料9】は性の多様性に関連する資料である。これらの資料をもとに、設問1と設
問2に解答しなさい。なお、出題の都合上、資料については原典を一部改変している。
設問1
以下の文章と【資料1】を読み、(1) (2)に答えなさい。
※本文・資料省略
【資料1】 ジェンダーの意識調査
出典: 公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン(2022)「性別にとらわれず自由に生きるために」p.10
(1) 下線部①②のカタカナを漢字にし、解答欄① ②に記入しなさい。
(2) 【資料1】の表の質問「6.男性は女性よりもスポーツが得意だ」において、「そう思う」「ど
ちらかというとそう思う」と回答した「女性」「男性」「その他」「答えたくない」の回答割合からそれぞれの人数を計算し、解答欄③に「女性」、解答欄④に「男性」、解答欄⑤に「その他」、解答欄⑥に「答えたくない」の人数を記入しなさい。ただし、対象者全員が全ての項目に回答したものとす
る。計算された数字は小数第1位を四捨五入し整数で記入しなさい。
参考資料: 町田奈緒士 (2022) 『トランスジェンダーを生きる』ミネルヴァ書房、多賀太 (2022) 『ジェンダーで読み解く男性の働き方・暮らし方』 時事通信社枠内の文章は参考資料をもとに作成した。
設問2
【資料2】~【資料9】にもとづいて、性の多様性が尊重される社会としていくために何が必要かに
ついて、800字以内で述べなさい。ただし、以下の2点に必ず言及すること。
- 性の多様性について
- 性の多様性を内包している個人がかかえる“困りごと”とその原因について
※本文・資料省略
【資料2】 人間の性の四つの側面
出典: 多賀太 (2022) 『ジェンダーで読み解く 男性の働き方・暮らし方』時事通信社 p.55-56
【資料3】 ジェンダー観の変化
出典: 三橋順子 (2010) 「トランスジェンダー (性別越境) 観の変容 一近世から近代へー (第5回講演)」『女性学連続講演会』 14巻 p.106-121
【資料4】 変化する脳
出典:佐倉智美(2015) 「境界線の斜め上からジェンダーをみる」 伊藤公雄,牟田和恵 (編) 『ジェンダーで学ぶ社会学』世界思想社, p.50-51
【資料6】 今日はお休みですか?
出典: 【資料2】に同じ (p.2-3)
【資料7】“性別” への違和感・・・
出典:【資料1】に同じ(p.2)
【資料8】 ジェンダー・ステレオタイプ
出典:【資料1】に同じ(p.2)
【資料9】 “生きづらさ” を解消するために···
出典: NHKみんなでプラス
出題意図
R6 人間社会学部、看護学部 一般選抜(前期)
- 問題の要旨
この小論文試験では、ヤングケアラーに関する実態調査等の統計資料、ヤングケアラー
当事者の気持ちに関する新聞記事、実際に行われている支援の概要等の各種資料を提示し
ている。これらの資料から、ヤングケアラーの実態と当事者が抱える問題点を読み解き、
その上で、ヤングケアラーに対する必要な支援とその課題について論述するものである。 - 出題の意図
(1) ヤングケアラーの中には、本来大人が担うと想定されている家族の世話を担い、過
度の負担を強いられていることによって、学校を休む、自由な時間を確保できないな
どといった問題を抱えている子どもがいる。しかし、その状況は多様であり、家族の
お世話をすることがいいことだと感じている子どもや、支援を必要と言えない、声を
上げることができない子どもも存在している。本問題では、このような現状を踏ま
え、ヤングケアラーの実態と支援の課題について、関連する資料の読解と課題の整
理、考察を通じた記述を求めることで、論理的に思考判断し、自らの考えを適切に
表現する力を備えているかを評価している。
(2) 設問1では、資料の文章と図表の意味を適切に理解し、基礎的な計算ができるか、
また資料の文章を正しく理解し適切な語句の記述ができるかを評価している。
(3) 設問2では、 ① ヤングケアラーの現状と背景、 ②ヤングケアラーが抱える問題点と
それに対する具体的な支援、 ③ ヤングケアラーを支援する際に気を付けることの3点
について、関連する複数の資料から読み取り、論述することを求めている 加えて、
提示された資料を相互に関連付けて論じるなど、課題に主体的に取り組む姿勢を評価
している。 - 採点のポイント
(1) 資料を正しく理解し、基礎的な計算及び適切な語句の記述ができているか。
(2)字数制限や書式に沿っているか、段落構成が適切であるか、誤字・脱字、不適切な
記号、 文法上の誤りがないか。
(3) 問題文の論点に必要な情報を資料から的確に読み取り、適切に論述できているか
(4) 提示された資料を相互に関連づけながら考察し、全体として整合性をもった論述が
なされているか。
(5) 資料を読み解き、ヤングケアラーが抱える問題点とそれに対応した必要な支援につ
いて整理し、支援の際に気を付けることについて論述しているか。
R6 人間社会学部、看護学部 一般選抜(後期)
- 問題の要旨
性の多様性に関する「社会的」「科学的」「歴史的」資料や、性別越境者(トラン
スジェンダー)でマイノリティーでない人々の困りごとやその原因に関する資料、
その対応策に関する資料を読解した上で、社会に必要な性の多様性を許容し、皆が
幸せに生きるために必要な視点について論述するものである。 - 出題の意図
(1) 本小論文のテーマに関しては、本学のアドミッションポリシーに掲げられてい
る「多様性を尊重し、多様な人々と協働して取り組むことに意欲がある。」に関す
る資料の読解と記述を求めている。また、小論文では、同アドミッションポリシ
ーに掲げている「論理的に思考し、判断することができる。」「情報をもとに分析
する技能を身につけている。」「自らの考えを適切に表現することができる」こと
のできる力を有しているかを問うている。
(2) ジェンダー観は時代とともに変化している。近代~現代は人間の性には「男」
と「女」を2種類しかないと考えられてきた。しかし、性別を超えた脳の多様性
があることが明らかになり、性の多様性が認知されてきた。性への違和感を抱く
人や生きづらさをもつ人を尊重し、人々が自由に生きる、そして、生きづらさを
解消するため支援する必要がある。今回の出題は、社会に必要な性の多様性を許
容し、皆が幸せに生きるために必要な視点について客観的に論述することを求め
ている。
(3) 本問題では、設問1は、漢字の読み書き、計算問題で構成されている。設問2
【資料2】〜【資料9】に基づいて、性の多様性が尊重される社会としてい
くために何が必要かについて、制限時間内に適切にまとめることを求めている。 - 採点のポイント
(1) 誤字・脱字や字数制限、文法上の誤り、段落構成の適切さ。
(2) 全体が論文として整合性をもつか。事実(資料)に基づいた論述であり、かつ
論理性のある文章で書けている
(3) 資料の要点を読み取り、問題文の論点と結びつけながら、その意味を指摘でき
ているか。
(4) 提示した資料を相互に関連づけながら考察し、論述できているか。
(5) 資料を読み解き、性の多様性について、要点を抽出し、性の多様性を内包して
いる個人がかかえる“困りごと”とその原因、性の多様性が尊重される社会として
いくために何が必要かについて適切に論述しているか。
学部学科、コース
人間社会学部
公共社会学科では、現代社会の多様な課題に対応するため、地域社会と国際共生に焦点を当て、公共性に根ざした社会問題解決能力に秀でた人材の育成を目指す。
社会福祉学科では、福祉サービスに関する法律や制度を学び、子ども・高齢者・障害者などが有する生活問題の内容を考案し、対人援助職(ソーシャルワーカー)として必要な価値・知識・技術を学ぶ。チームワークや地域とのネットワークづくりの方法なども学ぶ。
人間形成学科では、人間の成長を「保育・幼児教育」の視点と「心理学」の視点から総合的にとらえ、教育や援助を実践できる人の育成を目指している。以下の2コースがある。
①こどもコースでは、保育・幼児教育に関する科目を中心に履修する。乳幼児期における保育・教育、児童福祉などについて理解し、その現代的課題を考察していく。
②心理コースでは、人間の心の理解および心理的援助に関わる科目を中心に履修する。生涯にわたる心のあり方とその援助について理解し、心とその援助に関する現代的課題について考察していく。
なお、どの学科の学生も3年次から選択できる「総合人間社会コース」を設置している。このコースを選択した学生は、福祉社会において幅広く役立つ知識やスキルを身につけることにフォーカスした授業で構成される「プログラム」に沿って授業を選択する。
看護学部
幅広い教養を備えた専門職に就く人材として自立し、主体的に行動できる能力と、健康問題に対して広い視野から柔軟に対応し、創造的な解決策を提案できる能力を養う。保健・医療・福祉分野のほかの専門職員などと協働し、かつリーダーシップがとれる看護職員を育成している。
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