【合格体験記（浜松医科大学 医学部）】“基礎重視”と“仲間の存在”が支えてくれた樹さんの道のり

小学生時代～本好きな日々と中学受験へのスタート

小学生のころは、友達と外で遊びながらも落ち着いた性格だったと思います。家では宇宙や物理の本、推理小説などをよく読み、科学への興味は自然と育っていきました。小学4年生から中学受験に向けて塾に通い始め、5年生後半からは受験用の問題集にも本格的に取り組みました。

英数は先取り学習、理科は高2から本腰を入れて

高校1、2年生のころは、とにかく英語と数学の予習を進めました。英語は得意だったので、塾の映像授業とプリントで基礎をしっかり固めながら効率よく進めていきました。数学も高2の秋には予習が終了し、基礎の理解に重点を置いていました。

理科は物理と化学を選択。学校の方針で高1では生物基礎と化学基礎を履修し、本格的な物理と化学の授業は高2から始まりました。英数の土台ができてから理科へ、という先生やYouTubeのアドバイス通り、高2の夏前くらいから理科に力を入れ始めました。

物理は得意だったので、授業とテスト対策、そして先生に紹介されたウェブサイト（物理現象を視覚的に学べる）を活用して理解を深めました。一方、化学は基礎が曖昧だったため、専門化学の授業が始まって1か月後からは、化学基礎の問題集に立ち返って資料集や教科書を活用しながら「理解重視」で取り組みました。このプロセスを通じて、テストの点数も安定し、自信につながりました。

推薦入試対策――生物、プレゼン、小論文に挑む

私は推薦入試を受けました。理科は全員、物理・化学・生物の3科目を解く必要がありました。物理・化学は選択科目として履修していましたが、生物は高1の生物基礎のみ。そのため共通テスト後の2週間で、生物の専門分野を集中して対策しました。

学校の先生に「出やすい分野」を教えてもらったり、YouTubeの授業動画を2倍速で視聴したりして、効率的に知識を補いました。

実際の試験では、物理と生物は比較的平易で、化学は初見問題が多く会話形式の難しめの出題でした。化学選択者が多いことを踏まえ、差がつきやすい構成になっているのかもしれません。

小論文は3年分を書いて、国語の先生に添削してもらいました。あまり大きくは改善できませんでしたが、書く練習をしたことが自信にはつながりました。面接では3人の試験官を前に1人でホワイトボードを使ってプレゼンを行います。共通テスト後に3回ほど練習を重ね、医学部向けのテーマに慣れていたおかげで、本番は落ち着いてプレゼンできました。

大学生活と今後――人との関わりから広がる世界

大学では勉強だけでなく、人とのつながりも大切にしたいと思い、軟式テニス部、東洋医学研究会、奇術部、医療系サークルに入りました。いろんな人と関わることで、視野が広がってきているのを実感しています。

アルバイトは家庭教師をしていて、友達の兄弟を教えるスタイルです。教えることで、自分の理解も深まることを感じています。

受験生へのメッセージ――基礎・仲間・自分のペースを大切に

これから医療系を目指すみなさんに伝えたいのは、「まず学校の勉強をしっかりやること」。入試は最初のハードルであり、そこを越えないと始まりません。そして、学校の友達付き合いも大切にしてほしいです。友達がいるからこそ頑張れる場面は必ずあります。

私自身、試験前には瞑想をルーティンにしていました。短時間でも集中力が増し、気持ちが整いました。自分なりのリラックス方法を持つことも大切です。

そして、何より家族の存在。塾の送迎やご飯、時には問題集の丸付けまでしてくれた両親には本当に感謝しています。模試の結果で叱られることもありましたが、それがあったからこそ気が引き締まり、サボらずにやりきれたのだと思います。

浜松医科大学医学部に合格できたのは、周囲の支えと、自分のペースで着実に進めた勉強があったからこそ。みなさんも、焦らず、自分らしい受験勉強を見つけてください。