こんにちは!スカイ予備校メディカルアンバサダーのめでぃたです。
「医学生=安定」「医学生=エリート」
そう思っていませんか?
でも、現実は違います。
僕は医師として、そして元・医学生として断言します。
医学生のメンタル崩壊率は、あなたが想像するより遥かに高い。
今日は、その“静かすぎる現実”を話します。

医学生の3人に1人がメンタル不調を経験している
これは誇張ではありません。
実際、国内外の研究で示されているデータがあります。
ある調査では、医学生の約3割が「うつ症状あり」と回答。
さらに、約半数が「精神的な不安を感じる」と答えています。 これは同年代の大学生の2〜3倍。
つまり、医学部という環境は「高ストレス環境」と言って差し支えないのです。
なぜ医学生は追い込まれるのか?
理由は明確です。
「常に比較され続ける構造」にあります。
① 勉強量が異常
医学部の勉強は、文字通り“終わりがない”。
解剖、生理、生化学、薬理、病理、臨床科目……。
1年目から専門用語が1日100個単位で出てくる。
高校までの「努力すれば終わる勉強」とは次元が違います。
しかも、暗記だけでなく理解・応用・臨床的思考が求められる。
試験前は“徹夜+カフェイン+不安”がデフォルト。
いわば慢性ストレス環境なのです。
② 周囲が全員「できる人」
高校では上位だった人たちが、医学部に集まる。
つまり、全員がかつてのクラスのトップ層。
そんな環境でテストを受ければ、自分が“最下位”になることもある。
成績上位10%が「普通」、下位30%が「落ちこぼれ扱い」。
それが6年間続きます。
自己肯定感は、じわじわ削られていく。
③ “人の命”を扱う責任
臨床実習が始まると、ストレスの質が変わります。
「自分の判断が患者さんの生死に関わるかもしれない」。
そのプレッシャーは計り知れません。 初めて患者さんを前にした日、涙が出た医学生は少なくない。
“知識不足への恐怖”と“責任の重さ”が同時に襲ってくるからです。
「もう無理かも」と感じた瞬間たち
僕の周りでも、メンタル不調で休学した友人は珍しくありません。
・成績下位で留年し、自己否定に陥った
・実習中に指導医から厳しく叱責され、動けなくなった
・国家試験直前に燃え尽きてしまった
中には、うつ病やパニック障害を発症した人もいます。
精神科で治療を受けながら、なんとか復帰した仲間もいました。
でも、彼らに共通していたのは、
「真面目で、責任感が強く、周囲に弱音を吐けない」タイプだったこと。
メンタルが崩壊しやすい構造的な理由
ここが一番の本質です。
医学部のシステム自体が「精神的に追い込みやすい設計」になっています。
- 評価が点数でしか示されない
- 失敗=人命に関わるという恐怖
- 相談できる相手がいない(同級生はライバル)
- 休む=遅れる=留年のリスク
結果として、「疲れても止まれない」状態に陥る。
それが、医学生のメンタルを静かに壊していくのです。
「弱音を吐く勇気」が、最初の処方箋
医学部では、「努力すれば何とかなる」という文化が根強い。
でも、心は筋トレとは違います。
折れたら、回復に時間がかかる。
だからこそ伝えたい。
本当に辛いときは、“誰かに話す”ことが最大の予防策です。
- カウンセリング(大学内にも必ずある)
- 精神科・心療内科の受診
- 信頼できる先輩や教員への相談
どれも「逃げ」ではありません。
むしろ“プロとして患者を支えるためのセルフケア”です。
僕も研修医時代、心が限界を迎えたときに精神科の先生に相談したことがあります。
その一言で救われました。
「医者になる前に、人間としてちゃんと休んでください」
それ以来、後輩にも必ずこう伝えています。
「自分を守れない医者は、人も守れない」
医学部を目指す中高生・保護者へ
この現実を知って、怖くなった人もいるでしょう。
でも、誤解しないでほしい。
これは“医者になるな”という話ではありません。
むしろ、医師という職業に本気で向き合うなら、心のケアを最初から戦略に入れるべきという話です。
中高生のうちから、
✔ 完璧主義を手放す練習
✔ 睡眠・運動・食事のセルフマネジメント
✔ 他人と比較しないメンタルトレーニング
こうした習慣を身につけておくと、医学部生活は驚くほど安定します。
そして、予備校や学校選びの段階で、
「学力指導だけでなくメンタルケア体制があるか」も見てください。
これは、実は合格率以上に大切な指標です。
最後に:強くなるとは、折れないことではない
医学生のメンタル崩壊率が高いのは、彼らが弱いからではありません。
強くあろうとしすぎるから、折れてしまうのです。
大切なのは、「折れないこと」ではなく、「折れたあとに戻れること」。
支え合える環境と、正直でいられる仲間がいること。 それが、医学部を生き抜く上で一番の武器になります。
つまり、“医学生に多いタイプ”そのものなんです。


