【研修医めでぃた先生の医学部のリアル】真実!「中学から準備しないと医学部は間に合わない」は本当か?

大学入試

こんにちは!スカイ予備校メディカルアンバサダーのめでぃたです。

「医学部を目指すなら、中学から準備しないと間に合わない」
──そんな言葉を、どこかで聞いたことがある人も多いはず。

保護者の間ではすっかり“常識”のように語られるこのフレーズ。
でも、それって本当に正しいのでしょうか?

結論から言います。
「中学からでないと間に合わない」は半分ウソ、半分ホント。 医学部合格者を何百人も見てきた立場から、どこまでが真実で、どこからが“受験産業の営業トーク”なのかを、リアルにお話しします。

■「中学から準備しないと間に合わない」——その根拠

医学部受験の範囲は、国立・私立ともに非常に広い。
特に数学Ⅲ、理科(物理・化学・生物)の出題レベルは、難関大理系よりも上。

さらに共通テストでは、全教科が求められる。
つまり、高3の夏に全範囲を終わらせて演習に入るには、最短でも高1の春から加速する必要があるんです。

だから、「中学のうちに基礎を終えておけば有利」というのは確かにその通り。
数学I・Aや英文法の基礎を早めに固めておくと、高校の学習効率が格段に上がります。

ただし——
ここで多くの保護者が“致命的な勘違い”をします。

■「早ければいい」は間違い。

実際に失敗するのは、“先取りだけ”を重ねたタイプ

中1で高校英語を先取り、中2で数ⅡBを始め、中3で「医学部コース」の看板を掲げた塾に通う。

でも、高校に入るころには燃え尽き。
学力の「厚み」がないまま受験期に突入して、“伸びない優等生”になってしまうんです。

医学部受験は、「いつ始めたか」よりも「どの段階で質を上げたか」で決まります。
要するに、中学から始めても設計を誤れば間に合わない。
逆に、高校からでも戦略を正しく立てれば十分に間に合うのです。

■中学でやるべきことは、“先取り”ではなく“基礎の精度”

では、医学部志望の中学生が「今」やるべきことは何か?
答えはシンプル。

① 英語と数学の“基礎を完璧に”

文法や計算を「なんとなく理解」で終わらせず、使えるレベルに仕上げること。
高1で“英文法・数ⅠAの復習に追われる人”が伸びないのは、まさにここが甘いから。

② 勉強の“習慣”をつくる

1日30分でも机に向かう。これが本当に大事。
医学部に行く子は「勉強が好き」なのではなく、「勉強することが日常」になっている。
中学期にそのリズムを身につけた人ほど、高校で伸びます。

③ 情報を“知る”

医学部の受験構造を、親子で早めに知っておく。
「共通テストが何科目必要なのか」「私立と国公立の違いは何か」など、
情報戦で差がつくのがこの世界。

つまり、中学期に大切なのは“受験科目をやる”ことではなく、
**「勉強を生活に組み込む習慣」と「情報の把握」**なんです。

■「高校からでは遅い」と思っている人へ

安心してください。
高校からでも、戦略次第で十分に合格できます。

実際、僕が見てきた医学部合格者の半数以上は、
「本気になったのは高2から」「浪人で伸びた」というタイプです。

では、彼らは何を変えたのか。

答えは明確です。
「闇雲な勉強」をやめて、「得点設計」に切り替えた。

■“間に合った人”がやっていた3つのこと

①「苦手をつぶす」のではなく「得点を稼ぐ」

苦手科目に固執せず、「得意科目で確実に取る」。
医学部合格ラインは6〜7割。
全部完璧にできる人なんて、ほとんどいません。

「数学で7割取る」「理科で9割取る」「英語は平均以上」
このように、“合格点ベース”での戦略ができる人が勝ちます。

②「模試の順位」より「解けなかった理由」を見る

11月以降、E判定でも受かる人はたくさんいます。
違うのは、点数の伸びを自分で分析できるかどうか。
模試の間違いを「なんとなく」で流す人は、いつまでたっても同じ失点を繰り返す。
逆に、「なぜ間違えたか」を1問ずつ言語化できる人は、たとえ今偏差値50でも本番までに伸びます。

③「焦って手を広げない」

直前期に最もやってはいけないのが、“教材を増やすこと”。
医学部受験は深くやるほど点になります。
1冊の問題集を3周して「完璧に解説できる状態」まで仕上げる。
これが本当の「合格力」です。

■なぜ“中学からの準備”が強調されるのか

ここで少し現実的な話。
なぜ、予備校や塾は「中学から医学部コース」を押すのか?

答えはシンプル。
囲い込み”がしたいから。

医学部志望は単価が高く、6年一貫で通えば1,000万円単位の授業料になることも珍しくありません。
もちろん、早く始めること自体が悪いわけではありません。
でも、それが「必要条件」とは限らない。

むしろ、「自分で考えずに塾に丸投げしてしまう親子」が最も失敗するパターンです。

■医学部合格に必要なのは、“タイミング”ではなく“方向性”

医学部受験は、マラソンのようなものです。
スタートが早くても、途中で迷えばゴールにたどり着けません。
遅くスタートしても、戦略を誤らなければ逆転できます。

だからこそ、あなたが意識すべきは「いつ始めたか」ではなく、「今どこを走っていて、どこを目指しているのか」です。

■現役医師として伝えたいこと

僕自身も医学部受験のとき、周りに圧倒されました。
中高一貫で小学生から英語をやっていた同級生。
高校1年で数Ⅲまで終わっていた人。

でも最終的に合格したのは、“自分に合ったペースを守れた人”でした。

他人の速さに惑わされず、目の前の1問を大切に積み上げること。
それこそが、最後に合格を引き寄せる“静かな力”です。

■まとめ

✅ 「中学からでないと間に合わない」は半分ウソ。
✅ 中学でやるべきは“基礎力”と“習慣”。
✅ 高校からでも“戦略設計”で十分間に合う。
✅ 塾任せではなく、“自分の位置を見極める力”が合否を分ける。

医学部合格とは、努力の量よりも方向の問題です。
始めるのが遅くても、戦略さえ間違えなければ、まだいくらでも間に合います。

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