受験直前期。
家の中の空気が、いつもと違うことに気づいている親御さんは多いと思います。
声をかけるべきか、放っておくべきか、何をしたら正解なのか分からない。
でも、現役医師として、そして一人の元・受験生として、はっきり言えることがあります。
受験直前期の親の関わり方は、子どもの一生に残ります。
これは綺麗ごとではありません。

受験直前期、親にできることは多くない
まず大前提として、この時期に親が「勉強を教える」必要はありません。
成績も、判定も、志望校も、受験生本人が一番分かっています。
だからこそ重要なのは、余計な負荷をかけないこと。
その上で、「これだけはやってほしい」というサポートがあります。
① ほしい参考書があれば、すぐに買ってあげる
直前期に「やっぱりこれが必要かもしれない」と受験生が言い出すことがあります。
この時、値段や今さら感で止めないでください。
参考書代は、人生全体で見れば、誤差です。
でも、必要なものをすぐに用意してもらえた安心感は、受験生の集中力を大きく支えます。
私は今でも、「迷わず買ってくれた親の姿」を覚えています。
② 体調管理は、親の最重要ミッション
直前期の受験生は、自分の体調管理が驚くほど雑になります。
・寝不足
・食事を忘れる
・寒さ対策をしない
この部分だけは、親の出番です。
栄養バランスや完璧な健康管理は不要です。
大切なのは、「普段通りの体調を保つこと」。
受験は、体調を崩した瞬間に終わります。
この現実は、医師になった今でも変わりません。
③ 受験の付き添いは、想像以上に心の支えになる
共通テスト、二次試験当日。
会場に向かう朝の緊張は、言葉にできません。
その時、親が一緒にいるだけで、驚くほど落ち着きます。
会話は不要です。
励ましもいりません。
ただ「いつも通り」を保ってくれる存在がいること。
これは、受験生にとって、ものすごく大きな安心材料です。
言ってはいけない言葉
この時期、絶対に避けてほしい言葉があります。
・「大丈夫?」
・「緊張してない?」
・「落ちたらどうするの?」
悪気がないことは分かります。でも、これらはすべて不安を増幅させる言葉です。
代わりに、いつも通りでいてください。
それが、一番のサポートです。
受験直前期の親の行動は、一生残る
少し強い表現をします。
「産後の恨みは一生」という言葉があります。
受験も、同じです。
受験直前期に
・黙って支えてくれた
・必要なものをすぐ用意してくれた
・体調を守ってくれた
この記憶は、合否に関係なく、一生残ります。
私は今でも、あの時期にお世話になった親に、心から感謝しています。
受験の感謝も、一生です。
最後に
親ができることは、受験生を「成功させる」ことではありません。
受験生が本来の力を出せる状態を守ること。
それだけで、十分です。
この数週間の関わり方が、合格以上に大切なものを、親子の間に残すことがあります。
どうか、静かに、でも確実に、支えてあげてください。
それはきっと、何年経っても、感謝される行動になります。



