小論文結論の書き方完全版【採点者視点で解説】m

小論文の結論を完璧に仕上げる実践ガイド【採点基準から逆算する書き方】

小論文において、序論や本論に力を入れて書き進めたものの、結論部分で何を書けばよいか迷ってしまった経験はありませんか。結論は論文の最終印象を決定づける重要なパートであり、ここでの書き方次第で評価が大きく変わります。本記事では、採点者の視点を踏まえ、実践的な結論の書き方を徹底解説します。

小論文における結論の本質的な機能

小論文の結論には、単なる「まとめ」以上の戦略的な役割があります。採点者は結論を読むことで、受験生の思考プロセス全体を評価するのです。

結論が果たすべき機能は大きく分けて三つあります。第一に、論文全体の論旨を凝縮して提示する「集約機能」です。散らばった議論の糸を一本に束ね、読者に明確なメッセージを伝えます。第二に、序論で投げかけた問いに対する答えを明示する「応答機能」です。問いと答えが対応していることで、論文全体に完結性が生まれます。第三に、議論を現実社会や未来へとつなげる「展開機能」です。単なる机上の空論ではなく、実践的な思考力を示すことができます。

これらの機能を意識することで、結論は論文の価値を最大化する装置となります。

結論で絶対に避けるべき致命的ミス

多くの受験生が無意識のうちに犯してしまう結論の失敗パターンがあります。これらを理解し、意識的に回避することが高得点への第一歩です。

論理破綻型の失敗

序論や本論と矛盾する結論を書いてしまうケースです。例えば、本論で「A案には重大な欠陥がある」と論じておきながら、結論で「A案を採用すべきだ」と述べてしまうような場合です。論文を書いている途中で考えが変わることはありますが、その場合は序論から書き直す必要があります。

感情優先型の失敗

「私たち若者が未来を変えなければならない」「この問題に心から向き合うべきだ」といった情緒的な表現で締めくくるパターンです。熱意は重要ですが、小論文で求められるのは論理性です。感情に訴える前に、具体的な根拠と実現可能な提案を示すことが優先されます。

丸投げ型の失敗

「この問題は複雑であり、専門家による更なる研究が必要だ」「社会全体で考えていく必要がある」など、責任を他者に転嫁する結論です。確かに難しい問題もありますが、小論文では「自分なりの答え」を示す勇気が評価されます。

蛇足型の失敗

結論を書き終えた後に、さらに補足説明や別の視点を追加してしまうパターンです。「また、別の観点からは〜」「さらに付け加えると〜」と続けると、論文が締まらず、冗長な印象を与えます。

採点者を納得させる結論の黄金構造

効果的な結論には、明確な構造があります。ここでは、どのようなテーマにも応用できる「結論の黄金テンプレート」を紹介します。

第一層:結論提示部(1〜2文、全体の30%)

接続表現「以上の検討により」「これらの分析から」などを用いて、結論部分の開始を明示します。そして、論文全体の主張を一文で端的に述べます。この部分は論文の「答え」そのものであり、最も力を入れるべきポイントです。

例:「以上の検討により、地域医療の持続可能性を確保するには、医療資源の効率的配分と住民の予防意識向上を同時に推進する統合的アプローチが不可欠である。」

第二層:論拠統合部(2〜4文、全体の50%)

本論で展開した複数の論点を統合し、なぜその結論に至ったのかを簡潔に説明します。ここでは本論の単純な繰り返しではなく、複数の論点を有機的に結びつける「統合の技術」が求められます。

例:「オンライン診療の拡充により地理的制約を克服できる一方で、対面診療でしか発見できない症状も存在する。両者を補完的に活用する体制こそが、医療の質と量を両立させる現実的な解である。」

第三層:展望提示部(1〜2文、全体の20%)

今後の課題、実現に向けた条件、さらなる発展の可能性などに言及します。ここで重要なのは、単なる希望的観測ではなく、論理的に導かれる「次のステップ」を示すことです。

例:「この施策の実効性を高めるには、医療従事者への適切なインセンティブ設計と、住民への継続的な健康教育プログラムの整備が今後の課題となる。」

テーマ別・実践的な結論の書き分け戦略

小論文のテーマは多岐にわたります。それぞれのテーマに応じた結論の書き方をマスターすることで、どんな問題にも対応できる力が身につきます。

対立構造型テーマの結論

「死刑制度の是非」「原発の再稼働」など、賛否が分かれるテーマでは、一方に偏りすぎず、かつ曖昧さを避けるバランス感覚が求められます。効果的な手法は「条件付き賛成(または反対)」の立場を取ることです。

例:「死刑制度については、現時点での完全廃止は時期尚早と考える。しかし、冤罪リスクを最小化する司法制度改革と並行して、段階的に適用範囲を縮小し、将来的な廃止を視野に入れた議論を継続すべきである。」

問題解決型テーマの結論

「高齢者の孤立問題」「若者の政治離れ」など、社会問題の解決策を論じるテーマでは、具体性と実現可能性のバランスが重要です。理想論だけでなく、実行可能な第一歩を示すことで説得力が増します。

例:「高齢者の孤立を防ぐには、行政主導の大規模施策よりも、まず地域の既存コミュニティ(商店街、公民館など)を活用した小規模な交流拠点の創出から始めるべきだ。成功事例を横展開することで、持続可能な支援体制の構築が可能となる。」

比較検討型テーマの結論

複数の選択肢や方法論を比較するテーマでは、優劣の根拠を明確にしつつ、それぞれの長所を認める姿勢も示すことが重要です。

例:「外国語教育において、文法重視と会話重視のどちらが優れているかは一概に言えない。しかし、グローバル化が進む現代においては、実践的コミュニケーション能力の育成を優先しつつ、その基盤として必要最小限の文法知識を習得させる統合的アプローチが最も効果的である。」

価値判断型テーマの結論

「科学技術の発展は幸福をもたらすか」「競争は社会に必要か」など、価値観に関わるテーマでは、多角的な視点を示しつつ、最終的に自分の価値基準を明確にすることが求められます。

例:「科学技術の発展それ自体は価値中立的である。重要なのは、その成果を人間の尊厳と環境保全を最優先に活用する社会的合意の形成である。技術を制御する倫理観と制度設計こそが、真の意味での幸福をもたらす鍵となる。」

時間配分と文字数配分の実践的戦略

限られた試験時間の中で質の高い結論を書くには、戦略的な時間配分が不可欠です。

60分試験での理想的配分

構想・アウトライン作成に10分、序論執筆に8分、本論執筆に30分、結論執筆に7分、見直しに5分という配分が基本です。特に注意したいのは、結論を「残り時間で書く」のではなく、「確保した時間で書く」という意識を持つことです。

文字数に応じた結論の長さ

800字論文では120〜150字、1200字論文では180〜220字、2000字論文では300〜350字が目安です。重要なのは、単に字数を埋めることではなく、密度の高い内容を凝縮することです。一文が長すぎると読みにくくなるため、40〜60字程度の文を3〜5つ組み合わせる構成が読みやすくなります。

結論の質を劇的に高める推敲テクニック

初稿の結論を推敲することで、評価は大きく変わります。以下のチェックポイントを活用してください。

論理一貫性チェック

序論で「Aについて論じる」と宣言したのに、結論では「Bが重要だ」と述べていないか確認します。論文全体で一本の筋が通っているかを検証しましょう。

具体性チェック

「対策が必要だ」「改善すべきだ」といった抽象的表現を、「〜の導入」「〜の整備」といった具体的な行動に言い換えられないか検討します。

冗長性チェック

同じ内容を異なる表現で繰り返していないか確認します。特に「〜であり、〜であり、〜である」という羅列は、読者を疲れさせます。

強度チェック

「〜と思う」「〜かもしれない」「〜と考えられる」など、自信のなさを示す表現を「〜である」「〜だ」「〜が適切である」といった断定的表現に変更できないか検討します。

採点者に評価される表現テクニック

同じ内容でも、表現方法によって印象は大きく変わります。

対比構造の活用

「〜ではなく、〜である」という構造を使うことで、主張が鮮明になります。

例:「問題の根本的解決には、対症療法的な補助金政策ではなく、産業構造そのものを転換する構造改革が求められる。」

数値・固有名詞の適切な使用

抽象的な議論に具体的な数値や事例を加えることで、説得力が増します。

例:「2030年までに再生可能エネルギー比率を40%に引き上げることで、温室効果ガス排出量を基準年比で50%削減できる。」

因果関係の明確化

「〜だから〜である」という因果の連鎖を明示することで、論理の強度が高まります。

例:「医療従事者の地方定着率が低い根本原因は待遇の問題である。したがって、地方勤務に対する経済的インセンティブの大幅な拡充こそが、地域医療崩壊を防ぐ最も直接的な対策となる。」

よくある質問と実践的回答

Q:結論で自分の体験談を入れても良いか?

原則として、結論では客観的な論理を優先すべきです。ただし、「私自身も地方出身者として」など、主張の背景として簡潔に触れる程度であれば問題ありません。体験談が主になってしまうと、論理性が損なわれます。

Q:課題が残されていることを認めると減点されるか?

むしろ逆です。完璧な解決策など存在しないことを理解している姿勢は、思考の成熟を示します。重要なのは、課題を指摘した上で、それでもなお提案する解決策が最善であることを論じることです。

Q:反対意見への配慮は結論にも必要か?

反対意見への言及は主に本論で行うべきですが、結論で「〜という懸念もあるが、〜という理由でそれを上回る利点がある」と簡潔に触れることで、バランスの取れた議論という印象を与えられます。

Q:試験時間が足りず結論が書けない場合は?

結論を完全に省略することは避けるべきです。時間がない場合でも、最低限「以上より、〜である」という1〜2文の結論は必ず書きましょう。本論を少し削ってでも、結論の時間を確保する意識が重要です。

結論を武器に変える継続的トレーニング法

結論の書き方は、知識として理解するだけでは不十分です。実践を通じて身につける必要があります。

ステップ1:模範答案の結論部分を書き写す

優れた小論文の結論部分を丁寧に書き写すことで、リズムや表現のパターンが体に染み込みます。

ステップ2:本論を読んで結論だけ自分で書く

既存の小論文の序論と本論を読み、結論部分だけを自分で書いてみます。その後、元の結論と比較することで、自分の弱点が明確になります。

ステップ3:時間を計って結論だけを書く練習

様々なテーマの論文構成メモ(序論と本論の要点のみ)を用意し、5分間で結論だけを書く訓練を繰り返します。時間制限の中で質の高い結論を書く瞬発力が養われます。

ステップ4:添削を受ける

可能であれば、教師や専門家に添削してもらいましょう。客観的な評価を受けることで、自分では気づかない改善点が見えてきます。

まとめ:結論は論文全体の価値を決定する

小論文における結論は、単なる形式的なまとめではありません。それは、あなたの思考力、論理構成力、表現力を凝縮して示す、論文の真価が問われる場所です。

本記事で解説した構造、表現技術、推敲方法を実践することで、採点者に「この受験生は論理的思考力が優れている」と評価される結論が書けるようになります。

重要なのは、結論を「書かされているもの」ではなく、「自分の考えの到達点を示す場」として捉えることです。論文全体の議論を踏まえ、自信を持って自分の主張を提示してください。

小論文の結論は、受験という枠を超えて、社会人として求められる「結論を明確に述べる力」の基礎を形成します。今日から実践を積み重ね、説得力のある結論を書く力を身につけましょう。


スカイメソッド小論文対策の動画プレゼント!
無料LINE登録で動画を受け取る