指定校推薦は、指定校として認定した高校に数名程度の入学枠を与え、高校から優秀な生徒を推薦してもらう入試制度です。
ほぼ100%の高い合格率が魅力ですが、試験に落ちてしまうケースもゼロではありません。どのようなケースで不合格となってしまうのでしょうか。
今回は、指定校推薦の試験内容、指定校推薦で落ちる理由、指定校推薦で落ちないための対策について、解説していきます。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
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指定校推薦の試験内容は?
そもそも指定校推薦とはどのような入試なのか、まずは指定校推薦の仕組みと試験内容を見ていきましょう。
指定校推薦の仕組み
先ほど触れたように指定校推薦とは、指定校として認定した高校に数名程度の入学枠を与え、高校から優秀な生徒を推薦してもらう入試制度です。
これまでの進学実績などをもとに、大学が高校を信用して与える入学枠であるため、高校から推薦を受けた受験生が基本的に不合格となることはありません。
校内で応募する人が多い場合は、校内選考が行われます。定員は1名から数名程度であるため、人気の有名私大の場合は特に厳しい競争となることが多いです。
校内選考では評定平均が重視されます。大学が出願条件として求める評定を満たした生徒の中で、より高い評定を取っている人が選ばれるのです。部活動や委員会活動、海外での活動やボランティア活動、検定や資格の取得が考慮されることもあります。
校内での選考を勝ち抜くと、大学での選考試験に進み、大きな問題がなければ合格が決まります。
なお、看護系・美術系・医学部は事情が異なります。
指定校推薦であっても100%の合格は期待できません。あくまでも受験方法の一つと考えて臨む必要があります。
指定校推薦の試験内容は?
無事に校内選考を通過したら、大学での選考試験に臨みます。
指定校推薦の試験内容は、面接と小論文が基本です。まれに学力試験を課される場合もあります。
指定校推薦で落ちる理由は?
指定校推薦は大学と高校の信頼関係によって成り立つ制度であるため、高校から推薦された生徒を大学が不合格とすることは基本的にはありません。
しかし、そのような信頼関係を持ってしても、指定校推薦で落ちる人はいます。以下のようなケースに当てはまる人です。
万引き・飲酒・喫煙などの犯罪行為を犯した場合
万引き、飲酒・喫煙、傷害事件など、法に触れる行為を犯した場合、退学処分となり高校を卒業できない可能性があります。すると、たとえ指定校推薦で合格していても、取り消しになります。
退学に至らず停学処分であったとしても、高校側の判断によって推薦が取り消され、合格が取り消しとなることが考えられるでしょう。
留年してしまい高校を卒業できない場合
日本の大学では、国に認可された高校を卒業していることが入学の条件となります。
欠席日数が多い、定期試験の点数や授業態度が著しく悪かったなど、何らかの理由で留年することになった場合、当然卒業できなくなりますので、大学に入学することはできません。
提出書類に不備があった場合
提出する書類に書き漏らしがあったり不足があったりすると、最悪の場合不合格となる可能性があります。
家族や学校の先生と一緒にチェックするなど、不備のないように十分気をつけましょう。
合格後の入学手続きについても同様の注意が必要です。
期限までに間違いなく手続きを行わないと、入学資格を失います。
面接や小論文で著しい減点があった場合
面接や小論文で多少失敗したからと言って、指定校推薦で不合格となることはほとんどありません。
しかし、髪を染めて面接に行くなどして大学側から人物像がふさわしくないと判断された場合や、小論文を白紙で提出してしまったりしたら、不合格となる可能性があります。
もちろん遅刻をして試験を受けることができなかった場合も、不合格となる可能性が高いでしょう。
指定校推薦で落ちないための対策は?
基本的にはほぼ全員が合格する指定校推薦にも、不合格となってしまうケースがいくつかあるということがお分かりいただけたでしょう。
そのような事態を招かないために、ごく当たり前のことですが、次のことに注意しましょう。
合格後も生活態度に気をつける
退学や停学となり、卒業できなくなったり、高校から推薦を取り消しされたりすると、指定校推薦の合格も取り消しになるということをお話ししました。
この記事を読んでいる人に限ってそのようなことはないと思いますが、合格して気が緩んでお酒を飲んでしまう、時間ができたからと言って学校で禁止されているアルバイトをしてしまう、などといったことは決してしないようにしましょう。
合格後も授業は真面目に受ける
赤点を取った場合、授業態度が著しく悪いなどの場合、厳しい高校だと推薦が取り消されることもあるようです。合格が決まっても気を抜かず、授業は真面目に受けてテストの成績も落とさないようにしましょう。
面接や小論文対策を十分に行う
指定校推薦の入試は面接と小論文であることが基本です。よほどのことしなければ不合格にはならないとしても、しっかりと対策を立てて試験に臨みたいところです。
面接で求められるマナーや身だしなみ、頻出の質問は、事前に調べて練習しておくようにしましょう。
小論文についても事前準備が必要です。志望先の学部や学科によって、頻出テーマはある程度絞ることができます。テーマに関する知識を身に付け、論理的に意見を述べられるように練習しましょう。書いたら添削してもらい、弱点を補ってまた書く、ということを繰り返してみてください。
まとめ
指定校推薦の校内選考を勝ち抜けるような人は、高校入学から一貫して学習も生活態度も真面目に取り組んできた人ばかりだと思います。面接や小論文の対策もしっかり行って入試に臨みましょう。そしてめでたく合格したあかつきには、ペースを見出すことなく、卒業までの時間を有意義に使ってくださいね。