こんにちは!スカイ予備校メディカルアンバサダーのめでぃたです。
「うちの予備校は合格率80%!」
「医学部合格者◯◯名突破!」
――こんな広告、どこかで見たことありませんか?
でも、その数字。
本当に“あなたの子ども”にも当てはまると思いますか?
今回は、医学部専門予備校で実際に働いた経験をもとに、“医学部受験産業のリアル”と、“広告のトリック”を冷静に解説します。
結論から言います。医学部専門予備校の多くは「嘘はついていない」けど「真実も語っていない」。

トリック①:「合格率80%」の正体
「うちは合格率80%です!」
…この数字、よく見ると“在籍生”ではなく、“最終残留生”で計算しているケースが多いんです。
どういうことか?
- 春の段階で100人いた生徒のうち、
夏までに成績不振やメンタルダウンで30人が退塾。 - 秋以降、残った70人のうち56人が医学部に合格した。
→ このとき「合格率80%(=56/70)」と発表できるんです。
でも、実際の合格率は56/100=56%。
つまり、途中で脱落した生徒は“統計から消える”。
「うちは面倒見がいい」という宣伝の裏で、“途中で消えていく子”の存在がきれいに隠されてしまっているのです。
トリック②:「合格者◯◯名!」のカラクリ
「医学部合格者120名突破!」という広告も多いですよね。
実はこれも、次のような“カウントマジック”があります👇
- 同一人物の複数合格をすべてカウント
例)A君が「順天堂」「昭和」「東邦」の3校に受かれば、3名と数える。 - 通信コース・短期講習生も含む
1回の講座だけ受けた生徒も「合格者」としてカウント。 - 既卒の再チャレンジ組も加算
前年に浪人していた生徒が別予備校で受かっても、「以前うちにいた」としてカウント。
だから「合格者120名!」と聞いても、実際の“合格した生徒数”は60人前後なんてことも珍しくありません。
トリック③:「少人数制=面倒見がいい」わけではない
広告でよく見る「少人数制指導」。
確かに、一見すると“手厚く見える”ワードです。
でも、現場を見てみると――
- クラス5名でも講師が1人で3教科兼任。
- 担任制度といいつつ、週1回5分の面談だけ。
- チューターが大学生アルバイト。
つまり、「少人数」=「丁寧な指導」とは限らないんです。
少人数制は“コスト削減の結果”というケースもあります。
むしろ本当に面倒見がいいのは、「教務スタッフが生徒の顔と成績を全員把握している」予備校。
人数の多寡ではなく、「一貫したサポート体制」があるかどうかが肝です。
トリック④:「年間費用200万円」の“実質3倍”問題
パンフレットには「年間学費200万円」と書かれていても、
実際に支払う金額は300〜400万円になることが多いです。
その理由は──
- 夏期講習・冬期講習が別料金
- 教材費・管理費・模試代がオプション扱い
- 指導カリキュラムが「面談でアップグレードされる」
「○○大対策コースを取らないと受かりませんよ」と言われ、
気づけば100万円単位で追加されていくパターン。
これ、実はどの予備校でも“営業トーク”としてマニュアル化されています。
トリック⑤:「合格体験記」は“編集されている”
サイトやパンフに載っている「合格体験記」も、
生徒が書いたままではありません。
現場ではこういう流れが一般的です👇
- 合格者にアンケートを書かせる
- 広報担当が「良いところだけ」抜粋
- 実際の文体を修正・編集して公開
つまり、本人が言っていないことまで「〜先生のおかげで合格しました!」と
書かれていることもあります。
もちろん、予備校が悪意を持っているわけではない。
でも、“合格実績を最大限に見せる”という文化があることは確かです。
どう見抜けばいいのか?【保護者チェックリスト】
- 「数字の根拠」を聞く
→「合格率」は“どの母集団で計算していますか?” - 追加費用の上限を確認する
→講習や教材費の目安を明確に。 - 講師の勤務形態を聞く
→専任か、外部委託か。 - 面談の頻度と中身を確認
→「月1回」は要注意、実際の関与度が低いことも。 - 卒業生の声を“直接”聞く
→SNSや口コミで“生の声”を探すのが一番リアル。
まとめ:広告より“現場の温度感”を見よ
医学部専門予備校は、確かに“最後の砦”として多くの受験生を支えてきました。
しかしその一方で、「焦る親の心理」を利用して“数字で安心させる”構造があるのも事実。
だからこそ大切なのは、「数字」ではなく「現場の空気」を見ること。
体験授業で感じる講師の熱量、教務スタッフの対応スピード、そして何より、生徒同士の表情。
それが、その予備校の“本当の実力”です。
私は複数の医学部専門予備校に関わってきましたが、“本当に良い塾”は必ず「誠実に現状を伝える」という共通点がありました。 「うちは奇跡は起きません。でも、努力が結果に変わるように全力で伴走します」そう言える予備校こそ、信頼していいと思います。



