記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
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スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
千葉県立保健医療大学 健康科学部の小論文対策
[令和5年度 学校推薦型選抜 60分]
問題 次頁からの図および課題文をもとに以下の問に答えなさい。
課題文は非公開です。
出典・課題文:内閣府、消防庁、厚生労働省、全国社会福祉協議会、他 8 団体主唱.令和4年「老人の日・老人週間」キャンペーン要綱(一部抜粋)
図1 65歳以上の人のいる世帯の世帯構造の推移
図2-1 高齢の親との同居に関する考え方
(「年をとった親は子ども夫婦と一緒に暮らすべきだ」に対する回答)
図2-2 子どもや孫とのつきあい方にかかる意識の推移
図3 世帯構造別にみた生きがいを感じている高齢者の割合
問1 図1は65歳以上の人のいる世帯の世帯構造の推移を表したものである。この図から読み取れる特徴を簡潔に説明しなさい。
問2 図2-1は高齢の親との同居に関する有配偶女性の考え方の推移を表したものである。図2-2は子どもや孫とのつきあい方にかかる60歳以上の男女の意識の推移を表したものである。これら2つの図から読み取れる特徴を簡潔に説明しなさい。
問3 図3は生きがい(喜びや楽しみ)を感じている高齢者の割合を世帯構造別に表したものである。この図から読み取れる特徴を簡潔に説明しなさい。
問4 課題文は「老人の日・老人週間」キャンペーン要綱の一部を抜粋したものである。図1~3と課題文をふまえて、高齢者が健康で安心して、生きがいのある生活を送ることができる社会にしていくためにはどのような課題があり、それに対してどのような取り組みが良いか、具体例をあげながらあなたの考えを450字以上500字以内で述べなさい。
ポイント
出題意図
高齢者の世帯構造や生きがいに関する調査結果と、「老人の日・老人週間」キャンペーン要綱を題材とした。
少子高齢化や核家族化などによって高齢者の一人暮らしは年々増加しており、孤独死や認知症の進行など様々な問題との結びつきが懸念されている。また、近年の新型コロナウイルス感染症の流行は独居高齢者の社会的孤立を一層深刻なものとする契機となった。このような「生きづらさ」を感じやすい状況とも言える社会において、長期化する高齢期の生活をどのように成り立たせていくかは重要な課題である。そこで、本選抜入試では世帯規模の縮小という背景をふまえつつ、高齢者が安心して活力のある生活を送ることができる高齢社会対策について論述する問題とした。
問1~3では、図から情報を読み取る理解力、読み取った内容から要点を見出す判断力、その要点をまとめて記載する表現力をみる。問4では、図と課題文から情報を読み取る理解力、読み取った内容を踏まえて自身の意見を論理的に展開する論理的思考力、その意見を制限字数内で記載する表現力をみる。
<千葉県立保健医療大学の公開内容からの引用>
小論文過去問題解説
「老人の日・老人週間」キャンペーン要綱を題材に高齢者が健康で安心して、生きがいのある生活を送るための課題や取り組みについての考察が求められています。
- 図から情報を読み取る力:
- 図1~3に示されたデータを正確に理解し、数字や傾向を把握することが求められます。数字の大小や増減、図の内容と課題文の関連性を見る力が必要です。
- データから要点を見出す判断力:
- 図1~3から、高齢者の世帯構造や生きがいに関する傾向や変化を把握し、問いに適した情報を選択する判断力が必要です。
- 自身の意見を展開する論理的思考力:
- 課題文に基づいて、高齢者が健康で安心して、生きがいのある生活を送るための課題や取り組みについての意見を論理的に展開する必要があります。
- 450字以上500字以内という制限内で、具体例や根拠を挙げつつ、結論に導く論理的思考が求められます。
- 社会的な背景を考慮した論述:
- 少子高齢化や新型コロナウイルス感染症の影響など、社会的な背景を踏まえて課題や取り組みを考える必要があります。
- 「生きづらさ」や社会的孤立といった現象を理解し、それに対する具体的な社会的対応を示すことが望まれます。
- 結論の適切な締めくくり:
- 提案や考察をまとめ、締めくくりが適切であるかが重要です。具体的な解決策や改善点、社会への助言などを明確に示すことで、答えがより有益になります。
これらの要素をバランスよく組み合わせ、課題文と図を適切に活用して自身の論述を展開することが、この問題において期待されているポイントです。
千葉県立保健医療大学の所在地・アクセス
所在地 | アクセス |
幕張キャンパス 千葉県千葉市美浜区若葉2-10-1 | JR「幕張」駅から徒歩15分 JR「海浜幕張」駅から徒歩15分 京成「幕張」駅から徒歩15分 |
仁戸名キャンパス 千葉県千葉市中央区仁戸名町645の1 | 京成千原線「大森台」駅から徒歩25分 JR「千葉」駅からバスで約25分 「ジェイコー千葉病院」下車徒歩約8分 |
【千葉県立保健医療大学】のHPはこちら
千葉県立保健医療大学の入試傾向
千葉県立保健医療大学の入試傾向は、以下のような特徴があります。
千葉県立保健医療大学の入試は、前期日程のみが設けられており、一般選抜においては大学入学共通テストが重要な要素となっています。各学科・専攻で共通しているのは、共通テストが5教科5~6科目で構成され、個別学力検査が小論文と面接であることです。特に、リハビリテーション学科の理学療法学専攻は倍率が高く、4.7倍となっています。
共通テストの対策においては、過去の共通テストの出題傾向を分析し、各科目ごとに苦手な分野を特定して補強することが重要です。模擬試験を行い、試験形式に慣れ、時間配分を確認することも効果的です。
小論文と面接においては、看護・医療系の大学の過去問を参考にして、問題の形式や対策を練ります。特に、認知症に関するテーマが出題されることがあるため、基本的な知識を身につけ、自らの意見や考えを明確に表現できるようにしておく必要があります。
倍率の高い学科・専攻に応募する場合は、そのアドミッションポリシーや教育理念を理解し、志望動機や自己PRを具体的に準備します。自分の経験や活動を通じて、なぜその学科・専攻に適しているかをアピールすることが求められます。
最終的には、自己分析を徹底し、将来の目標や興味を考えながら、適切な学科・専攻を選択することが合格への道を切り開くポイントです。
千葉県立保健医療大学の募集コース
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健康科学部(定員数:180人)
カリキュラムは、特色科目、一般教養科目、保健医療基礎科目、専門科目の4大科目群からなる。特色科目は体験ゼミナール、「千葉県の健康づくり」、「専門職間の連携活動論」、「社会実習(自由科目)」の科目があり、協働によるケアの質の向上を目指す。保健医療基礎科目は、「人間のこころと身体」「健康と保健医療システム」の科目群から構成され、他学科専攻の学生が交流しながら学び、専門科目の学習につなげる。
看護学科(定員数:80人)
看護学科では、高い倫理観と豊かな人間性、保健医療の高度化・専門化、社会的ニーズの多様化に対応できる確かな専門的知識と技術を持ち、保健医療の現場で活躍できる看護専門職を育成する。チーム医療を念頭に置いた実践力重視のカリキュラムを構成する。
栄養学科(定員数:25人)
栄養学科では、「食」を生活の基本ととらえ、科学的な根拠に基づく人間教育を行い、それを生かして保健医療の場で活躍、成長し続けることができる人材を育成する。生活の多様化に伴う食習慣の変化、食育、生活習慣病、食の安心・安全性などの社会的課題に対処し、健康増進、疾病予防、介護栄養に取り組む専門家を目指す。
歯科衛生学科(定員数:25人)
歯科衛生学科では、歯科衛生の立場から、一人ひとりの生活環境や健康状態、機能障害の有無に応じたニーズを明確に把握し、それに応じて自己の能力を発揮できる人材を育成する。
リハビリテーション学科(定員数:50人)
リハビリテーション学科では、リハビリテーション対象者の病期・年齢・障害などに応じた、適切なリハビリテーション技術としての支援・援助・指導の基本的能力と、対象者およびその家族に接する基本的態度を養う。
理学療法学専攻(定員数:25人)
理学療法学専攻では、豊かな人間性、科学的思考力、倫理的判断力などを磨き、理学療法の技術を備えた人材を育成。早期から臨床教育や研究を行う。
作業療法学専攻(定員数:25人)
作業療法学専攻では、対象者にとっての作業活動の効果や意味を考察し、適切な作業療法を行うことを目指す