【推薦入試】周南公立大学 経済経営学部(小論文過去問題解説)

推薦入試

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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周南公立大学 経済経営学部の小論文対策

[令和5年度 学校推薦型選抜 90分]

問題

現代社会では、今後さらに進むと考えられている少子高齢化の中で、医療費や介設貴用に掛かる国の財政負担を軽減するためには、「日常的に介護を必要とせず、心身共に自立して暮らすことができる期間」を意味する「健康寿命」を延伸させることが重要であるとされ、国は様々な施策を行っています。 そのうち、「適度な運動」がいわゆる生活習慣病の罹患リスクを低減するということが科学的根拠とともに示されており、日常生活の中で積極的に運動を取り入れることが推奨されています。

図1 日本人の介護を必要とした要因の内訳(出所:令和元(2019)年度 「国民生活基礎調査結果」(厚生労働省)より作成)

図2 日本人の死因の内訳(出所:令和元(2019)年度 「人口動態統計月報年計」(厚生労働省)より作成)

図3 運動・ スポーツの実施阻害要因(出所:令和 3 (2021) 年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(スポーツ庁)より作成)

表1 日本人の運動習慣に関する調査結果(出所:令和 3 (2021) 年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(スポーツ庁)より作成)

設問1 図1と図2を比較し、現代社会における日本人の健康上の問題点を指摘しなさい。また、健康寿命を延伸させるためにはどのような対策が必要だと考えるか、あなたの考えを述べなさい。本設問は、500字以内で答えなさい。

設問2 表1と図3を比較し、日本人の運動習慣における問題点を指摘しなさい。また、日常生活の中に「適度な運動」を取り入れ、習慣化させるためにはどのような対策が必要だと考えるか、「まちづくり」という観点からあなたの考えを述べなさい。本設問は、500字以内で答えなさい。

ポイント

【出題意図】
日本人の健康寿命と運動習潰に関する資料から出題した。 現代社会では、 今後さらに進むと考えられている少子高齢化の中で、 医療費や介護費用に掛かる国の財政負担を軽減するためには、 「 日常的に介護を必要とせず、 心身共に自立して暮らすことができる期間」を意味する「健康寿命」を延伸させることが重要であるとされ、 国は様々な施策を行っている。そのうち、 「適度な運動」がいわゆる生活習慣病の罹患リスクを低減するということが科学的根拠とともに示され、 日常生活の中で積極的に運動を取り入れることが推奨されている。新型コロナウィルス感染症の拡大が日本のみならず世界の経済に大きな打撃を与えている状況があり、 人々の健康と経済活動を両立させなければならない難しい社会情勢が長期化の様相を呈する中、 様々な傷害や疾病を予防する重要性、 そのためには適度な運動習慣がいかに重要であるかを実体験に基づく主観とデー タに基づく客観の両面から論じられるか否かを問う問題である。
設問1では「介護を必要とした要因」と「死因」の2つのデータを見比べ、 現代社会における日本人の健康上の問題点を読み解くとともに、 そこから健康寿命を延伸させるために必要な対策を考察させている。解答のポイントとして、

●「介護を必要とする状態」と「死に至る」こととは必ずしも一致しないという点に気付き、端的に説明できるか。
例) 介護を必要とした要因の第1位は「認知症」であるが、死因の中に認知症は含まれない
(アルツハイマー病がそれに近いが、1. 5%しかない)。死因の第1位は「悪性新生物(がん)」であるが、介護を必要とした要因の中で悪性新生物(がん) はわずか3%である。「脳血管疾患」は介護を必要とした要因の第2位(16%)であるが、死因では第4位(7. 7%)。

●健康寿命を保つために 「適度な運動が重要であることが冒頭の説明文で述べられているので 設問の前半で述べた健康上の問題点を解決するために運動習慣がどのように寄与するのかを自身の考えとしてどの程度論理的に説明できるか。
かを自身の考えとしてどの程度論理的に説明できるか。

設問2では、設問1で健康上の問題点を解決するためには適度な運動習慣が重要であることを認識させながらも、 一方で適度な運動を習慣化させることは非常に難しいという現実に対し、その原因をデータから読み解くとともに、その解決策を 「まちづくり」という観点から考察させている。解答のポイントとして、

● 表1から、運動不足を感じている人は経年的に増加傾向にあるにも関わらず、運動・スポー
ツの実施率はわずかに低下傾向にあるという点、注意書きから運動・スポーツの実施率は一見高いように見えて、その質はかなり低いのが実態であるという点に気付き、端的に説明できるか。

● 図3の運動実施阻害要因の第1位である 「仕事や家事が1亡しいから」という理由づけがやむを得ない理由であるかのように見えて、その実態は第2位の 「面倒くさいから」が真の理由であり、表1の見せかけの高い運動・スポーツ実施率とともに、表面的なデータの裏に潜む 人間の深層心理、つまり、「運動は重要だと頭では分かっていても、何かと理由をつけて運動 しない、しているから大丈夫と自分自身に言い聞かせる」=行動心理学で言うところの「 防衛機制」が働いていることに気付けるかどうか。
● 運動・スポーツをすることに抵抗感があったり消極的な人に対し、どうしたら習慣的な運動を生活の一部として取り入れられるのかを 「まちづくり」という観点から論理的に説明できるかどうか。主体性、論理性、新規性、行動心理学のセルフエフィカシー(自己肯定感)と意思決定バランスの観点がどの程度含まれているか。
例)仕事や家事が忙しいという人でも運動しやすいように、職場や自宅の近く、ショッピングモールの中、すべてのコンビニの駐車場等、アクセスしやすい場所に無料で使えるエクササイズスペースを作る。

の3点が評価を分けると考える。

<周南公立大学の公開内容からの引用>

小論文過去問題解説

設問1:図1と図2の比較により、現代社会における日本人の健康上の問題点が明らかになります。図1からは、高齢者の介護を必要とする要因として、認知症や対人関係の問題が目立っています。これは高齢化が進行する中で、認知症の発症率が増加し、高齢者の社会的孤立が問題となっていることを示唆しています。図2からは、がんや心疾患などの生活習慣病が主要な死因であることが分かります。これは、現代の生活環境やライフスタイルによって生活習慣病が増加しており、健康寿命の短縮につながっています。

健康寿命を延伸させるためには、以下の対策が必要と考えます。まず、健康な生活環境の提供が重要です。社会的な孤立を減少させ、認知症患者への支援を強化することが必要です。また、健康づくりのための教育と啓発活動を行い、生活習慣の見直しを促進することも重要です。予防医療や定期健康診断の普及も健康寿命延伸に寄与します。

設問2:表1と図3の比較から、日本人の運動習慣における問題点が浮かび上がります。図3に示されているように、運動・スポーツの実施を妨げる要因として、「忙しい生活」や「体力不足」が挙げられています。同時に、表1からは多くの人が十分な運動を行っていないことが明らかです。

「まちづくり」の観点から、日常生活の中に適度な運動を取り入れ、習慣化させるためには、以下の対策が必要と考えます。まず、公共の場所や街中に運動施設や公園を整備し、アクセスの容易さを確保します。地域社会における運動イベントやクラブの促進を支援し、人々が楽しみながら運動を行える機会を提供します。さらに、学校や職場での運動プログラムの普及を図り、忙しい生活においても運動を取り入れやすくします。

このような取り組みは、個人の健康意識を高め、日常生活に運動を取り入れやすくすることで、日本人の運動習慣を改善し、健康寿命の延伸に貢献します。

周南公立大学の所在地・アクセス

所在地アクセス
山口県周南市学園台843-4-2「徳山」駅から久米温泉口行バス20分 
大学高専下下車 徒歩3分
「徳山」駅から徳山高専行バス20分 
大学前下車 徒歩1分

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周南公立大学の入試傾向

周南公立大学では、一般入試や推薦入試、特別入試など、複数の入試種別が提供されています。受験資格と試験内容は入試種別によって異なります。また、各学部や学科によって必要な試験科目が異なります。一般的に、国語、数学、英語などの基本科目が含まれることがあります。

周南公立大学の募集コース

令和6(2024)年度経済経営学部  募集要項はこちら

令和6(2024)年度人間健康科学部 募集要項はこちら

令和6(2024)年度情報科学部   募集要項はこちら

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人間健康科学部(定員数:220人)2024年4月設置予定(認可申請中)

スポーツ健康科学科(定員数:80人) 2024年4月設置予定(認可申請中)

スポーツ技能の向上をはじめ、地域に暮らす人々のスポーツを活用した健康・幸福の向上を目指すリーダーを育成。履修モデルの設定により、志向に応じた学びが可能です。また、教育・研究成果を地域に還元することで健康な地域づくりにも貢献します。

看護学科(定員数:80人) 2024年4月設置予定(認可申請中)

質の高い看護を実現し、豊かな生活と未来の健康を創造する看護師を目指す質の高い看護の提供は、命や生活を支え「未来の健康」の実現につながります。複雑化・多様化の進む、これからの医療提供体制に対応し、看護師や保健師として地域の健康創生に貢献できる人材を育てます。

福祉学科(定員数:60人) 2024年4月設置予定(認可申請中)

子どもから高齢者までの福祉問題の解決に向け、地域を基盤とした「ソーシャルワーク」を土台に「保育」と「介護」への理解を深めるとともに、地域に暮らす人々の健康増進に貢献できる力を身につけます。

経済経営学部 経済経営学科 (定員数:160人)

経済と経営の基礎的な知見を学修し、「地域経済経営」「グローバルビジネス」「地域ビジネスデザイン」3つの履修モデルで専門的な学びを深めます。地域社会が直面する課題にアプローチし、持続的発展に貢献できる人材を育成します。

情報科学部 情報科学科(定員数:100人) 2024年4月設置予定(認可申請中)

科学技術の発展に貢献できるICT・データサイエンスの学びと、現代社会において欠かすことのできない情報科学の知識・技術を修得。情報科学のエキスパートとして、地域の産業を支え、活性化に導く人材を目指します。

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