2026年 選挙と若者の一票 ―受験勉強と民主主義は繋がっている

2026年 選挙と若者の一票 ―受験勉強と民主主義は繋がっている 五十嵐校長コラム

2026年 選挙と若者の一票 ―受験勉強と民主主義は繋がっている

2026年、18歳の高校生が初めて投票所に足を運び、真剣な眼差しで一票を投じる姿を目の当たりにした時、私は深い感動とともに確信しました。長年、受験指導に携わってきた経験から得た信念が、再び私の心を強く揺さぶったのです。それは、受験勉強で培われる能力と、健全な民主主義社会を築くために不可欠な市民としての資質が、まさしく根っこで深く、そして強固に繋がっているという確信です。

スカイ予備校で30年間、多くの高校生や大学生の夢を追いかける姿を見守り、彼らの成長を間近で感じてきた私、五十嵐校長が、今日はこの重要なテーマについて、皆さんに熱く語りかけたいと思います。

「政治は難しい」という思い込みを壊そう

多くの生徒たちが、私にこう言います。「政治は難解で、自分には関係ない遠い世界の話だ」と。その言葉を聞くたびに、私は彼らの視線を捉え、問いかけます。本当にそうでしょうか? 皆さんが今、まさしくこの瞬間を生きているその日常、その未来が、政治と無関係だと断言できるでしょうか。

毎日の通学で利用する電車の運賃が決定されるプロセス、コンビニエンスストアで手にするお気に入りのパンの価格を左右する経済政策、皆さんがこれから進学を目指す大学の学費の制度設計、そして将来、社会に羽ばたいた時の就職環境の良し悪し――これらすべてが、私たちが選んだ、あるいは選ばなかった政治家たちの決定や選択によって、良くも悪くも形作られているのです。そして、皆さんが今まさに全身全霊を傾けて取り組んでいる大学受験の制度そのものも、まさに政治的な議論と決定の積み重ねによって成り立っています。

確かに、「政治は難しい」と感じるのは当然の感情かもしれません。しかし、考えてみてください。皆さんが初めて数学の微分積分に触れた時、あるいは複雑な物理法則の数式を前にした時、最初は戸惑いや難しさを感じたはずです。それでも皆さんは、日々の努力を重ね、一歩ずつ理解を深め、最終的にはその壁を乗り越えてきました。政治も全く同じです。最初からすべてを完璧に理解する必要などありません。大切なのは、「自分にも関係があることなのだ」という関心を持つことから始めることです。その一歩が、大きな変化の始まりとなるのです。

受験で鍛えた「問題分析力」が政治参加の強力な武器になる

私が皆さんに最も伝えたいことの一つは、他でもありません。それは、皆さんが今、まさにスカイ予備校の教室で、あるいは自宅の机に向かい、日々心血を注いで受験勉強で身につけているその能力こそが、主体的な政治参加を果たす上で、極めて強力な武器となるという事実です。

  1. 現代文の長文読解において、「筆者の最も伝えたい主張は何か?」「その主張を裏付ける根拠はどこにあるのか?」と、文章の奥深くまで分析し、本質を読み解く力。
  2. 数学の難解な問題に直面した時、「この問題の本質はどこにあるのか?」「どのようなアプローチで解決に導くことができるのか?」と、論理的に思考し、解決策を導き出す力。
  3. 社会科の膨大な情報の中から、重要なキーワードや歴史的背景を抽出し、それらを関連付けて理解する力。

これらの能力は、受験という狭い枠組みの中だけで完結するものではありません。これらは、政治家が掲げる政策の真意を見極めたり、複雑に絡み合った社会問題の根源を探り、その解決策を多角的に考える際にも、そのまま応用できる普遍的な思考力なのです。

具体的な例を挙げてみましょう。例えば、ある政治家が「教育予算を大幅に増やす」という公約を掲げたとしたらどうでしょうか。受験勉強で培った皆さんの鋭い分析力があれば、単にその言葉を鵜呑みにすることなく、立ち止まって考えることができるはずです。「具体的にどの程度の規模で増額するのか?」「そのための財源はどこから捻出するのか?増税なのか、それとも他の予算を削減するのか?」「そして、その公約は現実的に実現可能なのか?」と、冷静かつ多角的に情報を精査し、その政策の妥当性を判断することができるようになるのです。これはまさに、論理的思考と批判的思考力の結晶であり、民主主義社会において最も求められる資質の一つと言えるでしょう。

私の指導経験の中でも、多くの生徒が、最初は単なる暗記科目として捉えていた社会科や公民の知識が、ある時を境に「生きた知識」へと変貌を遂げる瞬間を目の当たりにしてきました。彼らがニュースで政治家の発言を聞いたり、社会問題に関する議論に触れたりする中で、受験で培った知識と分析力が結びつき、より深い理解と洞察を得るようになるのです。これは、まさに皆さんの学習が、机上の空論ではなく、現実社会に直結している証拠なのです。

若者の投票率が変われば、何が変わるのか

ここで、皆さんに具体的な数字を示しながら、若者の投票が持つ計り知れない影響力について考えてみましょう。

直近の国政選挙である2021年の衆議院議員総選挙におけるデータを見てみると、18歳から19歳の若年層の投票率は約43%にとどまりました。一方で、60代の投票率は約75%、70代に至っては約74%という高い水準を示しています。この数字の差は、何を意味するのでしょうか。

もし、皆さんの世代、つまり18歳から19歳の投票率が、上の世代と同じく70%程度まで上昇したとしたら、一体何が起こると思いますか? 単純な計算ではありますが、これにより約140万票もの新たな有権者の声が、選挙結果にダイレクトに反映されることになります。この140万票という数字は、決して軽視できるものではありません。

2021年の選挙では、わずか数百票、あるいは数十票という僅差で当落が決まった選挙区が、全国各地に存在しました。このような状況下で、もし若者の投票率が飛躍的に向上すれば、それは個々の選挙区の勝敗を左右するだけでなく、国全体の政治の方向性をも大きく変える力となるでしょう。政治家たちは、今まで以上に若者の声を真摯に受け止め、若者に関わる政策課題に対して、もっと真剣に議論し、具体的な解決策を打ち出すことを迫られるようになるはずです。

具体的には、皆さんの将来に直結する大学の学費問題、就職氷河期の再来を防ぐための雇用政策、地球規模で喫緊の課題となっている気候変動対策、あるいは少子高齢化社会における社会保障制度の持続可能性など、多岐にわたる政策分野において、若者の視点や意見がこれまで以上に尊重され、政治の中心に据えられるようになるでしょう。皆さんの「一票」が、単なる数字ではなく、自分たちの未来を形作る具体的な力となることを、私は心から信じています。

教科書の知識が「生きた知識」に変わる瞬間

皆さんは、中学校や高校の社会科、公民の授業で、「三権分立」や「地方自治」、「国民主権」といった概念を学んできたことと思います。中には、大学受験のために、これらの知識を懸命に暗記した人も少なくないでしょう。

しかし、実際に選挙に足を運び、自分の一票を投じた後に、その当選した議員が国会や地方議会でどのような活動をしているのか、ニュースを通じて、あるいは直接、その議事録などを通して見てみてください。その時、皆さんが教科書で学んだ抽象的な知識が、突如として息吹を持った現実として、目の前に鮮やかに現れるのを実感できるはずです。「ああ、国会とは、まさにこういう場所で、私たちの代表が議論を重ねているのか」「地方議会というのは、こんなにも私たちの身近な生活に直結する問題を日々扱っているのか」と、深い納得と発見があるでしょう。

私の教え子の中に、初めての選挙後、興奮冷めやらぬ様子でこう報告してくれた生徒がいます。「五十嵐先生、今まで暗記していた憲法の条文が、急に身近なものとして感じられるようになりました!ニュースで聞く政治家の発言一つ一つが、憲法のどの原則に則っているのか、あるいは逸脱しているのか、なんとなく分かるようになったんです」。これはまさに、抽象的な知識と現実世界が強固に結びつき、単なる暗記が「生きた知恵」へと昇華された瞬間でした。このような経験は、皆さんの知的好奇心をさらに刺激し、学びを深める原動力にもなるでしょう。

私自身も、若い頃は政治にそこまで関心がありませんでした。しかし、教育現場に身を置く中で、教育制度が政治によって大きく左右されることを痛感し、次第に政治への関心を深めていきました。そして、実際に投票に行き、その後の政治の動きを追う中で、教科書で学んだ歴史や制度が、決して過去のものではなく、常に現在進行形で私たちの社会を形作っているのだということを実感しました。この感覚は、皆さんの世界観を広げ、物事を多角的に捉える力を養う上で、非常に貴重な経験となるでしょう。

「自分の一票が未来を作る」という主体意識

最後に、私が皆さんに最も伝えたい、そして最も大切なメッセージをお話しします。それは、皆さんが今、スカイ予備校で日々行っている受験勉強と、民主主義社会における市民の役割が、本質的に同じ「主体性」に基づいているということです。

皆さんは受験を通じて、「自分の努力が、自分の未来を切り開く」というかけがえのない経験をしています。寝る間を惜しんで参考書を読み込み、過去問を解き、弱点を克服するために試行錯誤を重ねる。その一つ一つの努力が、志望校合格という具体的な成果に結びつくことを、肌で感じているはずです。これと同じように、一票を投じるという行為は、単なる手続きではありません。それは、「自分がこの社会の未来に積極的に参加し、その方向性を決定する一員である」という、揺るぎない主体意識の表明なのです。

「たった自分の一票で、一体何が変わるの?」そう思う気持ちも、非常によく理解できます。しかし、歴史を振り返ってみてください。社会を大きく変革したムーブメントや、人々の生活を向上させた政策の多くは、最初の一歩を踏み出した、たった一人の小さな行動から始まっています。そして、その小さな行動が、やがて多くの人々の共感を呼び、大きなうねりとなって社会を動かしてきたのです。受験勉強だって、一日一日の地道な学習の積み重ねが、最終的に合格という栄光につながるのと同じです。たった一日で、突然学力が飛躍的に向上することはありません。しかし、その一日の努力がなければ、最終的な合格はあり得ないのです。

民主主義は、私たち一人ひとりが主役であり、主人公です。グラウンドの外から、あるいは客席から、ただ傍観者として試合を眺めているだけでは、何も変わりません。皆さんがそれぞれの持ち場で、それぞれの立場で、自らがグラウンドに立ち、自分の手で未来を創造していく。それが、民主主義の本質であり、皆さんの若い力と情熱が最も必要とされる所以なのです。

2026年、そしてその先の遠い未来に向けて、スカイ予備校で学んだ皆さんが、受験勉強で培ったその素晴らしい分析力、論理的思考力、そして何よりも「自らの力で未来を切り開く」という主体性を、ぜひ社会の様々な場面で遺憾なく発揮してくれることを、私は心から願い、そして確信しています。皆さんの未来が、そして日本の未来が、皆さんの手によってさらに輝かしいものとなることを期待しています。

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