2021年度入試より、AO入試は『総合型選抜』に改められました。
総合型選抜、という名前は知っていても、旧AO入試とは何が違うのでしょうか。
そして、総合型選抜には評定は関係あるのでしょうか。
多くの人が気になる点だと思います。
今回は、総合型選抜と旧AO入試の違いや総合型選抜と評定平均の関係について解説します。
総合型選抜を考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね!
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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総合型選抜(旧AO入試)について
2021年度の入試から、AO入試は『総合型選抜』という名前に変わりました。
でも何が違うの?名前が変わっただけ…?と思っている人も多いかもしれませんね。
また、選考の流れなどから学校推薦型選抜と似ていると思う人もいるかもしれません。
では、総合型選抜とは具体的にどのような試験なのか、旧AO入試と何が違うのかを早速みていきましょう!
総合型選抜(旧AO入試)はどんな試験?
総合型選抜とは、大学・学部がそれぞれの『アドミッション・ポリシー』に合った学生を選抜する方式の試験です。
学校推薦型選抜は学業成績や課外活動の実績を踏まえて選考を行いますが、総合型選抜はそれに加えてアドミッション・ポリシーに沿った評価が行われます。
『アドミッション・ポリシー』とは、大学・学部側がどのような人物を求めているかをまとめたもの。
当然ですが、大学・学部によって異なる内容です。
アドミッション・ポリシーはとても細かく書かれているよ。
大学のホームページなどに書かれているので、しっかり読み込もう!
その上で、自分がその大学で何をしたいのかや何ができるのか、学んだことを将来にどのように活かしていきたいのかを考えていくことになります。
選考はほとんどの場合調査書や小論文、面接、大学によってはプレゼンテーションやディスカッション、体験入学などを通して行われます。
一般的には一次選考で書類審査、二次選考で面接・小論文・学力試験などを行い選考されます。
個々の人物像を見極めるため、丁寧に時間をかけて行われるのも特徴です。
日程は文部科学省の定めにより、総合型選抜は9月1日以降に出願スタート、合格発表は11月1日以降からとされています。
一般選抜と比べて入試時期が早く、人によっては年内に大学合格が決まる場合も。
大学によっては、総合型選抜の出願条件に説明会やオープンキャンパスへの参加を求めているケースもありますので、募集要項のチェックは欠かさないようにしたいですね。
出願時の注意点は、総合型選抜は専願が原則で他校との併願はできないこと。
アドミッション・ポリシーに基づき各大学の求める学生を選抜しているので、総合型選抜で合格したらその大学に入学しなくてはいけません。
ちなみにもし総合型選抜で不合格だった場合には一般選抜で再受験することは可能です。
もちろんその時は他の大学も受けられますよ。
チャレンジの機会が増えることは総合型選抜のメリットとも言えるでしょう。
AO入試からどう変わった?
総合型選抜とAO入試の一番大きな違いは、学力を重視することになった点です。
AO入試(アドミッションズ・オフィス入試)は、必ずしも学力検査があるわけではなく、大学側のアドミッション・ポリシーと受験生の人物像がどれだけ合致しているかを重視する試験でした。
総合型選抜では、アドミッション・ポリシーに加え学力も評価に入るようになりました。
その背景には文部科学省により近年進められている大学入試改革があり、そこで『学力の三要素』が打ち出されました。
大学入試では全ての選考方法においてこの学力の三要素をバランス良く総合的に評価する方針となりました。
そのため、アドミッション・ポリシーによる選考の色が強い『AO入試』から『総合型選抜』へと名称も変更されたというわけです。
学力を見るために、大学によっては学力試験があったり、大学入学共通テストの結果を参考にすることがあります。
総合型選抜の評価基準
総合型選抜の評価基準は、調査書などの書類、面接、小論文などを通して学校ごとのアドミッション・ポリシーに合うかどうかで決められます。
具体的には大学生活への意欲や目的意識、今までの自分の行動からの学び、将来へ向けての成長など多方面から総合的に評価されます。
志望校のアドミッション・ポリシーをしっかりと読み込み、理解しておくことが大切です。
また、大学・学部ごとに出願基準として『評定平均◯点以上』と指定されていることがあります。
評定平均とは、高校1年生から高校3年生の1学期までの全期間・全科目の成績(5段階)を足して科目数で割った点数のことです。
10段階評価の成績は、5段階評価への変換方法が学校によって異なります。
先生に確認しよう!
志望校が見つかっても評定平均が基準以上ないと、総合型選抜を使っての出願はできません。
評定平均を高くするには、1年生から真面目に取り組む必要があります。
評定が関係ないとは言い切れない
総合型選抜を採用する大学は、国公立私立問わず年々増加しています。
また、大学のアドミッション・ポリシーを満たしているかどうかが重要になるので、高校での学内選抜が行われる学校推薦型選抜より出願しやすいのも魅力です。
とはいえ、大半の大学が評定平均を出願基準に設けているのも事実。
中には評定平均を出願基準として設けない大学もありますが、あまり多くはありません。
またそのような大学は、出願基準に必須の資格や経験が含まれていることがあります。
当たり前ですが、評定平均が高いほど受験できる大学の選択肢も増えます。
総合型選抜は人物像重視とはいえ、文部科学省の方針により学力も評価に入る以上は評定は関係ないとは言い切れませんね。
むしろ、総合型選抜では評定はとても重要だといえるよ!
総合型選抜(旧AO入試)で受かる人の評定平均
評定平均を出願基準に設けている学校の中でも、とりわけ国公立大学やMARCH以上の私立大学では高い評定平均を求められます。
評定平均が低めに設定されている大学もありますが、大抵の大学では最初の書類審査で評定平均の高い生徒から採用する傾向です。
この評定平均なら受かる!というはっきりした数値はないのが現実です。
総合型選抜でも、評定平均は高ければ高いほど有利でしょう。
評定が低い場合に目指したい評定関係ない大学一覧
では、評定が低い場合には総合型選抜は利用できないのでしょうか。
一部には総合型選抜で評定の基準を設けていない大学もあります。
ただし、そのような場合評定平均の基準がない代わりに出願に必須の資格やスキルが指定されていることがほとんどです。
評定平均が低くても今までの経験や持っている資格に自信があり、基準を満たしている場合はぜひ検討してみましょう。
以下に評定を出願基準に含まない大学を一部まとめました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
■早稲田大学:創造理工学部建築学科
■早稲田大学:先進理工学部
■慶應義塾大学:法学部(FIT入試A方式)
■慶應義塾大学:総合政策学部(夏秋AO)
■慶應義塾大学:環境情報学部(夏秋AO)
■電気通信大学:情報理工学域 Ⅰ類(情報系)
■東京農工大学:工学部 知能情報システム工学科
■芝浦工業大学:システム理工学部
■立命館大学:情報理工学部(グローバル・ICTリーダー方式)
■関西学院大学
など
各大学、それぞれに必須な語学検定や資格、経験などが設定されています。
必ず確認しよう!
まとめ
大学入試改革により、大学入試のどの選抜方法においても学力が評価に加わることになりました。
総合型選抜でも学力が問われる、つまり評定平均とも関係があるということです。
評定平均に自信がない…という人も総合型選抜で受験できる大学はありますが、スキルや資格が必須など、なかなかの狭き門であるのが実情。
やはり評定平均が高い方がチャンスは広がります。
総合型選抜を考えているのであれば、なるべく高い評定平均を取れるように早いうちからコツコツと努力をすることが大切ですね。