小論文は「です・ます」と「だ・である」のどちらで書くべき?

大学受験

小論文を書く上での文体選択は、大学を小論文で受験する受験生にとって非常に重要な要素です。文章の印象や伝えたい内容の明瞭さを大きく左右するため、どのように書き進めるべきか理解することが成功への鍵となります。この記事では、「です・ます」体と「だ・である」体の使い分けに焦点を当て、各文体が持つ特性と適切な使い方について掘り下げていきます。

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
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1. 小論文の調と文体の基本理解

小論文の書き方における文体の選択は、自分の思いを伝え、読者を引き込む上で欠かせない要素です。文章を書く際、調や文体はただの表現技術にとどまらず、論理的な構成や議論の展開に深く関わってきます。小論文は、特定のテーマに対して自分の見解を論じることが求められるため、文章全体を通じて一貫した雰囲気を保つことが大切です。たとえば、学術的な内容を扱う場合には「だ・である」体が適していますが、読者に優しく説明する際には「です・ます」体が望ましい場合があります。このように、小論文の目的やターゲットとする読者層に応じて最適な文体を選択することが、自分の主張をより効果的に伝えるカギとなります。文体の選択は、単にルールに従うだけでなく、文章が持つ力を最大限に引き出すための戦略的な判断と言えるでしょう。

2. 「だ・である」体を選ぶべき状況とその効果

「だ・である」体の使用は、小論文においてその力強さと明確さで大きな効果を発揮します。特に、科学的な研究や論理的な分析を伴う議論を展開する際にこの文体を採用することで、主張の信頼性と説得力を高めることが可能です。この文体が持つ断定的な特性は、読者に対して著者の確固たる立場や見解を強く印象づけるため、議論の重要な転換点や結論を提示する際に特に有効です。

しかし、「だ・である」体を使用する際には、その断定的な性質が故に、読者が反発を感じるリスクも伴います。そのため、論理的な根拠に基づきながらも、相手の立場を尊重する姿勢を忘れずに、言葉選びには細心の注意を払う必要があります。また、文章全体として硬い印象を与えがちなこの文体を用いる際は、例示や比喩を交えることで、読みやすさや理解のしやすさを向上させる工夫も重要です。

「だ・である」体の選択は、小論文における議論の明確化と強化に寄与しますが、その効果を最大限に生かすためには、文体の特性を理解し、適切なコンテキストでの使用が求められます。結果として、この文体は、小論文が持つ論理的な構造を際立たせ、著者の意見を力強く支持するための重要な手段となります。

3. 「です・ます」を使用するデメリット

「です・ます」体を用いることのデメリットは、主にその丁寧な表現が論理的な議論や強い主張の展開において、文章の力強さを損なう可能性がある点にあります。特に、小論文のような形式で自分の意見や研究結果をはっきりと述べる必要がある場合、過度に丁寧な言い回しは、著者の確信や意見の強さを薄めてしまう恐れがあります。また、文体が全体的に柔らかくなりすぎることで、議論の緊迫感が失われ、読者に与える印象が弱くなることも考えられます。これらの理由から、「です・ます」体の使用は、場合によっては小論文の説得力を低下させる結果につながることがあるのです。

4.実用例文:「だ・である」体の活用方法

小論文の主題として、「地球温暖化の影響と対策」を選び、その中で「だ・である」体を活用した例文を提示します。

地球温暖化は現代社会が直面する最も切迫した問題の一つである。その原因は、化石燃料の過剰な使用により大気中に排出される二酸化炭素の増加にある。この事実は、数多くの科学的研究によって裏付けられている。たとえば、過去100年間で地球の平均気温は約1度上昇した。この温度上昇が原因で、極地の氷が溶け、海面上昇を引き起こしているのである。このような状況は、将来的に多くの沿岸都市が水没するリスクを高めている。

この問題に対処するためには、再生可能エネルギーへの積極的な投資と、化石燃料依存の削減が急務である。具体的には、太陽光や風力などのクリーンエネルギーの利用を拡大し、エネルギー効率の高い技術を開発することが求められる。また、個人レベルでは、公共交通機関の利用や省エネ製品の選択など、環境に優しい選択をすることが寄与する。 この例文は、「だ・である」体を用いることで、地球温暖化の原因とその影響、さらには対策について、明確かつ断定的に情報を伝えることができます。読者は、文章から著者の主張の重要性と緊急性を直接的に感じ取ることができ、議論の説得力が増します。

5.注意点:小論文における文体混在の避け方と統一の重要性

最後に、小論文を書く際には文体の統一に注意を払う必要があります。文体が混在していると、文章全体の一貫性が損なわれ、読み手に混乱を与えかねません。自分の意見や論点を明確に伝えるためにも、文体の選択には一貫性を持たせ、対策として事前に構成を練ることが重要です。 この記事を通じて、小論文を書く際の文体選択の重要性とその適切な使い方を理解し、効果的な小論文作成に役立ててください。

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