【推薦入試】北九州市立大学 文学部 比較文化学科(小論文過去問題解説)

推薦入試

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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北九州市立大学 文学部 比較文化学科の小論文対策

[令和5年度 学校推薦型選抜 90分]

問題1 次の英文を読んで、以下の設問に答えなさい。

英文の課題を和訳した要約です。

言語学習は、単なる文法や規則の学習だけでなく、言語の美しさや意味を理解し、実際の会話術を習得することを意味します。実際のコミュニケーションにおいては、文法だけでなく、会話術やコミュニケーションスキルが重要です。教科書の練習は文法の学習に役立ちますが、実際の会話は多様で、質問や興味を示すスキルが必要です。会話術は主観的で、個別の状況に合わせて適用されるため、教えるのは難しいです。コミュニケーションスキルは自然な好奇心から生まれ、相手に対する興味や尊重が含まれています。言語学習は文法だけでなく、実際のコミュニケーションスキルの向上が重要で、個人的な関心や他の人との対話への積極的な取り組みが必要です。
出典:Michael Pronko、「The Art of Conversation」、Inbound I より転載 アウトバウンド日本

問1 下線部(1)のように筆者が考える理由はなんですか。本文に即して130字以内の日本語で説明しなさい。

問2 下線部(2)のように筆者が考える理由はなんですか。本文に即して120字以内の日本語で説明しなさい。

問3 下線部(3)に対して、筆者自身はどのように答えていますか。本文に即して200字以内の日本語で説明しなさい。

問4 筆者が述べている文法についての考えをあなたはどのように考えますか。あなたの意見を英語で述べなさい。

問題2 次の文章を読んで、以下の設問に答えなさい。

課題の要約文です。

日本と欧米のユーモアには文化的な違いがあり、日本の公的な場では笑いが制約される傾向がある。欧米の政治家は演説でユーモアを使う一方、日本の政治家は真面目な演説が一般的である。飯沢匡氏によれば、江戸時代のサムライの影響から、日本人は笑いを抑制し、笑いに対して鈍感な傾向があると指摘されている。日本の社会では笑いを使う場面が厳密に区別され、特別な場での笑いは許容されつつも、日常生活では非難の対象とされてきた。一方、商人社会では笑いが活気を生む要因として受け入れられ、笑いは協調と結びついて人々を結びつける役割を果たしてきた。この文脈では、大阪の商人社会が笑いに対する寛大な考え方を持ち、笑いを攻撃と受け取る意識が薄かった。要約すると、日本と欧米のユーモアの文化的違いは、公的な場での笑いの制約と商人社会における笑いの重要性に関連しています。

出典:井上宏『笑いの人間関係』出題に際して原文の一部を改めた。

問1 筆者は、サムライ社会と商人社会のそれぞれが「笑い」をどのように捉えていると述べているか。300字以内で説明しなさい。

問2 下線部について、「笑い」以外で、人と人とをつなぐ「協調」の機能も果たしうる行為を挙げ、どのような場でそのような機能を果たしうるかを400字以内で具体的に説明しなさい。

ポイント

出題意図

学校推薦型選抜の小論文は、資料1として伊藤昌亮『炎上社会を考える 自粛警察からキャンセルカルチャーまで』(中公新書ラクレ、2022年)を、資料2としてDino Sossi, “Can we cancel ‘cancel culture?’,” (The Conversation , July 21, 2021)を、それぞれ抜粋・変更して出題を行った。いずれの文献も、最近のいくつかの出来事を通じて(肯定的な意味でも否定的な意味でも)耳にすることが多くなった「キャンセルカルチャー」に関する議論を整理し、それが持つ問題点にも言及しており、分断が進むとされる世界の今後を考えるうえで示唆的な内容となっている。

【求める能力】

問1 資料1の最後にある記述の意味するところを書かせるもので、文章全体を読み取れているかどうかを確認している。単なる要約問題ではなく、筆者の展開する論理を正しく追う必要があるため、受験生の論理的な思考力と読解力を見ている。また、字数の関係で表現に一定の工夫を凝らす必要があることから、受験生の判断力と文章表現力を試すものでもある。

問2 資料2の内容を簡潔にまとめたうえで、筆者の示す具体例に言及しながら、自分自身の見解を述べさせる問題である。ここでは第一に、英文を正しく読めるかどうかを問うている。第二に、2つの資料で示唆される寛容のあり方、自由と正義とが対立する局面への対応という困難な問題について、英文で示された具体例に即して受験生自身がどう考えるかを、正しい日本語で論理的に述べさせようと考えた。思考力・読解力に加えて、論理的な文章表現力を試す問いである。

<北九州市立大学の公開内容からの引用>

小論文過去問題解説

問1 筆者が導き出したキャンセルカルチャーの合理性・一貫性を、論旨に従って説明しなければならない。合理的でも一貫的でもないように見えるものがなぜ肯定的に評価できるのかを、正しく記述することが求められる。キャンセルカルチャーは不当な人権侵害を糾弾するものであるが、ともすれば寛容性を欠くことがある。特に過去の行為をやり玉に挙げることと、社会の寛容を保つことの間にある矛盾を、筆者がどのように論じているのかを読み解き、社会の変化・価値観の変化に言及しながら解答すればよい。受験生の解答を見る限り、読解に関してはおおむね問題なかったが、文章表現についてはある程度の差が見られた。

問2 英文資料で整理されている議論をまとめ、そこで扱われた事例に即して自身の見解を述べるものである。キャンセルカルチャーは差別的な態度の抑止に効果があるものの、言論の自由に制約を課すことになるため、評価が難しい場合がある。筆者は、ネット上での議論になることから個々のケースによる調整が困難なこと、相互に敬意を持った対話がしづらい環境が広がりつつあること、単独では実現できない広範な社会運動に道を開く可能性があることなど、キャンセルカルチャーの特徴を指摘している。筆者の挙げている個々の事例は、いずれも過去の行為が現在のキャリアに影響を与えたものである。以上の内容をバランスよくまとめ、それにのっとって自分なりの結論を書くことができればよい。論理的な議論が展開されていれば、筆者の見解に対する賛否は得点に影響しないが、いずれの立場であれ、その根拠を説得力ある文章で表現しなければならない。 なお、注意事項にあるように、改行しないことを見落としているものや規程の字数に満たないものが散見された。いずれも減点対象となるので、問題文はもとより、注意事項もよく読んで解答しなければならない。

また、問1・問2を通じて単純な表記ミス(誤字、文法上の誤りなど)もあった。こうしたミスが致命傷になることもあるので、注意してほしい。

<北九州市立大学の公開内容からの引用>

北九州市立大学の所在地・アクセス

所在地アクセス
北方キャンパス
福岡県北九州市小倉南区北方4-2-1   
北九州モノレール「競馬場前(北九州市立大学前)」駅下車、徒歩約3分
ひびきのキャンパス
福岡県北九州市若松区ひびきの1-1
JR「折尾」駅からバス(約20分)、
「学研都市ひびきの」下車、徒歩2分

北九州市立大学】のHPはこちら

北九州市立大学の入試傾向

北九州市立大学の入試傾向は、以下のような特徴があります。

  1. 学力試験: 北九州市立大学では、学力試験として記述式の問題を出題しています。一般教養や基礎学問、論理的思考能力などが評価されます。
  2. 適性試験: 北九州市立大学では、学部や学科によって異なる適性試験が実施されます。例えば、外国語、数学、英語、理科、社会科学などの試験があります。試験内容や重視される科目は学部ごとに異なる場合があります。
  3. 英語力の重視: 北九州市立大学では、多くの学部・学科で英語力の重要性が強調されています。英語の適性試験や面接によって、英語の理解力やコミュニケーション能力が評価されることがあります。

学校成績と推薦入試: 学校の成績や推薦入試によって入学を希望する場合、成績優秀者や学校の推薦を受けた個別の入試方法が用意されています。推薦入試では、学校の成績や推薦状に加えて、面接やエッセイなどが行われることがあります

北九州市立大学の募集コース

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外国語学部(定員数:265人)

英米学科 (定員数:135人)

英米学科では、1・2年次に英語集中プログラムを設け、留学に必要な語学力の育成を目指す。2年次からの専門教育では、Language and Education Program、Society and Culture Program、Global Business Programの3つのコアプログラムが導入される。専門科目の多くを英語で学ぶことによって、英語の実践力を高めると同時に、専門知識を身につける。加えて、留学などの単位化を充実させ、実践力を備えた人材を養成する。

中国学科 (定員数:50人)

中国学科では、少人数クラスと段階的・集中的な教育システムによって、中国語の修得を目指す。また、中国の文化や社会についても理解を深め、語学力、幅広い見識、そして行動力を備えた人材を育成する。3・4年次はゼミで専門について深める。

国際関係学科 (定員数:80人)

国際関係学科では、国際問題、とりわけ東アジア・北米地域の政治・外交問題に強く、英語を駆使できて、さらに中国語・朝鮮語に優れた国際人の養成を目指す。

また、国際関係領域(国際政治経済・国際機構・国際協力など)と、地域研究領域(東アジアやアメリカの政治・外交、経済など)の2科目群によって、国際人として必要な専門知識を身につけることができる。

経済学部(定員数:284人)

経済学科(定員数:142人)

経済学科では、経済理論と簿記・統計の修得を二本の柱に据え、経済学の高度な知識と応用能力を備えた、理論と実践を統合できる人材の育成を目指す。1年次には専門基本教育を徹底して行い、2年次以降は、応用経済学系と地域・産業系の2つの応用領域を設け、グローバル化・SDGsなど、時代や地域に対応したカリキュラムを設定している。

経営情報学科(定員数:142人)

経営情報学科では、経営学、会計学と情報科学とを統合した教育システムによる人材育成を図る。経営学の総合力と、会計学、情報科学の専門能力の両者を身につけることで、現実の組織や企業の戦略策定に関わることができる問題解決型の人材を養成する。

文学部(定員数:222人)

比較文化学科(定員数:142人)

比較文化学科では、文学、思想、歴史など、日本や欧米、アジアを中心とした国や地域における文化全般にわたって比較研究を行う。専門科目には、文学、芸術、メディアなどの生成や発展・変容を学ぶ文化資源領域科目と、文化の多様性を学び、異文化や他者への理解を深める文化共生領域科目がある。充実した語学教育とともに専門科目の修得を通して、国際人としての教養を身につけることができる。

人間関係学科(定員数:80人)

人間関係学科では、現代社会の諸問題を深く体系的に教育・研究し、人間と社会をトータルに理解する。心理学、社会学、社会福祉学、環境学、人類学、生涯教育学、生涯スポーツ学などの専門科目が開講されており、総合科学的な方面から学習することができる。2年次から実験、実習のほか、調査、フィールドワークなどの実践的教育が中心となる。

法学部(定員数:253人)

法律学科(定員数:177人)

法律学科では、現代社会における法律問題を解決し得る法知識と法理解(リーガルマインド)を持った人材を育成する。公務員・法曹資格者(裁判官・検察官・弁護士)など、学生のキャリアプランに応じて履修コースを選択できるので、それぞれが、必要な知識・理解を修得し得るような体系的なカリキュラムを設計している。

政策科学科(定員数:76人)

政策科学科では、地域・国家・国際レベルで生じている諸問題を発見・分析し、主体的に政策を構想・立案・実行できる「実践的能力」を養成する。そのため、4年間にわたり、コミュニケーション、ディスカッション能力など、政策能力を身につけるカリキュラムを幅広く提供している。また、少人数教育を重視し、ゼミナール(演習科目)でこれらの能力をさらに磨いていく。

地域創生学群地域創生学類(定員数:120人)

「地域の再生と創造」という時代の要請に応え、幅広い教養と地域に関する総合的な理解を身につける。カリキュラムは5つの科目群から構成されており、少人数演習のほか、福祉施設やスポーツイベントなどの現場実習がある。

地域活性化に活躍する人材を育成する地域マネジメントコース、社会福祉士やパラスポーツ指導員等の資格取得を目指すスポーツ・福祉コースの2コース制。

国際環境工学部(定員数:255人)

エネルギー循環化学科(定員数:45人)

エネルギー循環化学科では、環境問題の解決に向け、自然・環境と調和した化学技術とシステムの開発を学ぶ。

機械システム工学科(定員数:45人)

機械システム工学科では、環境・エネルギーの視点から機械工学の基礎、創造性、応用力を養い、「ものづくり」技術を通して「豊かな社会」と「持続可能な社会」を実現する方法を学ぶ。

情報システム工学科(定員数:70人)

情報システム工学科では、人間社会や環境におけるさまざまな課題について、電子・情報・通信技術の本質を捉えた解決法を提案するために、人工知能やロボット制御、画像処理、センサー技術など、最先端の情報技術を学ぶ。

建築デザイン学科(定員数:50人)

建築デザイン学科では、資源・エネルギーやエコロジー関連の研究分野と実践領域を統合し、建築学を基本に建築・地域システムと環境の共生を学ぶ。

環境生命工学科(定員数:45人)

環境生命工学科では、便利で環境にやさしい材料・製品の開発のためのバイオテクノロジー、またそれを環境・生態系に配慮し、社会で生かすためのマネジメント手法を学ぶ。

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