【推薦入試】福岡教育大学 教育学部 初等教育教員養成課程 [小学校教育専攻プログラム] 小論文過去問題と概要

小論文過去問題

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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小論文過去問題

R6年度 学校推薦型選抜Ⅰ 制限時間60分 

教育学部 初等教育教員養成課程 [小学校教育専攻プログラム]

[問] 次の文章を読み、あとの問いに答えなさい。

(出典)苫野一徳(著)『「学校」をつくり直す』河出新書、2019年、pp.87-89(設問の都合により本文の一部を省略・改変している。また常用漢字外の漢字には振り仮名を付した)

(問1) 下線部①「そのような社会」とはどのような社会ですか。本文中の言葉を用いて40字以内で説明しなさい。その際に「・・・社会。」という形で解答すること。


(問2) 下線部②に関連して著者は、公教育の登場によって、わたしたちがどのように変わったと論じていますか。本文中の言葉を用いて80字以内で説明しなさい。
その際に「以前は・・・だったが、今は・・なった。」という形で解答すること。


(問3) あなたは将来小学校の教員になったとき、どのような教育を行いたいと考えますか。本文の内容を踏まえて320字以上400字以内で論じなさい。

出題のねらいと解答のポイント

出典は苫野一徳著『「学校」をつくり直す』。 公教育が始まって150年。 学校教育は 「みんなで同じことを同じペースで教科ごとの出来合いの答えを一斉に勉強させる」 というシステムによって運営されてきた。それは人種や宗教や生まれの違いで人を差別することのない社会をつくる土台だった。 それはお互いが相手を対等に 「自由」 な存在と認め合うことによって今日の民主主義社会の土台をなす原理であった。 ところがこのシステムが今、いたるところで限界を迎えている。 著者は本書でこれらの問題を克服するために 「学びの個別化・協同化プロジェクト化」 を提唱している。課題文を参考に、将来、 あなたが小学校教育の現場で指導する実践を想定して考えてほしい。

解答例

(問1) お互いが相手を対等に 「自由」 な存在と認め合い、 暴力によらず調整し合うような社会。

(問2) 以前は世界中で人種差別や奴隷制が当たり前だったが、今は公教育が 「自由の相互承認」という価値観を広く普及させ、誰もが同じ人間だという価値観を持つようになった。

(問3) 公教育は全ての子どもに 「自由の相互承認」この感度を育み、全ての子どもが 「自由」 に生きることができる力を養うためにある。 私の高校はインクルーシブ教育推進校だった。 3学年にわたって軽度の知的障がいのある生徒が15名ほど在籍していた。 障がいのある生徒のために学校全体がさまざまな工夫をして運営され、従来の「みんなで同じことを、同じペースで、教科ごとにすでに用意された答えを一斉に勉強させ「る」という教育のシステムを見直したものだった。 こ
れは私たち一般の生徒にもよい効果を上げていた。 授業中の刺激量を調整するため、 黒板および黒板周辺の環境を整備することを目的とする「フロントゼロ」の考え方、一人ひとりの学びのペースに合った学びのあり方、必要に応じて人の力を借りたり、人に力を貸したりする 「ゆるやかな協同性」に支えられながら学びを進められる環境構築。 私はこれらの経験を生かして将来、子どもたちを指導したいと考える。

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