2024年度 北海道立高校入試【国語】をポイント解説!

高校入試

2024年度北海道立高校入試では、知識問題+会話文・文学的文章・漢文・実用的文章の4題構
成になっています。

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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大問1(知識問題+会話文)

〈解答〉

問一、(1)こうけん  (2)さと(す)
問二、(1)尊敬    (2)就職
問三、(1)イ     (2)Ⅰ:イ  Ⅱ:ケ
問四、(1)①軽すぎる  ②重すぎる
   (2)力     (3)ウ

〈解説〉

問一、漢字の読み(記述)
「貢献(こうけん)」と「諭す(さとす)」が出題。
問二、漢字の書きとり(記述)
「尊敬(そんけい)」と「就職(しゅうしょく)」が出題。
問三、
(1)季語(選択肢)
「枯野」は冬の季語。アの「蛍」は夏の季語。イの「炭」は冬の季語。ウの「虫の声」は秋の季語。
エの「花の雲」は桜の花が一面に咲いているようすを雲に見立てている言葉で、春の季語。
(2)表現技法(選択肢)
日が照る音が実際に「てらてら」とは聞こえないので擬態語。「ごろごろ」が入っているエが正解。
アは「~のように」とあるので直喩。イは擬人法。ウは「かさこそ」が擬声語。
問四、
(1)語句の意味(記述)
「役不足」の本来の意味と誤用とが問われた。知識として知らなければ、会話文の内容から判断する。
①には、宮本さんが「役不足」をどのような意味で用いているかが当てはまる。「書記」だと上田さんには役不足だから、「会長」だと言っていることから考える。
②には、上田さんが「役不足」をどのような意味で用いているかが当てはまる。「書記」どころか、生徒会役員がそもそも無理だと言っていることから考える。
(2)語句の意味(記述)
上田さんは「役不足」の意味を「力不足」と混同してしまっている。
(3)発言の役割(選択肢)
宮本さんは上田さんの「不安」な気持ちを受け止めたうえで、それでも上田さんを生徒会役員に推す理由を説明している。
ア・エは、後半が不適。イは全体不適。

大問2(文学的文章)

青山文平『本売る日々』からの出題です。

〈解答〉

問一、1こころよ(くて) 2、おく(する)
問二、イ
問三、ひる
問四、①正しく伝えようとしつづけた ②口訣集を受け取ってもらえない
問五、エ
問六、一人が成果を独占するのではなく、みんなが最新の成果を明らかにし、みんなで試して批評し合い、それを繰り返すことで、人の生死に関わる医術を進歩させること。(75字)
問七、
共通点:肘を枕にし、リラックスしながら本を読んでいる様子が、現代でもベッドに寝転んで本を読むといった姿に通じる。
相違点:昔は本の印刷には膨大な時間と手間とを要したため、本は高価なものであったが、現代は印刷技術の発達に伴い、本屋やインターネットで簡単に購入できるなど、身近なものになっている。

〈解説〉

問一、漢字の読み(記述)
「快くて」(こころよくて)と「臆する」(臆する)が出題。
問二、語句の意味(選択肢)
「折り入って」の意味が出題。
問三、干支(選択肢)
資料より、「午」は午前11時~午後1時を表すことがわかる。「午」は「ひる」とも読む。
問四、内容読解(15字記述+15字記述)
①:「私」の「疲れ」については、先生が「さぞ、お疲れになったでしょう。それだけ正しく伝えようとしつづけるには、並大抵ではない根気が要ります」と述べている。それを「事実だった」と「私」が
内心で肯定しているので、先生の発言をまとめればよい。
②:「再び疲れが広がった」原因は、傍線部②直前の先生の発言である。先生は口訣集を受け取
らず、「持ち帰ってください」と言っている。
問五、理由説明(選択肢)
「口訣というのは秘伝ではないのですか。先生なら、淇平先生にしか伝えないものではないので
すか」という発言に、「私」の考えがよく表れている。淇平先生は、注釈より、先生の息子のこと。
「一子相伝」の秘伝だと思っていたのに、そのまま持っておいてよいと先生に言われたことが衝撃
だったのである。
問六、内容読解(75字程度記述)
先生の願いは、医術を進歩させることである。字数が余っているので、理由と方法を追記しよう。
理由は、医術が「生きるか死ぬかであり、生かすか殺すか」であること。
方法は、「みんなが技を高めて~みんなで自慢し合わなければ駄目なのです」の部分を参照する。
問七、作文(記述)
共通点:庶民の歌をヒントにしよう。「肘枕」で本を読む様子、「あかぬ書物」を何度も読んでいるこ
とのいずれかで書けばよい。
相違点:印刷が手作業であったこと、貝原益軒が語る本への態度のいずれかで書けばよい。

大問3(漢文)

『蒙求』からの出題です。

〈解答〉

問一、②
問二、エ
問三、(1)ア (2)鍾子期の死後、琴を破壊して二度と弾かなかった(22字)

〈解説〉

問一、脱けた語句を補う(選択肢)
二文目と三文目が対句になっているのを見抜く。
問二、内容読解(選択肢)
伯牙が高い山を心に思い浮かべながら琴を弾くと、子期も高くそびえる山を思い浮かべ、伯牙が流れる水を心に思い浮かべながら琴を弾くと、子期も川を思い浮かべていることから考える。
問三、
(1)熟語の構成(選択肢)
「断琴」は、「琴を断つ」で、下の字が上の字の目的語になっている。「樹を植える」のアが正解。
イは反対の意味をもつ字の組み合わせ、ウは似た意味をもつ字の組み合わせ、エ・オは上の字が下の字を修飾している。
(2)内容読解(20字程度記述)
解答の中心は、「鍾子期死し、琴を破り弦を絶ち、終身復た琴を鼓かず」である。

大問4(実用的文章)

〈解答〉

問一、ウ
問二、イ→ウ→ア
問三、この彫刻は、黒御影石が素材の滑り台で、大通公園の子どもたちの遊び場に設置されました。(36字)
問四、
A:らせん状に逆巻く水流がそのエネルギーを失うことなく、次のらせんに手渡され、連綿と引き
継がれていくこと
B:「怒涛図」に描かれた渦は、永遠に渦巻く水流の一瞬を切り取ったかのように感じる。静止画
だからこそ、連綿と続くエネルギーが真に迫ったものとして表れているのだろう。
(79字)

〈解説〉

問一、表現の工夫(選択肢)
アは、「文字の配置によって企画内容を説明する」が不適。イは、「画像で見せる」が不適。エは、
「作者紹介を載せる」が不適。
問二、文整序(選択肢)
ウの「そのなかでも」は、イの内容を指しているので、イ→ウ。アは、「人間が創り出すものにも」の「も」に注目すれば、ウの後にくることがわかる。
問三、内容読解(35字程度)
ウェブページに書かれた内容から、作品の素材、鑑賞以外の用途、設置場所について書くと、以下のようになる。
「この彫刻は、黒御影石が素材で、子どもたちの遊び場をより楽しいものにするために大通公園に設置されました。」
ただ、これだと規定の字数を超えてしまうので、「子どもたちの遊び場をより楽しいものにするために」を「滑り台」と直す。
問四、作文(80字記述)
絵について直接述べているのは、「らせん状に逆巻く水流がそのエネルギーを失うことなく、次の
らせんに手渡され、連綿と引き継がれていくこと」という部分なので、ここを踏まえると書きやす
い。

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