【推薦入試】都留文科大学 文学部 国際教育学科(小論文過去問題解説)

推薦入試

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴27年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。

2020年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となる。過去3年間で国公立大学合格85名。

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都留文科大学 文学部 国際教育学科の小論文対策

[令和5年度 学校推薦型選抜(一般) 90分

I. 次の英文を読み、以下の設問に答えなさい。

課題文は非公開です。

問1 本文の中で記述されていることと最も合致するものを、以下の(a)~(f) のなかから1つ選び、その記号を書きなさい。
(a) Internet learning can help create a dialogue-driven learning environment.
(b) Learning through the use of computers help facilitate an active learning environment.
(C) A teacher who responds to students through e-mail can achieve immediacy even when the course is taught online.
(d) Learning should be a collaborative enterprise, which is difficult to achieve online.
(e) Learning in the future will be based on monologues, not dialogues.
(f) Even if you are not motivated to learn, the internet makes it easier to get good knowledge.

問2 ( X )に入る文脈上最も適切な言葉を以下の選択肢から1つ選んで記号を書きなさい。
(a) dialogue
(b) debate
(c)class
(d) speech
(e) meeting
問3 本文の内容を日本語 200-300字で要約しなさい。
問4 この記事は10年ほど前に執筆されたものである。 本文に書かれたテーマについて、自分自身の過去3年以内の実体験をもとに具体的なエピソードを入れながら自分の意見とその理由を250 words から 300words 程度の英語で書きなさい。

II. 人間の本質について書かれた以下の2つの文章を読み、問いに答えなさい。

英文の課題を和訳した要約です。

本文は「修復」と「ニーズ」の二つの視点から人間の本質を考察している。まず、「修復」の視点では、人間は修復する動物であり、日常生活から芸術、社会構造に至るまで、あらゆる側面で修復の行為が行われていると述べられている。物理的な対象だけでなく、個人間や国家間の関係においても修復が求められると強調されている。この視点から、人間は「ホモ・レパランス」として修復の欲求を持ち、どこでも通話可能な存在であるとされている。

一方で、「ニーズ」の視点では、人間の本質は「欠落感」と「不完全さ」に基づいて考察されている。人間は本質的に何も持っておらず、権利も与えられていないが、自らのニーズを創造し、変革する能力を持つ唯一の種であると主張されている。この視点では、人間の本質はニーズを創造し、それによって敬意と尊厳を主張できることにあるとされている。

総括として、人間は修復の欲求とニーズを持ち、それらが個々の可能性を最大限に発揮する要因であるとの立場が示されている。この視点から、人間は他者との関係や社会構造を修復し、自らのニーズを創造することが人間の本質を理解し、活かす上で重要であると論じられている。

問1 文章Aにおいて、人間の本質としてどのようなことが書かれていますか。50字程度の日本語で端的に書きなさい。
問2 文章Bにおいて、人間の本質としてどのようなことが書かれていますか。50字程度の日本語で端的に書きなさい。
問3 あなたは人間が共通して生まれながらに持っている性質として、どのようなものがあると思いますか。 具体例と根拠とともに自分の言葉で80~100wordsの英文で書きなさい。

ポイント

出題意図

設問Ⅰ

設問Ⅰの題材は近年急速に拡大したオンライン教育について書かれたNew York Times の記事である。オンライン教育では、従来の教室での授業のような即時性や双方向性に欠ける、画一的なアプローチになりがちで、最高の教育とは教師と生徒のコラボレーションであるという考えを筆者は展開している。受験生には、教育のあり方について考察する機会や批判的思考力を身につけてほしいと願い、この文章を出題した。

設問Ⅱ

人間の本質や特性について書かれた二つの文章を読み、慣れない単語や言い回しに惑わされずに英文の主旨を読み取る力、およびそれぞれの筆者の立場の違いを見分ける力を主に問うた。[A]の文章では“Homo sapiens is also Homo reparans.”という文章を、[B]の文章では、 “We are potential only” の文章を理解できるかどうか、が重要な点となる。時代や地域を超えて先人たちが語ってきた人間論に触れることで、人間の本質を見つめようとすることの奥深さを知り、人間に関する探究を深める機会になってほしいと願い、出題した。

【評価のポイント】

設問Ⅰ
問1
筆者の意図を正確に読み取ることができるかどうかをみた。
問2
文脈から適切な英語を推測できるかどうかを見る問題である。与えられた時間の中で、求められた情報をすばやく探すことが出来るかをみた。
問3
本文の内容を読み取り、日本語で誤字脱字なく、簡潔に筋道立ててまとめる力があるかどうかについてみた。
問4
自分の考えについて実体験を挙げながら、まとまりのある英文で自分の意見を述べることが出来るかどうかをみた。また、合わせて、文法力、語彙力、スペリング、などの英語の知識についてもみた。

設問Ⅱ

[A]と[B]それぞれの文章の主なポイントを理解し、端的な日本語で表現できるかどうかをみるとともに、[A]と[B]で示されている人間観の違いと自身の考えを英語で表現できるかどうかをみた。


【採点講評】

設問Ⅰ
問1
正答率が低かったことから全体的な読解力の不足が懸念される。受験生には、日頃からできるだけ多くの英文記事を読む習慣をつけ、長文の読解力を養ってほしい。
問2
選択肢の単語はどれも基本的なものであったが、正答率が低かったことから、前後の文脈を正確に理解しきれていないようであった。日頃から、ただ英文を読むだけではなく、前後のつながりについて意識しながら読む習慣をつける必要があるだろう。
問3
オンライン授業に関しては、最低1つ以上は概ね書いていたが、本文を正しく理解できていない部分も見られ、コロナの状況をオンライン授業と勘違いしたり、本文を離れての推測も見られた。
問4
実体験はよく書けている受験生が多かったが、それを踏まえて筆者の意見に対して、ディスカ ッションするという視点が欠けているように見受けられた。また英語の文法上のミスにより内容が理解できない文章も少なからず見られた。

設問Ⅱ

問1
「人間は修復する生き物である」ということが書かれた解答は多かったものの、修復する対象として人間関係があることにまで言及できていたのはごく少数だった。
問2
人間の本質論に関する文章をなんとか理解しようとする姿勢が見えた。一方で、自分自身の思考枠組みの中に当てはめる形で文章を理解しようとするか、文章に描かれた自分とは異なる視点をそのまま理解しようとするかで点数に差が開いた。
問3
自分の考えを自由に書けばよい問題として出題したが、中学英語の基礎的な知識が欠落していて内容を理解できない解答が少なくなかった。抽象的な議論を展開することは難しいとはいえ、使用するのは基礎的な単語と文法だけでよいので、相手に伝わる文章にすることを心がけるのが重要である。受験生には、多くの英語の長文を読み文章力や語彙力をつけてほしいが、それ以上に、中学英語を総復習して基礎的な文法を習得するとともに、すでに知っている英単語を駆使して筋道を立てて自分の意見を述べる練習をしてほしい。

都留文科大学の公開内容からの引用>

小論文過去問題解説

問1 :この問いに対する回答は文章Aの主題を把握し、その中で人間の本質に関連するキーポイントを見つけることが重要です。

  1. 文章Aの主題の特定: まず、文章Aの主題を把握します。文章全体の流れや中心的なアイデアを理解することが必要です。
  2. 人間の本質に関連する部分の特定: 主題に関連する部分で、人間の本質に触れている箇所を見つけます。
  3. 50字で要約: 見つけた部分から、50字以内で端的に人間の本質についてまとめます。重要なキーワードやフレーズを取り入れ、明確で簡潔な表現を心がけます。

問2

  1. 文章Bの主題の特定: 文章Bの主題や中心的なアイデアを理解します。
  2. 人間の本質に関連する部分の特定: 人間の本質に関連する箇所を文章中から見つけ出します。
  3. 50字で要約: 見つけた部分をもとに、50字以内で端的に人間の本質についてまとめます。

問3:この問いに対する回答では、自分の意見や信念を述べるスキルが問われます。以下は考え方の手順です。

  1. 共通して持っている性質の選定: 人間が生まれながらに持っていると考える性質を選びます。
  2. 具体例と根拠の選定: それを裏付ける具体的な例や根拠を見つけます。
  3. 80~100 wordsの英文で表現: 選んだ性質、例、根拠を元に、80~100words以内で明確かつ説得力のある英文を構築します。

都留文科大学の所在地・アクセス

所在地アクセス
山梨県都留市田原3-8-1 富士急行線「都留文科大学前駅」下車、徒歩5分

都留文科大学のHPはこちら

都留文科大学の入試傾向

都留文科大学の入試傾向は、以下のような特徴があります。

都留文科大学の入試は、各学科ごとに異なる傾向があります。それぞれの学科では、異なる能力や知識が求められるため、対策も適切に選択する必要があります。

例えば、英文学科では英文読解力や英語表現力が重視されます。これに対処するためには、様々なジャンルの英文に触れ、リーディングスキルを向上させることが重要です。また、比較文化学科では政治・経済・社会に関する問題が出題され、論理的思考が必要です。これに対しては幅広い知識を身につけ、論理的な思考力を高めることが有益です。

国文学科では、現代文、古文、漢文の3つの分野から出題され、文学の理解と解釈が求められます。これに対処するには、日常的な読書や文学作品の鑑賞を通じて、豊かな言葉の理解を深めることが有益です。

国際教育学科では現代の社会問題に関する英文を理解し、論理的な英語表現力が必要です。これに対する対策としては、国際情勢や社会問題に関する幅広い知識を得つつ、論理的な英語表現を養うことが挙げられます。

学校教育学科や地域社会学科では小論文試験があり、文章の分析力や論理的な考察が問われます。これに対処するためには、幅広い教養や社会問題について理解を深め、文章力と論理的構成力を向上させることが必要です。

総じて、入試対策は単なる試験勉強だけでなく、幅広い知識と論理的思考力を養うことが不可欠です。日頃から積極的に学び、自分の考えを明確に表現できる力を養っておくことが、都留文科大学の入試での成功につながります。

都留文科大学の募集コース

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入試情報はこちら

文学部(定員数:240人)

国文学科 (定員数:120人)

国文学第一演習IV(近世)で近世文学の多様性に触れる

近世文学とは基本的に江戸時代の文学を指します。国文学第一演習(近世)では、井原西鶴らによる連句『俳諧虎渓の橋』および竹田出雲等作の浄瑠璃『菅原伝授手習鑑』『寺子屋』の丁寧な注釈作業を通じて、近世文学作品研究のために必要な知識、調査の手順を身につけます。

英文学科 (定員数:120人)

World Englishes I・IIで各国独自の英語を理解する力を身につける

英語の歴史、現在の使用の状況、世界全体での変種の広がりなどについて知り、英語という言語を体系的に学びます。母国話者(英語を母国語とする人)を対象として書かれた資料を読み、「標準」英語とは何か、「母国話者」とは誰か、という根幹的な議論を行い、英語が主要な世界語とされる考えについても分析します。

教養学部(定員数:490人)

学校教育学科 (定員数:180人)

「教育原理」は学校教育学科の必修科目で、1年生全員が前期・後期にわかれて受講します。教育史に関する資料を自分で読み取り、解釈することを大切にしています。ロックやルソーなどの思想家がどう社会のあり方と関わり教育のあり方を構想したか、という視点で彼らの思想に改めて出会うことも授業の面白さのひとつです。

地域社会学科 (定員数:150人)

アクティブラーニングで4つの力を鍛錬する

さまざまな人々と一緒になって問題解決に向けて活動するためには、地域理解力、構想力、行動力、そして協働力が必要です。確かな力を育むため、1年次から実践的能力を重視し、グループディスカッションやディベートなど、アクティブラーニングも積極的に導入しています。

演習(自治体経営論)I~IVで地域の現状を自分の目で見て、課題と解決策を考え、実践につなげる

少子高齢化・人口減少が進む地方で持続可能な社会を築くためには、これまでの公と民のあり方を見直し、互いに連携し合って、私たち一人ひとりが社会へ主体的に参画していくことが必要です。「演習(自治体経営論)」では、対象となる地域を訪れ、自治体や市民と連携して実践していきます。

比較文化学科 (定員数:120人)

「共生社会論」では異なる文化の出会いの場を意味する「コンタクトゾーン」に着目し、異文化に属する人々が互いの存在を「了解」することがいかに可能かを、特に移民・外国人の視点から考えます。多文化共生がどのようなことを意味するのか、米国・ロサンゼルスの日系人移民社会や日本とブラジルの交流史などを学びます。

国際教育学科 (定員数:40人) 

「ATL」とは国際バカロレアの中で使われる用語であり、「21世紀スキル」と呼ばれるような、コンピテンシーや社会性スキルを、いかに教科教育の中にしみ込ませ、子どもたちに教えていくかというティーチングのノウハウを学ぶ授業です。アクティブラーニングを活用しながら様々なスキルを向上させるための授業を学びます。

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