香川県立保健医療大学 保健医療学部 臨床検査学科【学校推薦型選抜(公式過去問題ページ上の表記:推薦入試)】 推薦入試の出題傾向と合格戦略
香川県立保健医療大学の臨床検査学科を学校推薦型選抜で目指す受験生のなかには、「理系だから文章を書くのが苦手」「医療の専門知識をどこまで覚えればよいのか」「グラフと課題文のどちらを練習すればよいのか」と不安を感じている人も多いでしょう。 この入試で大切なのは、難しい言葉を大量に使うことではありません。資料が示している事実を正確につかみ、そこから考えられることを順序立てて説明し、医療や社会との関係を自分の言葉で示すことです。理系科目で行う観察、比較、仮説、検証の考え方は、そのまま小論文にも生かせます。 2024年度と2025年度では出題形式が異なります。2024年度は統計資料の比較、2025年度は科学的な文章の要約が中心でした。しかし、両年度を丁寧に比べると、求められる力にははっきりした共通点があります。 ここからは、各年度の特徴、評価につながる書き方、具体的な学習手順、面接との連動までを整理します。過去問を一度解いて終わりにせず、自分の弱点を発見し、答案を改善するための指針として活用してください。
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2025年度は科学文章の要約と医療者としての応用力が問われた
2025年度は、科学用語の呼び方と、それが社会の理解や受け止め方に与える影響を論じた文章を素材とする課題文型でした。設問は、筆者が想定する社会的影響を短くまとめる部分要約と、文章全体の論旨を整理したうえで、医療に従事する際に学びをどう生かすかを述べる総合記述から構成されています。単に文章を短くする試験ではありません。筆者の主張、具体例、仮定、そこから導かれる示唆を区別し、必要な情報だけを選ぶ読解力が必要です。また、自分の考えでは、科学用語を正確に扱う姿勢に加え、患者や他職種に伝わる表現へ言い換える視点が求められます。臨床検査技師を、検査値を出すだけの職種としてではなく、正確な情報を医療の意思決定につなぐ専門職として理解しているかが答案の具体性を左右します。
- 文章の一部分をまとめる設問と、全体の論旨をまとめる設問を区別する必要がある。
- 要約では、自分の賛否や感想を混ぜず、筆者の論理を保つことが重要である。
- 総合記述では、要約と自分の考えの両方を300字以内に収める情報選択力が問われる。
- 科学用語の正確さと、相手に伝わる説明の両立が中心的な論点になる。
- 医療への応用は、患者説明、他職種との情報共有、誤解の防止などへ具体化すると説得力が高まる。
出題テーマ
中心にあるのは、科学的な名称が単なる記号ではなく、人々の理解や印象に影響を与えるという問題です。専門家には当然の用語でも、一般の人には意味が伝わらなかったり、言葉の印象から誤解が生じたりする可能性があります。
臨床検査の現場でも、検査名、数値、病気に関する表現を正確に扱うだけでは十分とは限りません。相手の知識や状況に合わせ、正確さを損なわずに説明する姿勢へ結び付けて考えることができます。
設問の構成と採点ポイント
最初の設問では、文章中の仮定に対する筆者の見方を150字以内で整理します。対象範囲が限定されているため、文章全体の背景説明を詰め込むより、仮定、予想される影響、その理由という骨格を優先するべきです。
次の設問では、全体要約と自分の考えを合わせて300字以内にまとめます。要約が長すぎれば自分の考えが浅くなり、感想が長すぎれば課題文理解を示せません。おおまかな配分を先に決め、二つの部分を接続する一文を置くと論理が安定します。
要約で差がつく情報の選び方
要約では、筆者の結論を最初に確認し、その結論を成立させる主要な理由を残します。エピソードや固有の例は、主張を理解するうえで不可欠なものだけに絞ります。本文の登場順に機械的に縮める方法では、中心論旨がぼやけやすくなります。
下書きでは、各段落を一文でメモし、同じ役割の段落をまとめる方法が有効です。そのうえで、「問題提起」「説明」「具体例」「結論」に分類すれば、削ってよい部分と残すべき部分を判断しやすくなります。
スカイ予備校の分析:高評価につながる答案の共通点
高評価が期待できる答案は、課題文の内容を正確に要約したあと、その学びを医療者の具体的な行動へ移しています。例えば、専門用語を一方的に使うのではなく、相手の理解を確認する、必要に応じて平易に言い換える、誤解が生じないよう根拠を添える、といった行動です。
また、「分かりやすく説明したい」という抽象的な決意だけで終わりません。正確な検査情報を扱う責任と、患者や他職種に伝達する責任の両方を示せると、課題文の理解と職業理解が一本の線でつながります。
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2024年度は二種類の統計を読み分け、原因と対策へ展開する力が問われた
2024年度は、高齢者を含む各年齢層の交通事故を扱った資料分析型でした。一方のグラフは年齢層別の事故件数、もう一方は運転免許保有者数を基準に調整した事故件数を示しており、似て見える二つの資料が何を表しているかを区別することが最大のポイントです。設問は、各グラフの変化を100字以内で説明し、変化の原因を複数挙げ、最後に事故を減らす対策を理由とともに200字以内で論じる流れでした。資料の観察だけでなく、母数の違いを踏まえた比較、社会的背景に関する推論、実行可能な対策の提案まで段階的に問われています。短い答案が複数あるため、長文を書く力以上に、設問ごとの役割を理解し、同じ内容を重複させずに書き分ける力が必要です。
- 事故の総件数と、免許保有者数を基準にした数値を混同しないことが最優先である。
- 高齢層だけを見るのではなく、他の年齢層との比較を明示する必要がある。
- 資料から確認できる事実と、背景として考えられる原因を文章上で分ける。
- 原因は二つを言い換えて重複させず、異なる観点から提示する。
- 対策は資料の特徴や原因に対応させ、誰が何をするのかまで具体化する。
出題テーマ
題材は高齢者の交通事故ですが、問われているのは交通知識の量だけではありません。年齢層別の変化を観察し、絶対数と母数を調整した指標の違いを理解する統計的な読み方が中心です。
医療系の学科においても、患者数と有病率、検査件数と陽性率など、似ているようで意味の異なる数値を扱います。そのため、この問題は科学的観察力や数値を慎重に解釈する姿勢とも深く関係します。
設問の構成と採点ポイント
前半の二問は、それぞれ異なるグラフから変化を読み取る短文記述です。100字以内という条件では、対象、期間、変化の方向、比較対象を一文または二文に整理する必要があります。原因の推測や感想を書き加えると、必要な比較が不足しやすくなります。
後半では、観察した変化の原因を複数挙げ、さらに事故を減らす対策を理由とともに論じます。ここでは、前半の読み取りと後半の提案がつながっているかが重要です。資料と無関係な交通安全標語を並べても、分析力を十分には示せません。
統計資料を読むときの注意点
最初に、縦軸、横軸、単位、対象期間、資料ごとの母数を確認します。「人数が多いから危険性も高い」と即断せず、人口構成や免許保有者数の違いを考慮しなければなりません。
答案では、「資料から確認できること」と「その背景として考えられること」を分けて書きます。前者には断定表現を使えますが、後者には「要因として考えられる」などの表現を用いると、観察と推論の境界が明確になります。
スカイ予備校の分析:高評価につながる答案の共通点
高評価が期待できる答案は、二つの資料の役割を理解し、同じ現象でも指標によって見え方が変わることを踏まえています。数値を列挙するだけでなく、何と何を比べた結果なのかを言葉で示している点も重要です。
対策提案では、高齢者本人への注意喚起だけに責任を集中させません。運転能力の確認、車両側の安全機能、移動手段の確保、家族や地域の支援など、原因に対応する複数の主体を考えると、実現性と公平性のある考察になります。
香川県立保健医療大学・臨床検査学科の小論文の特徴
公開された二年度を見ると、試験時間は60分で、資料を読み取ったうえで複数の設問に答える形式です。自由なテーマについて長く論じる小論文というより、与えられた情報を分析し、指定字数で的確に答える課題解決型の試験といえます。
出題素材は、統計グラフと科学的な課題文の両方が確認できます。したがって、文章読解だけ、グラフ読解だけという偏った準備は避け、形式が変わっても使える読み方と書き方を身に付ける必要があります。
また、題材を医療や社会に接続する問いが置かれています。科学的に正しい内容を、現実の行動や職業上の責任へ落とし込める受験生が力を示しやすい構成です。
公開二年度から見える共通傾向
2024年度は「資料の観察から原因と対策へ」、2025年度は「文章の要約から医療での活用へ」と進みました。素材は異なりますが、どちらも前半で正確な読解を確認し、後半で受験生自身の思考を問う二段階構成です。
この構成では、前半と後半を別々に書かないことが大切です。自分の意見は、資料から読み取った特徴や課題文の主張を根拠として組み立てます。読解と考察が接続していれば、短い答案でも論理の強さが伝わります。
合格に必要な四つの力
第一は、資料を正確に読む力です。グラフなら単位と母数、文章なら中心主張と具体例を確認します。第二は、重要度を判断して要約する力です。すべてを書こうとせず、設問に直接必要な情報を選びます。
第三は、根拠から結論へ進む論理的思考力です。原因、影響、対策を混同せず、なぜその提案が有効なのかを説明します。第四は、科学や社会の問題を医療者の立場へ具体化する力です。
この四つは独立していません。正確に読めなければ考察の出発点がずれ、要約できなければ字数を超え、職業理解が浅ければ一般論で終わります。演習では四つを同時に点検しましょう。
60分を使い切る答案作成の手順
最初に設問を確認し、何を、どの資料から、何字で答えるのかを整理します。その後に資料を読み、設問に関係する箇所へ印を付けます。課題文を最初から丁寧に読みすぎると、考察と見直しの時間が不足します。
下書きでは全文を書かず、結論、根拠、具体例だけを箇条書きにします。短文問題から確実に仕上げる方法と、配点や難度の高い記述から骨格を作る方法の両方を試し、自分に合う順序を決めてください。
最後には、字数だけでなく、設問の要求への答え、比較対象、因果関係、主語と述語を確認します。誤字を一つ探すより先に、問いに正面から答えているかを見直すことが重要です。
対策ステップ1:グラフを言葉に変える
グラフ演習では、まず解釈を加えずに事実だけを書きます。「いつ」「何が」「どの方向に変化したか」「何と比べたか」の四項目を入れ、80〜100字程度に収めます。
次に、同じ資料について考えられる原因を二つ挙げます。人口や気象などの環境要因、制度や技術などの社会要因、行動や認知などの個人要因に分けると、重複を避けやすくなります。
最後に、一つの原因に対して一つの対策を対応させます。対象者、実施主体、方法、期待される効果を明確にすれば、思いつきの提案から根拠のある提案へ変わります。
対策ステップ2:課題文を短く正確に要約する
各段落の役割を十数字でメモし、筆者の中心主張に直接関係する内容だけを残します。接続語に注目すると、問題提起、対比、理由、具体例、結論の関係をつかみやすくなります。
要約では本文の表現を切り貼りするだけでなく、複数の文を一つの上位概念にまとめます。ただし、本文にない評価や自分の知識を加えてはいけません。筆者の考えと自分の考えを明確に分けます。
完成後は、元の文章を読んでいない人にも論旨が伝わるかを確認します。主語が消えて意味が変わっていないか、具体例だけが残って結論が抜けていないかも重要な点検項目です。
対策ステップ3:医療への応用を具体化する
「将来に生かしたい」「患者に寄り添いたい」だけでは、どの受験生にも書ける答案になります。臨床検査技師が、どの場面で、誰に対して、どのような行動を取るのかまで考えましょう。
例えば、検査結果の正確性を守る、異常を見逃さず報告する、患者の不安に配慮して検査を説明する、医師や看護師と必要な情報を共有するといった場面があります。課題文の教訓と最も関係する行動を一つ選ぶと、短い字数でも焦点が定まります。
評価を落としやすい不合格パターン
最も注意したいのは、資料を読まずに知っていることを書く答案です。テーマに関する知識が豊富でも、設問が求める比較や要約がなければ、読解力を示せません。
次に、事実と推測を同じ強さで断定する答案です。資料に示された変化は明確に述べ、原因については可能性として論じるなど、根拠の範囲に合わせて表現を変える必要があります。
また、対策を多く並べすぎる答案も要注意です。一つひとつの理由が薄くなり、資料との関係が見えなくなります。限られた字数では、最も有効だと考える案を選び、理由を丁寧に説明する方が説得力を出せます。
小論文と面接を一つのストーリーにする
面接では、志望理由、高校生活での努力、臨床検査技師としての将来像、地域との関わりなどを問われる可能性があります。小論文で示した価値観と面接で話す内容が矛盾しないように準備することが大切です。
小論文演習後には、「なぜその結論にしたのか」「別の立場ならどう考えるか」「臨床検査技師として何ができるか」を口頭で答えてみましょう。文章では省略した根拠を説明する訓練になり、追加質問への対応力も高まります。
暗記した完成文を話すのではなく、結論と根拠の組み合わせを覚えます。質問の角度が変わっても、自分の経験、大学で学びたいこと、将来像へ自然につなげられる状態が理想です。
受験生への助言:知識量より考え方を磨く
医療系の小論文だからといって、専門用語を大量に暗記する必要はありません。高校の生物や化学で学ぶ基礎を大切にしながら、科学ニュース、地域の健康課題、医療コミュニケーションに関心を持ちましょう。
記事を読んだら、「事実は何か」「なぜ起きたのか」「誰に影響するのか」「どんな対策が考えられるか」の四点をメモします。この習慣が、未知のテーマに対しても落ち着いて考える力を育てます。
答案は一度で完成させようとせず、添削後の書き直しを重視してください。削るべき説明、足りない根拠、曖昧な表現を自分で発見できるようになると、本番でも修正の判断が速くなります。
保護者ができる効果的なサポート
保護者は、専門的な添削をすべて行う必要はありません。答案を読んで、「この結論にした理由は何か」「この言葉はどういう意味か」と質問するだけでも、説明不足や論理の飛躍を本人が発見できます。
医療ニュースについて家庭で話すときも、正解を教えるより、異なる立場を考える機会をつくることが有効です。患者、家族、医療者、地域住民などの視点を比べることで、対策の公平性や実現可能性を考えられます。
一方で、志望理由や将来像を保護者の言葉に置き換えすぎると、面接で本人が説明できなくなります。学習時間の確保や受験日程の整理を支えつつ、最終的な表現は本人に任せることが、自立した受験準備につながります。
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まとめ:合格答案へ向けて今日から始めること
香川県立保健医療大学・臨床検査学科の小論文対策では、グラフ型か課題文型かを予想することより、どちらにも対応できる基礎をつくることが重要です。資料の正確な読解、短い要約、根拠のある考察、医療への具体化という四つの力を一体として鍛えましょう。 まずは2024年度を使って、件数と割合、実数と母数当たりの数値を区別する練習をしてください。次に2025年度を使い、中心主張を残して具体例を削る要約練習と、文章から得た示唆を医療者の行動へ変換する練習を行います。書き終えた答案は、事実と推論が混ざっていないか、主語と述語が対応しているか、結論に根拠があるかを必ず見直します。 さらに、小論文の内容を口頭でも説明してみてください。なぜその対策が必要なのか、医療従事者として何を大切にしたいのかを追加質問されても答えられれば、面接準備にもつながります。 今日から始めるなら、最初の一歩は資料を一つ選び、事実を100字以内で要約することです。その後に原因と対策を各一つ加え、先生や第三者から添削を受けて書き直しましょう。小さな修正を積み重ねることが、限られた試験時間で安定した答案を書く力になります。
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