【推薦入試】公立鳥取環境大学 経営学部 経営学部経営学科(小論文過去問題解説)

推薦入試

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

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公立鳥取環境大学 経営学部 経営学部経営学科の小論文対策

【令和5年 学校推薦型選抜(Ⅰ型)  90分】

課題の要約文です。

工業社会の形成までの農業社会では、市場社会とは異なり、生産物市場が存在しましたが、生産要素を取引する要素市場は存在しませんでした。農業社会では自然が生産を規定し、人間の労働は副次的な役割に過ぎませんでした。しかし、工業社会では「死んだ自然」が原材料として使用され、市場で取引されるようになりました。

工業社会では、機械設備が生産を規定し、そのためには自然や人間を排除しようとする傾向が見られます。この傾向に対抗するため、政治システムや社会システムが福祉国家を形成してきました。福祉国家は大量生産・大量消費の基盤で成り立っており、生産工程の合理化によって生産性が向上し、賃金の上昇が行われました。

しかし、福祉国家を支える前提であるブレトン・ウッズ体制が崩れ、資本主義がグローバル化する中で、市場経済が機能不全に陥る可能性が生じました。資本主義の拡大によって生じる社会問題に政治システムが対応することが難しくなり、人間の生活の持続可能性が危機に瀕しています。

工業社会は自然を機械で置き換え、人間を排除する傾向が強まっています。この過程で自然破壊が進み、合成物質の利用が増加しています。市場社会は人間の労働と自然を市場化し、その結果として生じた社会問題や自然破壊に対処することが求められています。

現在の工業社会は二重の危機に直面しています。一つはグローバリゼーションによって引き起こされる社会問題に対処する難しさであり、もう一つは自然破壊が深刻化し、人間の生活の持続可能性が危機に瀕していることです。これらの課題に対処するためには、新たな経済モデルや社会制度の構築が必要とされています。

出典:神野直彦著「地域再生の経済学 豊かさを問い直す」 中公新書 1657 中央公論新社 2002 年 p37-44 一部改変

問1.下線部①について、何故、工業社会は生産過程から自然や人間を排除しようとするのか、100字以内で簡潔に説明しなさい。

問2.下線部②について、所得を生み出す生産要素の移動が統制できなければ、何故、所得再分配が出来ないのか、100字以上200字以下で説明しなさい。

問3.

(1)下線部③について、筆者が考える自然破壊が起こるプロセスを農業と工業を比較させつつ説明しなさい。なお字数は 200 字以上 300 字以下とする。

(2)(1)の内容を踏まえ、自然破壊を防ぐにはどのような取組みが必要か、自身の考えを述べなさい。なお字数は 200 字以上 300 字以下とする。

ポイント

出題意図

文章の読解力と、その内容に関する自分の考えを論理的に表現する能力を具えているのかを確認する。

問1.文章の内容を理解し、要点をまとめ、説明することが出来るのかを確認する。

問2.筆者の意図を理解するとともに、その内容を推察し、自分の言葉で説明することが出来るのかを確認する。

問3.(1)設問の意図を汲み取り、本文の内容を簡潔にまとめられるか。

   (2)自身の考えを論理的に説明することが出来るのかを確認する。

<公立鳥取環境大学の公開内容からの引用>

小論文過去問題解説

問1: 下線部①では、工業社会がなぜ生産過程から自然や人間を排除しようとするのかを考える必要があります。工業社会では機械設備が生産を規定し、効率的な生産を目指すため、人間や自然の要素を排除する動きがあることを理解します。これは効率追求と生産性向上の観点からの行動であり、それによって市場社会が形成されています。

問2: 下線部②では、所得再分配がなぜ所得を生み出す生産要素の移動の統制に依存しているのかを考えます。資本の移動が自由であれば、富や所得も国家を越えて流れ、所得再分配が難しくなります。ここで、資本の統制と所得再分配の関連性を理解することが重要です。

問3: (1)下線部③では、農業と工業を比較しながら自然破壊のプロセスを考察します。農業が「生きた自然」を利用し再生力を保ちつつも、工業が「死んだ自然」を利用する中で環境への影響が広がることに着目します。自然資源の使用方法やその結果としての環境変化に注目し、二つの産業形態が環境に与える影響の相違点を把握します。

(2)(1)の内容を踏まえ、自然破壊を防ぐための取組みについては、サステナビリティや再生可能エネルギー利用、環境法の強化など、具体的な対策を考えます。また、持続可能な開発に向けた意識改革や技術の進化についても考察します。この際、個人や企業が果たすべき役割にも焦点を当て、総合的な視点で解決策を考えることが必要です。

公立鳥取環境大学の所在地・アクセス

所在地アクセス
鳥取県鳥取市若葉台北1-1-1JR山陰本線「鳥取」駅からバスで約20分

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公立鳥取環境大学の入試傾向

公立鳥取環境大学の入試傾向は、以下のような特徴があります。

  1. 入試方式:
    • 公立鳥取環境大学では、一般入試が主要な入試方式です。一般入試は通常、学力試験(筆記試験)と面接試験から成り立つことが多いです。また、個別学力検査も行われることがあります。
  2. 学力試験:
    • 学力試験は、主に学術的な知識や理解力を測るための試験です。出題科目や配点は公式ウェブサイトや入試要項で確認できます。
    • 学力試験の出題内容は教科ごとに異なります。英語、数学、化学、生物など、選択科目に応じて対策を立てましょう。
  3. 面接試験:
    • 面接試験では、志望動機や自己紹介、適性などが評価されます。自分の強みや志向を明確に伝える準備が重要です。
    • シミュレーション面接などを通じて面接の練習を積むことが役立ちます。
  4. 個別学力検査:
    • 個別学力検査は選択科目から1科目が出題され、大学入学共通テストの配点率が高いとされています。選択科目に合わせて対策を行いましょう。
  5. 過去の入試問題:
    • 過去の入試問題を解析し、出題傾向を理解することが有用です。過去問演習を通じて実力を高めましょう。
  6. 対策と勉強法:
    • 各科目に合わせて、基礎知識をしっかりと理解し、問題解決能力を養うことが大切です。
    • 模擬試験を受験して本番に近い状況で対策を行い、時間配分や試験の雰囲気に慣れましょう。
    • 面接対策では自己紹介や志望動機を練習し、自信を持って臨むことが重要です。

公立鳥取環境大学の募集コース

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環境学部 環境学科(定員数:150人)

「環境」を実践的に学ぶフィールドワークに1年次から取り組める。自然環境保全、循環型社会形成、人間環境など幅広い分野の環境関連科目も学び、環境問題解決能力や人間力を育成していく。中学・高校教諭一種免許(理科)が取得可能。環境問題に関する基本的知識を持った理科教員を養成する。

経営学部 経営学科(定員数:150人)

多様なビジネス社会で活躍するために必要なマネジメント基礎力を養うとともに、企業、会計・ファイナンス、地域、情報の視点から経営学を修得し、経営という視点から「自然環境と共生する社会の構築に貢献できる人材の育成」を目指す。また、環境学部との連動により、「環境」に対応した「未来対応の経営」を学ぶことができる。

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