「一日の勉強時間がどうしても足りない」と感じる受験生へ――時間が増えなくても成績を伸ばす一日の勉強計画法

大学入試

「もっと時間がほしい」という切実な悩み「一日の勉強時間が足りない」

——この悩みは、受験生のほぼ全員が一度は感じるものです。
朝から夜まで学校や塾で時間を使い切ってしまい、帰宅後は疲れ切って机に向かえない。頑張っているのに「周りはもっとやっている」と感じて焦る。SNSで「今日12時間勉強した」という投稿を見て、「自分は全然足りていない」と落ち込んでしまう……。

でも冷静に考えると、「時間が足りない」という悩みの多くは、単純な“勉強時間の不足”ではありません。
原因は、時間の使い方や意識のズレにあることがほとんどです。1日24時間という条件は、東大合格者も浪人生も同じ。その中で差がつくのは、時間そのものではなく 「時間の設計」と「集中の質」 です。

この記事では、「時間が足りない」と感じる背景を整理しながら、限られた時間で最大の成果を出す考え方と戦略をまとめていきます。

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)

【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴27年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。

2020年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となる。過去3年間で国公立大学合格125名。

高1から入会者は国公立大学合格率93%
高2から入会者は国公立大学合格率86%
高3の4月から入会者は国公立大学合格率73%

スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします

「時間が足りない」の正体は“心理的不安”

最初に知っておいてほしいのは、「時間が足りない」という感覚は、実際の時間不足ではなく“心理的な不安”であることが多い、という点です。

「まだ終わっていない範囲がある」
「周りに比べて遅れている」
「計画が間に合っていない」

こうした不安が、“時間そのものへの焦り”として表面化しているケースはとても多いです。特に模試や本番が近づくほど、この不安は強くなります。

だからこそ、「足りない」と感じたときほど、まずは一度立ち止まって、“本当に時間が足りないのか?それとも不安なだけなのか?”
を見極めることが重要です。

「勉強時間=成果」ではないという事実

受験生が陥りがちな大きな誤解のひとつが、「勉強時間が長ければ成果が出る」という思い込みです。もちろん、一定の学習量は必要です。でも、時間だけを増やしても成果が比例して伸びるわけではありません。

たとえば、6時間ダラダラ問題集を眺めるより、2時間集中してアウトプット中心の演習をするほうが、学力は圧倒的に伸びます。逆に、長時間机に向かっていても、スマホを触ったり、考えずに問題を解いたりしていれば、学習効果は大きく下がります。

難関大合格者の中には「平日は4〜5時間」「休日でも8時間前後」という人も少なくありません。彼らが結果を出せるのは、時間の長さではなく 「1時間あたりの濃度」 が高いからです。勝負の分かれ目は、“どれだけやるか”ではなく “どのようにやるか” です。

「時間が足りない」と感じる主な原因4つ

では、なぜ多くの受験生が「一日の勉強時間が足りない」と感じるのでしょうか?背景には、次の4つが隠れています。

① 無駄な時間が多い
通学、休憩、SNSチェックなどの“気づかない浪費”が積み重なると、1日で数時間は簡単に失われます。実際は勉強時間不足ではなく、勉強以外が多すぎるだけ、というケースも多いです。

② 優先順位があいまい
“今やるべきこと”が整理できていないと、重要度の低い勉強に時間を取られ、肝心の対策が後回しになります。時間が足りないのではなく、「使い道が間違っている」可能性があります。

③ 計画が非現実的
「毎日12時間」「1週間で参考書を終わらせる」など無理な計画は、現実とのギャップで焦りを生み、「時間が足りない」と感じやすくなります。

④ 集中力が続かない
2〜3時間ごとに集中が切れてダラダラしてしまう。集中できない時間が増えると、勉強時間は“ある”のに“使えていない”状態になります。

勉強時間は「確保」ではなく「設計」する

「もっと時間がほしい」と思ったとき、多くの人は“確保”に意識が向きます。
早起きする、睡眠を削る、休憩を減らす……。でも、これだけでは根本解決になりません。

重要なのは「時間を増やす」より、「時間を設計する」 こと。
時間の設計とは、1日の流れを“目的ベース”で組み立てることです。

  • 朝(集中力が高い) → 暗記や理解が必要な科目
  • 午後(やや集中力が落ちる) → 問題演習や過去問
  • 夜(疲れやすい) → 復習・アウトプット・知識整理

このように時間帯ごとに最適な学習を割り当てるだけで、同じ5〜6時間でも成果は大きく変わります。

SNSの「勉強時間マウント」に惑わされない

「時間が足りない」と感じる原因の一つにSNSがあります。
「今日12時間勉強!」という投稿を見ると、「自分は全然足りない」と思い込みやすい。

でもSNSの勉強時間は“数字”であって、集中の質や内容は分かりません。
12時間やっても内容が薄ければ、5時間集中した人に負けます。比較すべきは他人の時間ではなく、自分にとって最適な時間の使い方です。

「優先順位」を徹底的に明確にする

時間不足の原因の多くは、「何を優先するか」が曖昧なことです。
ここで有効なのが、重要度×緊急度のマトリクスで整理する方法です。

  • 重要度高 × 緊急度高 → 今すぐ(過去問・弱点補強)
  • 重要度高 × 緊急度低 → 毎日コツコツ(基礎固め・暗記)
  • 重要度低 × 緊急度高 → 最小限(提出課題など)
  • 重要度低 × 緊急度低 → 後回し or 捨てる

勉強時間が限られているなら、まずは 合格点に直結する部分へ集中 するのが最優先です。

「小分け勉強」でスキマ時間を積み上げる

「まとまった時間が取れない」と悩む人ほど、合格者がやっているのが 小分け勉強(スプリット学習) です。

  • 通学中に英単語
  • 昼休みに数学1問
  • 寝る前に今日の復習を口に出す

こうした5〜10分の積み重ねが、1日合計で1〜2時間になり、1か月で30〜60時間、3か月で100時間以上の差になります。勉強時間は「作る」ものではなく、積み上げる ものです。

「集中時間」を最大化する環境戦略

同じ1時間でも、「集中した1時間」と「なんとなくの1時間」は価値が違います。
集中力を高める環境戦略は次の3つです。

① 学習場所の固定化
“机の前=勉強”と結びつけると集中モードに入りやすくなります。

② スマホ・誘惑の排除
SNSチェックで集中が切れると、戻るのに時間がかかります。別室に置く、ロックアプリを使うなど、“触れない環境”を作るのが効果的です。

③ 集中と休憩のサイクル化
「50分集中→10分休憩」など、サイクルで回すとパフォーマンスが上がります。

「ルーティン化」で時間の浪費を防ぐ

時間が足りない人ほど、日によってやる順番や内容が変わり、迷い時間が増えがちです。
だからこそ、学習をルーティン化します。

  • 朝起きたら英単語30分
  • 通学中は一問一答
  • 帰宅後は過去問演習2時間
  • 寝る前に復習

「やること・時間・順序」を固定すると、迷いが消え、計画が回り始めます。

「やることを減らす」勇気も必要

本当に大切なのは“やることを増やす”ことではなく、やらないことを決めることです。
使わない参考書は捨てる、効果の薄い教材は切る。これは妥協ではなく、必要なことに100%集中するための戦略です。

「時間の使い方」を分析する習慣を持つ

感覚だけで「時間がない」と判断すると、原因が見えません。
そこで役立つのが 時間ログ(記録)。30分単位で行動を記録すると、“隠れロス”が可視化されます。ロスを削るだけで勉強時間は増えます。

まとめ

「勉強時間が足りない」という悩みの多くは、時間そのものではなく 使い方・意識・優先順位 が原因です。解決の鍵は次の5つ。

  1. 優先順位を明確にして「合格点に直結する勉強」へ集中
  2. 小分け勉強でスキマ時間を積み上げる
  3. 集中力を最大化する環境を整える
  4. ルーティンで迷い時間を削る
  5. やらないことを決めて選択と集中を徹底する

時間は全員に平等です。焦るのではなく、「どう使えば足りるか」 を考える姿勢が、合格への近道になります。

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