「地方国公立に“安全校”なんて存在しない」医学部受験のリアル

大学入試

こんにちは!スカイ予備校メディカルアンバサダーのめでぃたです。

「うちは地方国公立狙いだから、私立より安全よね」

――そう思っている保護者の方、多いのではないでしょうか?

でも断言します。
いまの医学部入試に、“安全校”なんて存在しません。
むしろ地方国公立こそ、倍率・難易度ともに過酷です。

この記事では、医学部専門予備校の現場で見てきたリアルデータをもとに、“地方医学部神話”の正体を徹底的に解き明かします。

結論から言います。
医学部専門予備校の多くは「嘘はついていない」けど「真実も語っていない」。「地方国公立に“安全校”なんて存在しない」医学部受験のリアル

🎯「地方国公立=穴場」だったのは、10年前の話

10年前、確かに地方医学部は「狙い目」でした。

  • 東京や関西の難関大を避けて、
  • 定員もそれなりにあり、
  • 地元出身枠も手厚い。

しかし今、その構造は完全に崩れています。

理由①:地方医学部が「全国区」になった

共通テストになり、全国どこでも受験しやすくなったことで、上位層が地方医学部まで受けに来るようになりました。

たとえば旭川医科大学、佐賀大学、島根大学など、かつては「穴場」と言われていた大学に、
今や首都圏・関西の上位層が大量参戦しています。

結果、倍率はどこも10倍前後。
しかも受験者の“偏差値層”が上がり続けています。

📊データで見る「地方医学部の異常な戦い」

例えばここ数年の傾向👇

大学名一般倍率合格者ボーダー(河合模試換算)
弘前大学9.2倍偏差値67.5
島根大学10.1倍偏差値67.5
佐賀大学8.8倍偏差値68
鹿児島大学9.5倍偏差値68
琉球大学11.0倍偏差値67.5

つまり「地方=易しい」は幻想です。
“旧帝大と同じ偏差値帯”で合否が決まるのが今の現実。

しかも、地域枠や推薦枠で定員の半分近くが埋まり、一般枠の競争はさらに激化しています。

🧮「共通テスト8割でチャンス」は、もう昔の話

かつては「共通8割で国公立医学部も狙える」と言われました。
今は8割5分〜9割が最低ライン。

たとえば、

  • 共通8割 → ボーダーギリギリ
  • 共通8.5割+二次得点6割 → 合格圏
  • 共通9割 → やっと「安心ライン」

さらに、共通の理科・数学が難化した年は、
上位層が滑り込み先として地方に殺到します。

→ つまり、“安全校のはずが超激戦区になる”という現象。

🧠「二次の配点が高い大学」こそ実は危険

「地方国公立は二次で逆転できる」とよく言われますが、これも半分正しくて半分ウソです。

なぜなら、地方大は“二次の問題が独特すぎて差がつかない”大学が多い。

具体例👇

  • 某地方大:英作文が癖強めで予備校でも対策不可
  • 某県立大:理科が教科書外の実験知識を問う
  • 某国立大:数学が極端に時間配分重視で、実力より戦略勝負

つまり「二次で逆転できる」は、“上位層が逆転する構造”という意味なんです。

💬現場の実感:「地方国公立を甘く見た」浪人生が毎年いる

私が教えている予備校でも、「安全校で受けたはずの地方大に落ちた」生徒が毎年います。

共通テスト84%、模試偏差値67。
私立の上位校にも合格できるレベル。

でも、島根・佐賀・香川などの国公立で二次戦略を誤り不合格。

一方で、
同じ成績の別の生徒が「旭川」「山形」で合格。

→ 合否の差は、学力ではなく“情報と準備の差”だった。

⚠️地方医学部で特に注意すべき“見落としポイント”

① 地域枠の条件を誤解している

「地元出身じゃないと無理」と思われがちですが、
実際は全国枠+地域枠を併設している大学もあります。

しかし“卒後の義務年限”がある枠もあるため、
安易に出願するのは危険。

② 面接の評価が重い

地方国公立は「学力同点なら面接重視」が一般的。

たとえ筆記が高得点でも、

  • 志望理由が弱い
  • 医療倫理観が浅い

などで不合格になるケースが実際にあります。

③ 二次で理科2科目フル使用

私立医学部志望の併願対策で「理科1科目」しか仕上げていない生徒は要注意。
地方国公立は原則2科目必須。
片方が穴だと一瞬で崩れます。

📘「安全校探し」ではなく「リスクマネジメント」を

医学部受験は安全校を探すゲームではなく、リスクを管理するゲームです。

つまり、

  • “落ちても次につながる”併願設計
  • “得点源がどこか”の明確化
  • “共通・二次の相性”の分析

が何より大切。

たとえば👇

  • 数学が得意 → 二次数学重視の大学へ
  • 英語が苦手 → 面接重視の大学は避ける
  • 記述が安定しない → 共通配点高めの大学へ

単純な偏差値比較よりも、
「自分の強みを活かせる構成」を優先すべきなんです。

🧭予備校が伝えたいリアルな結論

「地方国公立だから安全」という時代は、もう終わった。
これからの医学部受験は、“全国一律での総力戦”。

それでも国公立を目指すなら、「覚悟」と「データ分析」をもって挑むこと。

特に浪人生の場合、1年の戦略ミスがそのまま“もう1年”につながります。
私たちは現場で何度もそれを見てきました。

✍️最後に:安全ではなく、“納得できる選択”を

親御さんの多くは「安定」「安全」を求めて地方国公立を選びます。
でも本当に大事なのは、「この大学を受ける意味が、自分の中にあるかどうか」。

倍率や偏差値は変えられません。
でも、“納得できる理由”がある受験は、最後までブレずに戦えます。

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