こんにちは、スカイ予備校メディカルアンバサダーのめでぃたです。
医学部を志す皆さん、そして保護者の皆さま。
「医学部ならどこでもいい」「受かれば勝ち」――そんな言葉を耳にしたことはありませんか?
実は、私自身も受験生のときはそう思っていました。最優先は「合格できるかどうか」。入学後のキャンパスライフや卒業後のキャリアなんて、考える余裕すらありませんでした。
でも、実際に医学部に入ってみると、「どこでも同じ」なんてとんでもないということに気づかされました。
医学部は入るのがゴールではなく、むしろスタートです。そしてそのスタート地点の違いは、6年間、そして医師人生にまで影響を及ぼすこともあります。 この記事では、医学部の「国公立前期試験」の受験校を選ぶ際に、絶対に見落としてほしくない3つのポイントをご紹介します。

記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
【全国通信教育】最短合格オンラインのスカイ予備校 校長
■小論文指導歴27年
これまでに指導した生徒は4000人以上、独自のSKYメソッドを考案で8割取る答案の作り方を指導。
2020年4月から、完全オンラインの大学受験予備校となる。過去3年間で国公立大学合格85名。
高1から入会者は国公立大学合格率93%
高2から入会者は国公立大学合格率86%
高3の4月から入会者は国公立大学合格率73%。
スカイ予備校の指導方針は、「大人になっても役に立つ勉強法の習得」です。「自分の人生は自分で切り拓く」教育をします
医学部の卒業難易度は大学によってまったく違う
まず最初に強調したいのが、医学部は入ったあとが大変ということ。
これは皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、問題は「その大変さ」が大学によって結構違う、という点です。
● 留年率(ストレート卒業率)をチェック!
大学によっては、留年率が極端に高い医学部もあります。特に2年次の解剖学や、4年次のCBT(共用試験)、6年次の卒業試験などが難関で、「○割が毎年留年」という大学も。
一方で、進級が比較的スムーズな大学も存在します。もちろんどこでも努力は必要ですが、「落とす前提でテストを組んでくる」のか、「支援体制が整っていて学生を育てようとしてくれる」のかは、学校ごとに明らかな違いがあります。
● 国家試験合格率も要確認
もう一つの指標が、医師国家試験の合格率です。
これは卒業時点での実力差が出るほか、「卒業試験でふるいにかけられているか(≒合格見込みのない人を受けさせていないか)」などの違いも含まれています。
国試合格率は毎年厚生労働省が公表しており、90%を超える大学もあれば、80%台前半の大学も。
受かっても卒業できなければ意味がない。
だからこそ、「合格しやすさ」だけでなく、「卒業しやすさ」もセットで見るべきです。
立地は6年間のQOL(生活の質)に直結する
次に注目したいのが、医学部の所在地=立地です。
医学部の中には、都市部にある大学もあれば、かなり田舎にある大学もあります。この「どこで6年間を過ごすか」は、思っている以上に重要です。
● 都市部と地方では、生活の幅が違う
たとえば東京・大阪・福岡といった都市部の大学であれば、アルバイト、交通の便、人との出会い、情報環境、すべてにおいて恵まれています。
一方で、地方の医学部では、「電車は1時間に1本」「映画館すら市内にない」ということも珍しくありません。
「遊びたいから都会に行きたい」と言いたいわけではありません。
視野を広げられる環境か、限られた人間関係の中で6年間を過ごすか――それは、人格形成にも影響します。
特に医学生時代は、将来の価値観や人脈を築く大切な時期。だからこそ、立地は無視できない要素なのです。
● 実家に戻るつもりなら、地元近くも一考
もう一点、「将来地元で働くつもり」なら、地元近くの医学部を選ぶのは大きなメリットです。
まず交通費が抑えられるので経済的負担が少なくなりますし、親のサポートを受けやすい。特に一人暮らしに不安のある人には、心強い選択肢になります。
卒業後のキャリアにも、大学のカラーが影響する
最後にお伝えしたいのが、卒業後のキャリアの差です。
「医師国家試験に通れば、どこでも好きな場所で働ける」
これは建前としては正しいですが、現実には「出身大学」の影響が根強く残っています。
● 医局・研究・留学など、将来の選択肢に差が出る
例えば、研究に力を入れている大学なら、早期から研究室に所属したり、海外留学を目指すサポートが受けられるかもしれません。
また、医局(=専門診療科の母体)との関係性も大学によって濃淡があります。入局先の選択肢が広がる大学もあれば、選択肢がかなり限定されてしまう大学もあるのです。
● 「同じ大学じゃない」という疎外感
卒業後、違う大学の医局に入ると、「外様扱い」を受けることもあります。もちろん、表立って差別されることは少なくなっていますが、
「出身大学が違うと、ちょっと壁を感じる」という声は、今も現場では聞こえてきます。
ですので、将来やりたい分野が決まっている人ほど、その分野に強い大学・病院とのコネクションがある大学を選ぶことが重要です。
「合格できるか」+「卒業できるか」+「自分らしい医師人生を歩めるか」
国公立前期の医学部選びにおいて、「受かりやすさ」だけに注目してしまうのは非常に危険です。
確かに医学部はどこに行っても医師になれる。でも、「どういう医師になるか」「どんな6年間を送るか」「卒業後どんなキャリアを築けるか」は、大学によって全く違います。
私自身、あの時もう少し考えていれば、違う選択肢もあったかもしれない――そう思うこともあります。
だからこそ、今これを読んでいる皆さんには、情報を集めて、納得して受験校を選んでほしいのです。
まとめ:情報に基づいた戦略的な受験校選びを
- 医学部は大学によって卒業難易度が大きく違う(留年率・国試合格率をチェック)
- 6年間の立地は生活の質、成長環境、家計にも直結する
- 卒後キャリアや医局人間関係も、大学ごとに差が出る
医学部受験は人生のターニングポイントです。
合格だけでなく、「その先」を見据えて、ぜひ自分にとって最良の大学を選んでください。