監修者:五十嵐弓益(スカイ予備校校長・小論文専門講師)
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(後期)静岡大学人文社会科学部・社会学科(昼)小論文・過去問題特集
このページでは、静岡大学人文社会科学部・社会学科(昼間主コース)の後期入試における小論文の過去問題を徹底分析します。スカイ予備校の小論文専門講師・五十嵐弓益が、傾向・対策・予想問題・解答例まで詳しく解説します。受験生の皆さんがこの記事を読むだけで、合格レベルの小論文を書く力を養えるように構成しています。ぜひ最後まで読み込んで、万全の対策を整えてください。
静岡大学人文社会科学部・社会学科の概要
静岡大学人文社会科学部社会学科は、社会学・社会福祉学・地域研究などを横断的に学ぶ学科です。人間社会の仕組みや現代的課題を多角的に考察する力を育てることを目的としており、フィールドワークや統計分析、文献研究など多様な研究手法を習得します。後期入試では学力試験に加えて小論文が課されるため、日頃から社会問題に対する思考力・表現力を鍛えておくことが必須です。
入試傾向と特徴
静岡大学人文社会科学部・社会学科の後期小論文入試には、いくつかの明確な傾向があります。まず最大の特徴は、課題文型の出題が中心であるという点です。新聞のコラム・社会科学系の論文・統計データなど、多様なジャンルの文章が課題文として提示され、それに基づいて論述することが求められます。
出題テーマは「社会的包摂と排除」「地域コミュニティの変容」「現代における家族の多様化」「格差社会と貧困問題」「グローバル化と地域文化の摩擦」など、社会学の基本概念に関連したものが頻出です。一見、異なる分野のテーマが出題されることもありますが、よく読み解くと「社会的な関係性」「権力構造」「共同体の意味」といった共通の抽象テーマに収束していることに気づきます。
また、設問の構成としては「①課題文を要約せよ」「②筆者の主張に対する自分の意見を述べよ」という2問構成が多く見られます。要約問題では正確な読解力が、意見論述問題では論理的な構成力と社会的知識の活用力が試されます。文字数は全体で600〜1000字程度の指定が多く、限られた字数の中でいかに論点を絞り込み、説得力を持たせるかが得点を左右します。
時事問題との連動も重視されており、社会学的な視点から現代社会の出来事を分析・考察できるかどうかが問われています。単なる知識の暗記ではなく、「なぜそうなるのか」「社会全体にどんな影響を与えるのか」という問いに答える姿勢が求められると言えるでしょう。
過去問題
過去問題①(例年出題形式)
【課題文】
(※実際の課題文はここに掲載されます。著作権の関係上、原文そのままの掲載は控えておりますが、以下に出題の概要と設問をご紹介します。)
課題文の概要:現代社会における「つながり」の希薄化と孤立の問題、地域コミュニティの再生に向けた取り組みについて論じた文章。都市化の進展により、かつて機能していた地縁・血縁に基づく共同体が解体され、人々が孤立しやすい環境が生まれているという論旨。
【設問1】課題文の内容を200字以内で要約しなさい。
【設問2】課題文の筆者の主張を踏まえ、現代社会における「つながり」の再構築に向けてあなた自身の考えを600字以内で述べなさい。
過去問題②(例年出題形式)
【課題文】
課題文の概要:グローバル化の進展に伴う移民・外国人労働者の受け入れ問題と、多文化共生社会の実現に向けた課題を論じた文章。異なる文化的背景を持つ人々が同一の社会で生活する際に生じる摩擦と、それを乗り越えるための社会的仕組みの重要性が説かれている。
【設問1】課題文における筆者の主張を150字以内でまとめなさい。
【設問2】多文化共生社会を実現するために、社会はどのような取り組みを行うべきか。課題文の論旨を参照しながら、あなたの考えを700字以内で論述しなさい。
過去問題③(例年出題形式)
【課題文】
課題文の概要:現代日本における貧困問題、特に「相対的貧困」の概念と、子どもの貧困が教育機会の格差につながるという問題を取り上げた文章。貧困の再生産サイクルを断ち切るための社会保障制度や教育政策の在り方について論じている。
【設問1】筆者が「貧困の再生産」と呼ぶ現象について、課題文に基づいて説明しなさい(200字以内)。
【設問2】子どもの貧困問題を解決するために、社会はどのような役割を果たすべきか。あなた自身の考えを具体的な根拠を示しながら600字以内で述べなさい。
小論文対策ポイント
ポイント① 課題文の「論理構造」を正確に読み解く
静岡大学社会学科の小論文では、課題文の正確な読解が得点の土台になります。課題文を読む際には、「筆者が最も言いたいこと(主張)」「その根拠・理由」「具体例」の三層構造を意識して整理しましょう。要約問題では、この構造を崩さずにコンパクトにまとめる訓練が不可欠です。段落ごとにキーワードに印をつけながら読む習慣をつけると、素早く正確に要旨を捉えられるようになります。
ポイント② 社会学の基本概念・用語を身につける
「社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)」「相対的貧困」「社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)」「エスニシティ」「ジェンダー」「社会化」「階層の再生産」など、社会学の基本概念は論述の説得力を一気に高めます。これらの用語を適切に使いこなせるよう、社会学の入門書を一冊読んでおくことを強くお勧めします。ただし、用語を使うことが目的になってしまうと逆効果です。あくまで自分の論旨を補強するための道具として活用してください。
ポイント③ 「抽象度を上げて応用する」思考の習慣
過去問を分析すると、テーマが「家族」「地域」「格差」「移民」など多岐にわたることがわかります。しかし、それらはすべて「社会的なつながりとはどうあるべきか」「権力と不平等をどう乗り越えるか」という抽象的な問いに収束します。個別の問題を学ぶ際には、常に「これは社会学的にどんな普遍的テーマと繋がっているか」を考える癖をつけましょう。この「抽象化→応用」の思考が、初見の問題に対応する力を養います。
ポイント④ 自分の意見を「論拠つき」で述べる練習をする
意見論述では「私はこう思う」だけでは不十分です。「なぜそう思うのか(理由)」「それを裏付ける事実・データ・事例は何か(根拠)」「反論にはどう答えるか(反駁)」という三段構成を意識しましょう。特に静岡大学社会学科では、社会的事実や具体的な政策・制度を引用して論旨を補強することが高評価につながります。日頃から新聞・ニュースを社会学的視点で読み解く習慣が大きな武器になります。
ポイント⑤ 時間配分と字数管理を徹底する
本番では課題文の読解に10〜15分、設問1(要約)に10分、設問2(論述)に25〜30分、見直しに5分という配分が目安です。字数超過・不足はいずれも減点対象になりますので、指定字数の90〜100%を目指して書く練習を繰り返してください。下書きをせずに本番と同じ条件で時間を計って書く「実戦演習」を月2〜3回は行いましょう。
2026年度予想問題
予想課題文
現代社会において、「ケア」という行為はきわめて重要な社会的機能を担っている。子どもの養育、高齢者の介護、障害者への支援といったケア労働は、社会の存続と再生産を根底から支えるものであるにもかかわらず、長らく「家庭内の私的な営み」として公的な評価の外に置かれてきた。その結果、ケア労働の大部分を担ってきた女性たちは、経済的報酬を十分に得られないまま、その役割を「当然のもの」として内面化させられてきたのである。
近年、「ケアの倫理」という概念が注目されている。これは、人間は本来、相互に依存し合う存在であるという認識に立ち、他者への配慮・応答・責任を社会の中心的価値に据えようとする倫理的立場である。従来の社会理論が「自律した個人」を前提としてきたのに対し、ケアの倫理は「誰もがケアを必要とし、また誰もがケアを担い得る」という相互依存の現実から出発する。
しかし、ケアを社会的に可視化し、公正に評価するためには、個人の意識変革だけでなく、制度的・構造的な変革が不可欠である。ケア労働への適正な報酬、育児・介護休業の男女平等な取得促進、地域における相互扶助の仕組みの再構築など、多面的なアプローチが求められる。「ケアする社会」の実現は、単に女性の問題ではなく、すべての人が尊厳を持って生きられる社会の基盤を作ることにほかならない。
(スカイ予備校・オリジナル課題文 約350字)
設問
【設問1】課題文における筆者の主張を180字以内で要約しなさい。
【設問2】「ケアする社会」を実現するために、社会・制度・個人はそれぞれどのような変化が必要か。課題文の論旨を踏まえながら、あなた自身の考えを600字以内で論述しなさい。
予想問題解答例
設問1 解答例(要約・180字以内)
ケア労働は社会の存続を支える重要な機能を持ちながら、私的な営みとして公的評価を受けられず、主に女性がその役割を無償で担わされてきた。筆者は「ケアの倫理」を援用し、人間の相互依存という現実を出発点として、ケア労働を社会的に可視化し、制度的・構造的変革によって公正に評価することが、すべての人の尊厳ある社会の基盤になると主張している。(178字)
設問2 解答例(論述・約600字)
「ケアする社会」の実現には、社会・制度・個人の三つのレベルで同時並行的な変革が必要だと私は考える。
まず社会的レベルでは、ケア労働を「価値ある営み」として文化的に再定義することが求められる。日本社会では長らく、ケアは「愛情があれば当然するもの」という規範のもと、経済的評価の外に置かれてきた。しかしこの規範こそが、ケアの担い手に過剰な負担をかけ、燃え尽きや貧困を生む温床となっている。メディアや教育を通じて、ケアが社会全体を支える高度な専門的行為であるという認識を広めることが不可欠だ。
次に制度的レベルでは、ケア労働への適正な報酬の保障と、ジェンダーを問わないケア参加の仕組みづくりが急務である。介護・保育職の低賃金問題は深刻であり、公的財源の投入による処遇改善が必要だ。また、育児・介護休業の男性取得率はいまだ低水準にとどまっており、取得しやすい職場環境の整備や給付水準の引き上げが求められる。さらに、課題文が指摘するように、地域における相互扶助の仕組みを再構築することも重要で、自治体が中心となって住民同士のケアネットワークを形成する政策を推進すべきである。
個人的レベルでは、「ケアは自分にも関係すること」という当事者意識を持つことが重要だ。誰もがいつかは病を得たり、老いたりする。ケアを「他人事」ではなく「社会的な共同責任」として捉え直すことで、ケアする人・される人の双方が尊重される社会関係が生まれる。
三つのレベルの変革が相互に連動したとき、はじめて「ケアする社会」は現実のものとなる。それはすべての人が尊厳を持って生きられる社会の実現と同義であり、社会学が追求すべき最も根本的な問いの一つだと私は確信する。(約595字)
過去問傾向のまとめと学習法
過去問題における傾向を把握しながらも、それらの問題と関係性の深い事柄についても調べるのが良いでしょう。また、出題の題材として、一見、全く違う分野の問題だと思えるような題材が取り上げられることにも気づいたのではないでしょうか? 他分野のことがらに関しても見聞を広げるのはもちろん意義がありますが、それよりも、共通のテーマや意味合いを見つけることに意識を注ぎましょう。「抽象度を上げて、応用する」という感覚です。志望の学部や学科が扱う分野に関わりの深いテーマはもちろん、時事情報なども関連させて考えを深めるとより良いでしょう。
スカイ予備校からのアドバイス
静岡大学社会学科の小論文は、「社会を見る目」そのものが試される試験です。テーマを暗記するのではなく、日々の出来事を「なぜ?」「誰がどんな影響を受けている?」と問い続ける習慣を持ちましょう。スカイ予備校では、オンラインで個別に小論文の添削・指導を行っています。一人で対策に悩んでいる受験生はぜひLINEでご相談ください。合格まで全力でサポートします!
よくある質問(FAQ)
Q1. 社会学の知識がなくても小論文は書けますか?
A. 書けますが、社会学の基本概念を知っておくと論述の説得力が格段に上がります。入門書を一冊読んでおくことを強くお勧めします。スカイ予備校では推薦図書リストも提供していますので、LINEでお問い合わせください。
Q2. 要約は何字が適切ですか?
A. 設問で指定された字数の90〜100%を目指してください。少なすぎると情報不足、多すぎると読解力不足と見なされます。「主張・根拠・結論」の三点を必ず含めるよう意識しましょう。
Q3. 後期入試の小論文は前期と何が違いますか?
A. 後期は一般的に倍率が高く、より差がつきやすい試験となります。その分、論述の質・論理的一貫性・社会的知識の活用度が厳しく問われます。前期とは段違いの準備が必要だと心得てください。
Q4. 時事問題はどのくらい知っておけばよいですか?
A. 直近1〜2年の主要な社会問題(少子高齢化・外国人労働者・子どもの貧困・デジタル格差など)は最低限押さえておきましょう。ただし時事知識はあくまで「論拠の材料」です。社会学的な視点
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