大学への学校推薦型選抜や総合型選抜に出願する際に提出する「志望理由書」。
ありきたりな文章をなんとなく書いてしまうと他の受験生に埋もれてせっかくのチャンスを減らしてしまいますよ!
「そんなこと言われても、高校で特に活躍とかしてないし、何書いたらいいか思いつかない…」
そんなあなたに、今回は大学に提出する志望理由書の書き方を例文を挙げながら解説します。
この記事を読めば、志望理由書の文章の組み立て方が見えてきますよ。
記事の監修者:五十嵐弓益(いがらし ゆみます)
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志望理由書の基本的な書き方のコツは?
志望理由書の内容、つまり「あなたがその大学を志望する理由」を大学側に効果的に伝えるためには、当然ですがまず
「あなた」と「大学」を知らないといけませんよね。
そのためにまず必要なのが「自己分析」と「志望校の分析」です。
最初に自分の実績や経験を基に自己分析を行う
「実績」というと「○○の大会で活躍」「○○部の部長で部を引っ張り」のような華々しいものでないといけないと思うかもしれませんが、そんなことはありません。
だいたい、大学や会社だってリーダーと活躍している人ばかりなんてことはありません(笑)
自分の経験を深掘りして、「あなた」という人間を知ってもらいましょう。
今までの経験の中から、
- うれしかったこと
- 上手くいったこととそのための工夫(何をして、何を考えたか)
- 失敗したことと反省
- 成功や失敗から何を得たか
- 好きなこと・得意なこと
- 努力できること
- 興味を持ったこと
- 将来どうなりたいか、なぜそうなりたいのか
あとは志望校にいつ興味を持ったのかとそのきっかけ、理由なども思い出して箇条書きで書き出してみましょう。
時系列でこれらを記入し、簡単な自分史を作るのも自分の興味や行動のパターンが分かっておすすめですよ。
次に志望校の分析を行う
- 学校説明会、オープンキャンパスに行った時の経験や印象
- パンフレットやHPに載っているアドミッションポリシー(学生の募集方針)やカリキュラム
これらから、志望校が力を入れているところや自分が興味を持った点を書き出します。
また今はオンラインオープンキャンパスで先輩の話を聞くこともできるので、もし志望校で行われていた場合は積極的に活用しましょう。
自己分析と志望校分析から書く内容を選定する
- 自己分析:強み、やりたいこと(将来)
- 志望校分析:志望校の特徴(強み)、できること
この2つがつながる内容を選びます。
自分の強みが大学生活や将来にどう活かせるか?
逆に、足りないところがあるならどう克服していきたいのか?
やりたいことや将来のために、志望校のどこが向いているのか
これらのことを考えてみましょう。
志望理由書には具体的なエピソードを入れる
志望理由書には自己分析の結果から出てきた、自分の強みにつながる具体的なエピソードを入れましょう。
「社交性があります」「頑張りました」と言葉だけで示しても信ぴょう性がないですが、過去の出来事に対して取った行動や工夫から、間接的にあなたがどんな人なのかが伝わります。
このエピソードと強みから、将来目指す方向や、大学で学びたいことにつなげます。
志望理由書を書く上で注意すべきことは?
志望理由書に書く内容が決まったら、あとはその内容の書き方にも注意が必要です。
内容がちゃんとしていても、文章がきちんと書けていなければ台無しです。
以下の項目もチェックして、好印象な志望理由書に仕上げましょう。
大げさな表現は避ける
目立つ実績がないと、つい「盛って」書きたくなるかもしれません。
しかし面接で志望理由書を元に質問があった場合、面接官の深堀りに耐えられますか?
相手は大人かつ、面接のプロです。
質問に具体的に答えられないような内容は簡単にバレてしまいます。
面接でボロが出て印象を悪くしたらかえって逆効果なので、大げさすぎる表現は控えましょう。
同じ文章表現は避ける
- 「私は~です」など、同じ文章の型をくりかえす
- 「です」「ます」「思います」など、同じ文末表現が続く
- 同じようなことを何度も書いている
これらは文章が幼い印象を与える上に、単調でまどろっこしくなってしまいます。
また、限られた文字数で同じようなことを書いていると、伝えたい内容が上手く伝わらなくなってしまいます。
志望理由書の例文
志望理由書の書き方の参考として、例文をご紹介します。
私が○○大学英語学科を希望する理由は、貴学の「自分で考える力や物事を批判的に見る力、相手と対話しながら議論を発展させていく力を育てる」という教育方針に強く関心を持ったからです。
数年前、アメリカ人の方とインターネット上でやりとりする機会がありました。文面での会話を数ヶ月行ったのですが、向こうの文化に関する話に惹かれ、実際に体験したいという思いが生まれました。しかしそれと同時に、私の拙い英語力では翻訳ツールを介さないと何も分からず、表面上のコミュニケーションに終わってしまい残念な思いをしました。それをきっかけに、高校に入学してからは英語の学習に力を入れ、授業以外でも英語の本を調べながら読んでみたり、英語で日記を付けてみたりしていました。その結果3年生の頃には学力が上がり、TOEIC600点を取ることができました。
大学説明会の際に、動画で拝見した「英語ディベート」の授業を始めとする貴学の英語教育カリキュラムで、私が将来目指す「国際社会において、会話だけでなく相手の話を考え方から理解し話し合うことができる人材」になることができると考えました。
貴学へ入学後は、英語力だけでなくその前提となる幅広い知識を学び、将来それを活かし英語を教える、あるいは英語圏の方に日本語を教える仕事に就きたいと思っています。
まとめ
志望理由書の書き方についてご紹介しました。
自己分析と志望校分析をしっかりすることで、志望理由書が書きやすくなるだけでなく面接の準備にもなります。
準備が大変ですが、面接をスムーズに進めるためにも志望理由書の段階からしっかり自分の考えをまとめていきましょう。